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Drosophila Newsletter (Japanese) No. 16

The Newsletter of the Japanese Drosophila Research Conference (in Japanese)

April 1999

3rd Announcement of the 4th JDRC Meeting (1999)by NISHIDA Yasuyoshi
Application Form
Meeting Report : 40th Annual Drosophila Research Conference (USA)by TOMOYASU Yoshinori
Laboratory Report : Chris Doe's lab, Univ. Oregonby ISSHIKI Takako
Please update the JDRC address bookby MARUO Fumiaki
JDRC Charter


ショウジョウバエ通信 No.16

1999年 4月
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この通信は研究室単位でお送りしています。研究室の方全員に読んでいただけるようご配慮お願いいたします。

第4回研究集会の御案内(第3報)西田育巧
「日本ショウジョウバエ研究会」第4回研究集会 参加申し込み書
40th Annual Drosophila Research Conference 印象記−結石奮闘記友安慶典
ポスドク体験記(Chris Doe 研究室)一色孝子
研究会名簿の変更情報をお知らせください事務局 丸尾文昭
会則について

第4回研究集会の御案内(第3報)

          第4回研究集会準備委員会  西田 育巧
         (名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻)

 前号でお知らせしましたように、「日本ショウジョウバエ研究会」第4回研究集会
を下記のように名古屋において開催いたします。従来どおり、一般演題は全てポスタ
ー発表といたします。なお、ポスターは研究集会期間中、ずっと掲示できるようにし
、十分なディスカッションができるようにしました。下記要項にて参加、発表申し込
みを募ります。多数の方々のご参加をお待ちしています。要旨集は当日の配布とさせ
て頂きます。

1.日時
 1999年 8月 2日(月)〜 4日(水)

2.場所
 愛知県がんセンター国際医学交流センター(名古屋市千種区鹿子殿1ー1)
    会期中の緊急連絡先(FAXのみ):愛知県がんセンター研究所生物学部宛て
                      FAX: 052-763-5233
3.プログラム

   2日(月)12:00 受付開始
        13:00〜16:00 シンポジウム(企画中)
        16:00〜18:30 ポスター
   3日(火) 9:00〜12:00 ポスター
        13:00〜16:00 シンポジウム
                    「細胞極性形成のダイナミズム(仮題)」
                      オーガナイザー:上村 匡(京都大) 
                              松崎文雄(東北大)
        16:00〜16:30 総会
        18:00〜20:00 懇親会
                      (於:名古屋大学ユニバーサルクラブ)
   4日(水) 9:00〜11:00 ポスター
        11:00〜12:00 テクニカルセミナー
        13:00〜15:00 討論会
                    「ポストゲノム時代にむけて(仮題)」
                      コーディネーター:伊藤 啓(基生研)

   詳しいプログラムは、確定次第、ショウジョウバエ研究会のホームページに掲
載いたします。

4.参加・発表申し込みおよび参加費納入の締め切り
  
     6月30日(水)

  これ以降の参加費納入は、当日参加の額とさせて頂きますので、御注意下さい。

5.参加費

    有給者(含PD、研究員)  4000円(当日参加 5000円)
    院生・学生・研究生     3000円(当日参加 3500円)

郵便振り替えで前納して下さるよう、お願いいたします。なるべく研究室単位でまと
めてお振込みください。申し訳ありませんが、振替用紙は郵便局備えつけの<青色>
のもの(手数料は振込者負担)をご使用願います。振替用紙の通信欄に参加者氏名を
明記して下さい。なお、領収書は振替の受領書をもって代えさせていただきます。

   郵便振替  口座番号:00810-5-10085
         口座名義:日本ショウジョウバエ研究会 

6.参加申し込み

  以下のフォームに記入して、
  jdrc4@bio.nagoya-u.ac.jp
  まで電子メールでお送り下さい。

  メールが使えない場合は、参加申し込み書を下記に郵便またはFAXでお送り下さい。
  〒464-8602 名古屋市千種区不老町
        名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻
            西田 育巧
          FAX: (052) 789-2511

