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P-lacW ベクターの構造と P 配列の部分の外し方


Date: Mon, 9 Oct 1995 11:22:55 +0900
From: i45571aアットマークnucc.cc.nagoya-u.ac.jp (shin sugiyama)

> 山口大の村上です
>P-lacWを飛ばしてミュータントを作り、さらにプラスミドレスキューもうまくいきま
>した。そこでP因子の下流側のウイングをふくむゲノム断片をプローブにしてcDNAラ
>イブラリーをスクリーニングしたところP因子そのものが釣れてしまいました。下流
>側のウイングを除去してプローブにすればよいのではと思いますが、ウイングを除去
>する簡単な方法(または、適当な制限酵素)をご存じでしたら教えて下さい。またP-
>lacW のシークエンスを知りたいのですが、どうすればよいのでしょうか?
>ENTREZ で試してみたのですが、うまく引けませんでした。よろしくおねがいします

名大の杉山伸です
「雑用などに忙殺されている」という上村匡さんに代わりに答えるよう頼ま
れました。以前上村さんに送っていただいたP-lacWの作製過程を示したMAPをfaxで送
ります。ぼくの知る限りP-lacWの全シークエンスはデータベースには入ってないので
MAPに基づいて必要な部分のシークエンスを文献かデータベースから調べるしかない
と思います。但し、P-lacWの3-prime BamHI site から P element end までのシーク
エンスは伊藤啓さんが Jfly にいれてくれましたので見てください(gopher://202.2
41.18.171/picture/schema/PlacW_map.pict)。ここに村上さんが期待しているように
P element の wing をきれいに切り取る制限部位があるかどうかはぼくは調べていま
せん(端から0.24kbのところにHindIIIはあるけど)。そこで原則的にはplasmid res
cueしたgenomic fragmentの中から切断部位をさがした方がいいと思います。また、p
lasmid rescueしたgenomic fragmentがintronやregulatory sequenceしか含まない可
能性も高いので、そのような場合はcDNA library の screening はできません。一度
genomic fragmentをprobeにwhole mount in situ を行って、lac-Z の発現と一致す
るかどうか、transcribed sequence があるかどうか確認した方がいいと思います。
また、それによってどのstageのcDNA libraryをscreenしたらいいかも判断できます
。発現が検出できない場合はぼくだったらさきにphageのgenomic libraryをscreenし
ます。またplasmid rescueしたgenomic fragmentが短すぎて切り出すのに使える制限
部位がない場合もそうすると思います。もちろんP-lacWの逆側(5-prime)をplasmid
rescue することもできます。詳しいことがわからないので余計な心配かもしれませ
んが思い着くこと書かせていただきました。

杉山伸


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Date: Mon, 9 Oct 1995 13:10:03 +0900
From: shayashiアットマークlab.nig.ac.jp (Shigeo Hayshai)

村上様
Pの配列をはずす最も単純な方法はPの端の配列を使ってrescueしたプラスミドをte
mplateにしてPCRをすることです。Pの両端は31baseの繰り返し配列があるのでこれ
にhybridizeして外側に向かうプライマーとresucueの際に使ったサイトの近傍にアニ
ールするプライマーを作製すれば増幅できるはずです。制限マップを作る手間とあま
り使わないような制限酵素を購入するコストを考えればプライマー外注することも割
が合うかもしれません。

林 茂生