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微小染色用の「小型ザル」(12穴、24穴マルチウェルプレート用)


Date: Sat, 8 May 1999 15:38:28 +0000
From: tmurataアットマークrtc.riken.go.jp (Murata, RIKEN Tsukuba)
Subject: [Jfly] instrument for immunostain and in situ RNA hybridization.

村田&長曽アットマーク理研です。

以前、マイクロピペットチップを使った「極小ザル」の作り方が投稿されましたが、
それに似たツールの作り方を考案しました。三齢幼虫を解剖して染色することを
考えて、マイクロピペットチップよりもう少し大きなものを作ろうというのが目的
です。12穴や24穴マルチウェルプレートで使います。
有機溶媒でプラスチックピペットが溶けることを利用してナイロンメッシュと
ピペットを接着します。

材料&器具
プラスチック製ディスポピペット(5 ml、10 ml、25 mlなど)
(ポリスチレン製の15 mlチューブや50 mlチューブでも基本的には可)
ナイロンメッシュ
クロロホルムまたはトルエン
やすりまたは金工用鋸
紙やすり
アルミホイルまたはスライドグラス
ハサミ&カッターナイフ

作り方
マルチウェルプレートにあう太さのピペットを適当な長さにやすりや鋸で切ります。
適当というのは、プレートのウェルに入れたときに長すぎず短すぎず、のことです。
(実体顕微鏡で覗きながらピンセットで中のサンプルをつまむことも考慮して)
切り口をやすりや紙やすりで平らにします。
平らにした面を上にして机の上に置き、そのうえにピペットの太さより少し大きめ
の直径に切ったナイロンメッシュを置きます。
クロロホルムをほんの少しピペットとメッシュの接している部分にかけます。
次に、その面をアルミホイルまたはスライドグラスに押しつけてピペットとメッシュ
を圧着します。
クロロホルムが蒸発した後でピペットとメッシュの接点を調べ、隙間があるようなら、
もう一度クロロホルムをかけてピペットとメッシュを圧着します。


Tips
クロロホルムまたはトルエンでピペットが溶けることを確認してから作業しましょう。
同じくそれらでナイロンメッシュが溶けないことも確認しましょう。
我々はクロロホルムを使いましたが、科学機器のカタログの付録によると、ナイロン
はクロロホルムで影響を受けるらしいので、トルエンの方がいいかもしれません。
ナイロンメッシュは、そんなにたくさん使いませんから、例えばファルコンの50ml
チューブ用に発売されているメッシュの「試供品」をもらうなどして調達しましょう。
(我々はそうしました)
クロロホルムの量が多いと、ナイロンメッシュのピペットと接していない部分も穴が
ふさがれてしまいますので、くれぐれもかけすぎないように。

以上。

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Takehide MuraTa Ph. D.
e-mail: tmurataアットマークrtc.riken.go.jp
personal HP: http://ac3.aimcom.co.jp/~tmurata/fly/
phone: +81-298-36-3612, fax: +81-298-36-9120

Tsukuba Life Science Center,
The Institute of Physical and Chemical Research (RIKEN)
Tsukuba Science City, Ibaraki 305-0074, Japan.
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村田 武英
305-0074 茨城県 つくば市 高野台 3-1-1
理化学研究所 ライフサイエンス筑波研究センター
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