  一人1枚でお願いいたします。  



「日本ショウジョウバエ研究会」第4回研究集会 参加申し込み書

参加者氏名:

ふりがな:

所属・身分:

住所:

電話:  

FAX:       

e-メール:

発表:

  シンポジウム    あり    なし (不要の方を消して下さい)

  ポスター      あり    なし (不要の方を消して下さい)

  演題:


懇親会:   出席する    出席しない (不要の方を消して下さい) 

その他:(何か必要な連絡事項があれば、お知らせ下さい)



7.講演要旨原稿の送付について

講演要旨(要旨本文文字数 600字以内)は、6月30日までに、以下の要領で、添
付書類としてではなく、電子メールの本文として、jdrc4@bio.nagoya-u.ac.jpへお送
り下さい。メールが利用できない方は、お手数ですが6月30日必着でプリントアウ
トしたものとテキストファイルを入れたフロッピィディスク(Mac あるいは DOS)を
お送り下さい。

タイトルおよび要旨本文ではイタリック等の文字修飾は一切用いないことにさせてい
ただきます。ご了承下さい。英字・数字は半角にしてください。英文のタイトルと発
表者氏名・所属を忘れないで下さい。以下のようなスタイルで原稿を作成下さい。

●1行目に左詰めでタイトル

●2行目に発表者氏名。発表者に*を付けてください。発表者の所属が異なる場合に
は以下の様に氏名の後に半角数字で表記してください。
例:
蝿目次郎1、浮来仲間*1、名古屋太郎2

●3行目に所属を略記して下さい。
例:
1:名大・院理・生命、2:愛知がんセ研・生物   

●4行目に、英文タイトル

●5行目に、英文で、発表者名と所属

●1行改行して、要旨本文  文字数 600字以内

シンポジウムおよびポスターの要旨は、7月半ば過ぎに、ショウジョウバエ研究会の
ホームページから閲覧できるようにする予定です。

8.ポスター発表

ポスター掲示用のパネルの大きさは、横90cm×縦210cmです。これに収まるように、
準備をお願いいたします。第1日目(8月2日)12:00から掲示開始可能の予定
です。期間中は、ずっと掲示できます。第3日(8月4日)12:00以降に撤去し
て下さい。遅くとも15:30までに撤去願います。

ポスター発表者は、第2日目(8月3日)の下記の時間帯に、ポスターの前で説明を
お願いします。
    10:00〜11:00  奇数番号
    11:00〜12:00  偶数番号

9.懇親会

2日目に、懇親会を予定しています。準備の都合上、出席の可否をできるだけ参加申
し込みのときにお知らせ下さい。もちろん、当日参加も可能です。懇親会費は下記の
ように予定しております。懇親会費は研究集会会場での受付の時に申し受けます。大
会参加費と一緒に納入しないで下さい。

    有給者(含PD、研究員)  4000円
    院生・学生・研究生     2500円 

10.クローク

1室をクロークとして設定する予定ですが、荷物の出し入れはセルフサービスで願い
ます。不審者の出入りのチェックはする予定ですが、貴重品の管理は、各自でお願い
いたします。

11.交通

会場への交通の便があまり良くありませんが、御了承願います。

愛知県がんセンターへの交通の便

◎名古屋駅より
 1)地下鉄東山線「本山」駅下車、本山より市バス(光が丘行、猪高車庫行のいず
れでもよい)で「自由が丘」にて下車(全所要時間約30分)。または、本山よりタ
クシー(約1000円)。バス停から、進行方向右側に愛知県がんセンターがありま
す(徒歩3分)。



 2)市バス基幹2系統、自由が丘行で終点「自由が丘」にて下車(所要時間約45
分)。

◎名古屋空港より
 「名古屋駅」行または「栄」行空港バスで「黒川」にて下車(最初のバス停)、地
下鉄 名城線に乗換え、「栄」でさらに東山線に乗換えて、「本山」下車。本山より
市バス(光が丘行、猪高車庫行のいずれでもよい)で「自由が丘」にて下車。



12.宿泊

残念ながら、会場の周辺に宿泊施設はありません。各自で共済組合などの施設への宿
泊予約をお願いいたします。地下鉄東山線沿線が便利です。また、下記のように(株
)富士ツーリストにお願いして、割安の部屋をかなりの数、確保して頂いていますの
で、是非御利用下さい。御利用の方は直接、富士ツーリストにお申し込み下さい。

       日本ショウジョウバエ研究会/宿泊の御案内

●宿泊代金:お一人様/1泊朝食付(税込) 《シングル》 6600円
                     《ツイン》  6300円

●申込方法:郵便局備え付けの郵便振込用紙(青色)に下記をご記入のうえ送金願い
ます。
      (郵便局/口座番号)00890-1-104136
       加入者名/株式会社 富士ツーリスト

 振込用紙の通信欄に宿泊日、希望部屋タイプを明記の上、代金をお振込下さい。ま
た、ツインルーム御希望の方は、同室者の氏名も御記入下さい。
  ※部屋の都合により、ツイン、シングルが御希望どおりいかない場合がございま
す。御了承ください。

●申込締切:99年7月9日(土)

●お申込み・お問合せ:
    (株)富士ツーリスト
    〒460-0008 名古屋市中区栄3-32-26 六合ビル4F
    TEL (052) 261-4621 FAX (052) 251-6913 ←訂正済
       担当:富田 千草・宇野 せき子

●宿泊先:チサンホテル名古屋
     名古屋市中村区則武1ー12ー8
     TEL (052) 452-3211
     FAX (052) 452-3219




「ショウジョウバエ研究会 第4回研究集会」
  運営担当 名大・院理・生命 西田育巧
    TEL: (052) 789-2472 FAX: (052) 789-2511 
    e-mail: nishida@bio.nagoya-u.ac.jp

  研究集会用メールアドレス: jdrc4@bio.nagoya-u.ac.jp
    郵送の場合の申し込み書、要旨送付先:
    〒464-8602 名古屋市千種区不老町
      名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻
            西田 育巧


「40th Annual Drosophila Research Conference 印象記−結石奮闘記」

            友安 慶典(総研大生命科学研究科&基生研形態形成部門)

   40th Annual Drosophila Research Conferenceが3月24日から28日まで、ア
メリカ、ワシントン州はベルビューで行われた。この学会はスライド、ポスター合わ
せて900近くほとんど全てがハエに関する演題である。世界にはこんなにも多くの
Drosophilistがいるのかと今更ながら圧倒された。今回の開催地となったベルビュー
はシアトルとはワシントン湖を挟んで対岸に位置する静かな町である。(ちょっと静
かすぎる気もするが)落ち着いた雰囲気を持つ街で、住み心地はよさそうである。学
会会場から食事のできる所が離れていたのは不便であったが。

   と、学会での 印象を記す前に、私が印象記を書く上で欠かせない事件につ
いて語っておく必要がある。その事件は学会が始まる10日ほど前に起こった。晩飯を
研究所近くの定食屋で取り、そろそろポスターを作らねばなどと考えながら研究所へ
と足を運んでいる時である。突如腰に激痛が走り、歩くのもままならない状態に陥っ
てしまった。初めはぎっくり腰かと思い、なんとオヤジ臭いと思ったが、どうも痛み
がひどい。とりあえず家に帰ったが、たまらず研究所の人に助けを求め病院に行く。
診断の結果は「尿路結石」(ある意味、ぎっくり腰よりもオヤジ臭い・・・)。しか
も、石は以外と大きく1日2日では出てこないとの事。「石が早く出るように水分を
多くとって下さい。とりあえずは我慢するしかないですね、ハハハ。」と無邪気に笑
顔で話す医者の声がやけに遠くで聞こえた。

   10日後、「2リットルのお茶+1リットルの水/一日」の爆飲かいなく体内に
石を残したまま出発の日を迎える。しかも前回の39th Annual Drosophila Research
Conferenceとは異なり、目的地まで一人でたどり着かねばならない。「今、石はどの
辺につまってんのやろう?」などと考えながら飛行機に乗り込んだ。離陸してまもな
く尿意を感じトイレに行くがほとんど何も出ない、さらに下腹部に激痛がはしる。ど
うやら石は膀胱を抜け尿道に入ったと思われる。とりあえず「どんな時でも寝れる」
と言う特性を生かし、無理やり寝る。結局、着陸まで爆睡できたおかげで、機内での
たうち回らずにすんだ。しかし恐ろしく気分が悪い。入国審査では、あまりの気分の
悪さに審査員をにらみつけてしまう。すると、気迫負けしたのか審査員は何も聞かず
に通してくれた。「高校で鍛えた俺のめんちきりもまだまだ捨てたもんとちゃうな」
と分けの分からないことをつぶやきながら、なんとか空港近くのホテルにたどりつき
、初日は事無きを得た。

   2日目、学会初日。いきなり難問がふりかかる。シアトル、シータック空港
からベルビューまでの行き方が分からないのである。ホテルのフロントに学会会場で
ある「Double tree Hotel」まではどうやって行けばよいかを訪ねると「そこの正面
玄関を出て左に2、3分歩けば着くよ」と教えてくれた。覗いて見ると確かにDouble
tree Hotel と書かれた建物がある。どうやらDouble tree Hotelは複数存在するらし
い(後で聞くとDouble tree Hotel は色々な都市に存在する有名なホテルらしい)。
とりあえず空港のバス停まで行き、インフォメーションカウンターでベルビューまで
の行き方を訪ねると、「それなら、電話でシャトルバスを頼むといい」と言われた。
電話をかけてみるが、予想通り英語がほとんど聞き取れず、途方に暮れてしまった。
とりあえず打開策はないかとインフォメーションカウンター付近をうろうろしている
と、向こうから林先生率いる遺伝研の皆さんが現れた。後ろから後光がさして見えた。
半泣きになりそうなのを押さえて、「タクシーで行くなら僕も便乗させて下さい。」
と頼み込み、なんとか学会会場にたどり着くことができた。

  午後、ホテルのロビーで東大西郷研の皆さんに出会い、シアトル観光に誘われた。
相変わらず腎臓周辺が痛いが観光の誘惑には勝てず便乗させてもらうことにした。
ベルビューからシアトルのダウンタウンまではバスで約30分。外の景色を見ている
と桜が満開であった。まだまだ寒いシアトルであるが着実に春が近づいているらしい。
ダウンタウンに着くと、まずスペースニードルに向かった。スペースニードルの展
望台ではあいにくの雨であったが、それでも眺めはなかなか良かった。晴れた日に来
れば素晴らしい景色が見れると思う。展望台でも尿意を催しトイレへ行くがやっぱり
何もでない。気力を振り絞ってきばると、数滴の血尿が・・・。「世界広しと言えど
も、スペースニードルのてっぺんで血尿したやつは俺ぐらいっすよね。」と、得意げ
に西郷研の皆さんに話したが、あまり相手にされなかった(寒い・・・)。その後、
ピザ屋で信じがたい量のピザを食べた後(未だにピザは見たくないと思っているのは
私だけではないはず)、水族館へ向かう。水族館はこじんまりとしていたが、それな
りに楽しめた。午後7時ごろ学会会場に戻り、Opening General Sessionを聞く。ほ
とんど夢の中であった・・・。

   3日目、slide session、poster session 開幕。石は依然として体内に残っ
たままである。午前のslide sessionを何とか乗り切り、午後のposter sessionに備
えて、自分のポスターを貼りに行く。同じ興味を持つ人達とディスカッション出来る
という期待と、英語で説明しなければならないという不安を抱きながらポスターの前
に立つ。数人のお客さんの相手を無難にこなし、ホッとする。ところが集まった人同
士で議論が始まってしまった。もちろん英語である。ほとんど何を話しているか分か
らずおろおろしてしまう。「英語は地球語」という私も通っている某英会話教室の宣
伝が頭をよぎった。「ほな、地球語を話せん俺は地球人と違うんか?」などとばかな
突っ込みをしていると、議論していた内の一人が何やら私に同意を求めにくる。思わ
ずお得意の「Japanese smile」でかわしてしまった。自分の英語力のなさに自己嫌悪
する。

   4日目。朝5時ごろトイレに行く。相変わらずほとんど何もでないなと思っ
ていた刹那、何かが尿道を通った気がした。直後、堰を切った用に尿が出始める。と
ても信じられない量である。滝の様に流れ出る尿の音が長かった闘病生活の終わりを
告げていた。難産であった。子を産む母親の苦しみが少し分かった気がした。ちょっ
ぴり、大人になった気分である。非常に清々しい気分で学会会場へ。その後は体調も
回復し、順調に演題を聞くことができた。

   他にもお話したい体験談がいくつかあるのだが、 印象記と題している以上
そろそろまじめな学会の印象も記さねばなるまい。国際学会に参加してまず感じた事
は、slide sessionでのプレゼンテーションのうまさである。堂々としており、それ
でいてユーモアにあふれるプレゼンテーションは非常に勉強になる。もっともユーモ
アに関しては英語が未熟なため9割方理解できなかったが・・。

   slide session、poster session を通しての印象としては(私が聞いていた
のは主にPattern formation に関する演題なので、この分野での印象になるが)、ど
の発生段階における仕事も確実に進展しているなということである。正直、あまりに
情報量が多すぎてとても全部は聞ききれなかった。ただ、すこし寂しかったのは、少
なくともPattern formation に関する演題では、びっくりするようなトピックスがあ
まり無かったことである。新しい分子の同定や新しいメカニズムの提唱など、確かに
新しいことが数多く発表されてはいるのだが、基本的にどの仕事も以前から提唱され
ている大筋を補強する結果になっていた様に思う。もっとも、私の仕事はその典型で
あるが・・・。ショウジョウバエのみを用いてPattern formation を研究する上で、
大きな筋書きの変化はもうあまり期待出来ないのであろうか?そんなことは無いと思
うのだが多少の危機感を感じた。
   ただ、最終日のPlenary Sessionでの「Beetle developmental genetics, it
takes more than one insect to study evolution」の中での仕事は、Pattern
formation を研究する上での新たなアプローチの可能性を示唆しているように思う。異な
った形を持つ種間での形づくりのメカニズムの保存性や多様性を知ることは、そのメ
カニズムを理解する上で非常に有用である。もちろん現状でも、XenopusやChickなど
比べるべきモデル動物は沢山存在する。しかし、これらの種はDrosophilaと比べるに
は遠すぎる様に感じる。今回のこの演題のなかで用いられたTribolium (red flour
beetle) は、類似した遺伝子セットを持ちながらも異なった形を持っているという点
で、非常に興味深い。in situやmutant取りもすでに確立しているようで、今後、こ
のような仕事から大きなブレイクスルーが生まれれば面白いと思う。1つ贅沢を言う
と、カブトムシが大好きな私としては、もっと角が立派な種類を使って欲しかったが。

   テクニカルな面でのトピックスはやはり、RNAiについてであろう。RNAiその
ものは線虫で普通に用いられている技術なのでそんなに驚きは無いものの、今後のハ
エを用いた研究において(特にreverse geneticsで研究を行う場合には)必須の技術
になるのではないだろうか。詳しいプロトコールは www.pitt.edu/~carthew/manual/
RNAi_Protocol.htmlで入手可能。

   今回、2度目の国際学会参加であったが、1度目よりも色々な面で実りの多
い学会であったと思う。昨年、初めて国際学会に参加したときは、正直右往左往して
いるだけであった。海外が初めての私にとっては「慣れる」ことで精一杯だったよう
に思う。今回は多少なりとも「慣れた」上で、日本人以外の人とのディスカッション
を「楽しむ」ことが出来た。これは自分にとっては大きな前進だったと思う。もちろ
ん反省すべき点も多くある。ディスカッションを楽しむことが出来たといっても、そ
のなかで自分の話していた英語は余りにもひどいものであった。言いたい事の半分も
伝わっていなかった気がする。また、学会会場で日本人を見つけるとすぐアトラクト
されるのも悪いくせだ。これらの事を改善するよう努力しながら、次の国際学会を目
指して頑張りたい。また、まだ国際学会の経験のない大学院生の方には是非、積極的
に参加して欲しい。色々な面で自分を見直す良い機会になると思う。

   最後に、学会期間中は本当に多くの人にお世話になりました。ありがとうご
ざいました。またこの印象記を書く機会を与えて下さった北教大の木村賢一先生、こ
の印象記(半分は自分勝手な体験談)を最後まで読んで下さった方々に深く感謝いた
します。

蛇足;結石はかなり痛いです。皆さんお気をつけ下さい。



「ポスドク体験記」

                一色孝子 ( Chris Q. Doe Lab, Univ. of Oregon )

   イリノイ州Urbana-Champaignという、シカゴから車で2時間半の距離にある
大学町に住み始めて2カ月ほどたったある日、ラボミーティングで、Chrisが 『 Univ
of Oregon からとてもいい条件のOfferをもらったので、来年の夏にオレゴン州ユ
ージンに移ろうと考えています。ユージンの町の大きさはここと同じぐらいですが、
気候はまったくちがって非常に穏やかです。大学の規模は……、BIG10……、etc.、etc.、
HHMI……は2年間……ありません。みなさんの意見を聞きたいので、いけるかどう
か今晩ご家族と話し合ってみてください。』と何の前触れもなく言い出しました。私は
英語が半分も聞けていなかったので、何か重大なことを聞き逃したかも知れな
い、お給料でるだろうか、またアパート探しするのか、そもそもオレゴン州はどこに
あるのだろうと不安がつのりましたが、とにかく連れていっていただくしか道はなく、
日本からアメリカへの引っ越しの疲れがようやくとれたころに、他の人達にとっては、
新築の建物にラボが移転して半年も過ぎていないころに、次ぎの引っ越しが決まったの
でした。

   ずっと昔に、『オレゴンから愛をこめて』というテレビドラマが確かあった
と思うのですが、みなさんオレゴン州がワシントン州とカリフォルニア州の間に位置
するということはご存じでしょうか?オレゴンは、大きな都市や観光スポットはあり
ませんが、小さな山々と複雑な海岸線を合わせ持ち、日本の田舎によく似ていて馴染
みやすいところです。ユージンは、70年代ヒッピーがいまだに生息しているアメリ
カの街とガイドブックに紹介されていましたが、確かに長髪や、ビーズのネックレス
をしたひとをよく見かける気がします。そんな街の雰囲気に合わせたのでしょうか、
イリノイ大学はドイツ風のどっしりとした建物が整然と並ぶ広大なキャンパスを誇っ
ていたのに対し、オレゴン大学はそれほど広くなく、それぞれの建物が自由気ままに
建てられています。私たちの研究室がある建物は5つの小さなHALLの複合体なのです
が、この5つがそれぞれまったくちがう構造を持つ上に非常に複雑に連結していて、
最初の一週間は、自分たちの部屋にもどるのに、一度外にでて確実にたどりつける入
口を見つけていました。ただ、慣れてしまえばどうということはなく、サンルームや
パティオのスペース、階段の下の隙間にコーヒーショップなどが設けられていて、変
てこですが不思議と落ち着く建物です。この複合体の中に、Molecular Biology、
Neuroscience部門に所属する約30の研究室が入っており、それぞれの研究室の規模は
多くても10人程 で、みな気軽によその研究室にいって器具を借りたり、長話をし
ています。オレゴン大学のトレードマークともいえるZebrafishの研究室は4つと意
外に少なく、線虫、酵母、アラビドプシス、その他、得体の知れない小生物を研究材
料とする部屋がまんべんなく存在しています。 Zebrafishの研究室を中心とした気軽
なディスカッション、発生研究の研究室で組織したJournal Clubが週1回ずつ開かれ
ており、招聘セミナーも充実しています。ただ、ハエの研究室が我々Doe研だけなの
で、少し寂しく感じています。

   現在、私たちの研究室は、院生3人、ポスドク5人、技官2人がおり、その
他に、お手伝いの学部学生、一年目の院生が出入りしていて、ベンチの数がぎりぎり
しかなく人口密度が高いのですが、A Rolling Stone Gathers No Moss. のとおり、
余分なものがなく片付いているので、窮屈な感じはありません。アメリカの研究室は
朝型型で、週末は休むと聞いていましたが、どの時間にきてどれだけ働くかまったく
個人の自由に任されており、 平日に旅行にいって週末埋め合わせるというのもあり
で、その点、日本の研究室に近い感じです。また、仕事場でのお酒のつきあいが少な
いとも聞いていましたが、地ビールを樽ごと注文してきたり、自分でビールをつくっ
たり、毎日寝る前にワインは欠かせないというような酒好きが集まっているせいでし
ょうか、飲み会の回数が多く、パーティーラボと呼ばれています。パーティーの際、
日本人は寿司をつくることが期待されるので、これからアメリカにこられる方には、
道具を一式揃えて練習することをおすすめします。研究環境は、Bloomingtonからハ
エが届くのが早い、自前のConfocalがある、気候の違いかエサにカビが生えづらい、
洗い物をしなくていい、くらいで、あとは日本とほとんど変わりません。Chrisが一
番興味をもっているプロジェクトは、ニューロブラストとGMCがそれらしく維持され
るために働いている機構を探ることですが、Neural Developmentに関連していておも
しろそうなことであれば何をやってもよいという方針でMetamorphosis中の神経系のR
emodelingをテーマにした人もいます。数週間後にラボのホームページ(http://www.
neuro.uoregon.edu/doelab/doelab.html)が最新版にかわる予定なので、お時間のあ
る方は、ぜひのぞいてみてください。

   6月に、Chrisの意向で、キャンプをしながら数日かけて川を下る全員強制
参加のカヤッキングツアーが行われる予定です。どうやら同好の志を研究室内にも増
やそうというもくろんでいるようです。研究所の前を流れる川でもカヤックができる
というのが、彼がユージンに移る話を決めた最大の理由かもしれません。

   ラボの紹介というよりオレゴン紹介になってしまいました。ひとそれぞれだ
と思いますが、私はイリノイよりオレゴンの方がずっと暮らしやすく、Chrisが移っ
てくれてラッキーでした。何かと緊張を強いられる留学生活、ラボ選びはもちろんで
すが、自分に合った土地や住み家を慎重に選ぶことも、考えられている以上に大切な
のではないかと思うこの頃です。




研究会名簿の変更情報をお知らせください

                            事務局 丸尾文昭

 年度もかわり、研究室の構成員の移動も一段落した頃と思います。新規の方や転出
された方の情報、名簿の内容の変更についてご連絡ください。

・最新版の名簿は研究交流支援を目的に研究会ホームページで提供しています。1999
年4月現在 412 件(156 研究室)の登録があります。
       http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~maru/JDRC/
・卒研生は原則として掲載していませんが、Jfly Mailing list 参加者などは掲載し
ています。
・伊藤啓さんの管理されている Jfly ML 参加者名簿への変更情報は反映させます。
ただ、Jfly ML に参加されていないメンバーの登録もお忘れなく。
・研究室でまとめてくださると助かります。(共通項目は省略し、変更事項だけ書い
ていただけば結構です。)
・変更情報は以下の要領でご報告ください。(研究室で一括の場合、要点のみで構い
ません。)


日本ショウジョウバエ研究会名簿変更情報

変更事項:内容変更、新規入会、登録抹消 (←不要な項目を消去してください)

氏名:

ふりがな:

身分:

e-mail:

所属:

所在地:(〒     )

TEL:

FAX:

その他:

上記の内容に必要事項を記入して、e-mail、FAXまたは郵送で送ってください。
   e-mail:maru@biol.tsukuba.ac.jp
   FAX:0298-53-6669
   郵送:〒305-8572 つくば市天王台 筑波大学生物科学系 丸尾文昭

*名簿の変更情報は随時受け付けておりますので、いつでも個別にご報告ください。

よろしくお願いいたします。



「日本ショウジョウバエ研究会」会則


1. 本会を「日本ショウジョウバエ研究会」(JDRC: Japanese Drosophila Research C
onference)と称する。
2. 本会はショウジョウバエを利用した研究を行う人およびショウジョウバエ研究に
興味を持つ人を広く結集し、相互の情報交換と研究討議を行う場を提供する。
3. 上記の趣旨に賛同する者は誰でも会員になれる。
4. 本会には代表1人を含め世話役4人を置く。
5. 代表は本会運営の責任者であり、また研究集会の計画・実行に責任を持つ。代表
は研究集会が開かれるごとに交代する。
6. 代表以外の世話役のうち、1人は「ショウジョウバエ通信」の編集を担当し、全
員に必要な情報を伝達する。
7. 他の1人が事務局を分担し、名簿の管理、通信の発送、金銭の出納を行う。
8. 世話役は会員全体のために、緊密に連絡し広い視野で活動する。
9. 世話役は2人ずつ2年毎に交代し連続4年勤める。4年を越えるのは認めない。世
話役を辞めたのち4年間は再び世話役になることができない。
10. 新しい世話役は地域、研究分野等のバランスを考慮して現世話役が決定する。会
員は世話役に候補者を推薦することができる。
11. 世話役の交代は研究集会時に行い、出席者の承認を得る。
12. 新しい世話役に不満がある者は代わりの候補を立てて選挙を要求できる。
13. 会の運営費が不足してきた時には、これを徴収することがある。この場合、研究
室を主管する立場にある者が多くを負担するものとする。
14.この規定に無かったり、詳しく決めてない事態が発生した場合の処理は世話役に
一任する。

補則
1. 入会するには事務局へ申込む。研究会名簿に登録され「ショウジョウバエ通信」
を受け取ることができる。同時にJfly mailing listにも参加されるようお勧めします。
2. Jfly は伊藤啓氏のボランティアによって運営されています。ショウジョウバエ研
究会の活動ではありませんが、良好な協力関係のもとに、情報伝達等に利用させても
らっています。
3. 何らかの事情で任期中に世話役の交代が必要になる場合の手続きは14 項を適用し
て対処する。
(以上)
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日本ショウジョウバエ研究会(世話役)
西田 育巧(代表):〒464-8602 名古屋市千種区不老町 名古屋大学 
 大学院理学研究科 生命理学専攻 発生生物学研究グループ Tel: 052-789-2472
  Fax: 052-789-2511 E-mail: nishida@bio.nagoya-u.ac.jp
林 茂生:〒411-8540 三島市谷田1111 国立遺伝学研究所 系統生物研究センター
 無脊椎動物遺伝研究室 Tel: 0559-81-6823 Fax: 0559-81-6825 
 E-mail:  shayashi@lab.nig.ac.jp
丸尾 文昭(事務局): 〒305-8572 つくば市天王台1-1-1 筑波大学生物科学系
 Tel: 0298-53-4909 Fax: 0298-53-6669 E-mail: maru@biol.tsukuba.ac.jp
木村 賢一(通信):〒068-8642 岩見沢市緑が丘2丁目 北海道教育大学岩見沢校
 生物研究室 Tel: 0126-32-0341 Fax: 0126-32-0255 
 E-mail: kimura@iwa.hokkyodai.ac.jp
ホームページ:http://www.biol.tsukuba.ac.jp/~maru/JDRC/
Jfly:伊藤 啓 〒444-8585 愛知県 岡崎市明大寺町 字西郷中 38番地
 岡崎国立共同研究機構 基礎生物学研究所 細胞増殖部門 Tel: 0564-55-7532
 Fax: 0564-55-7533 E-mail: iitokei@nibb.ac.jp
Jfly サーバー: http://jfly.nibb.ac.jp/index_j.html
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         木村賢一
      北海道教育大学岩見沢校 生物研究室
      〒068-8642 岩見沢市緑が丘2丁目
      tel: 0126-32-0341 
      fax: 0126-32-0255
      E-mail: kimura@iwa.hokkyodai.ac.jp