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キャピラリー・プラーの比較(ナリシゲ)


Date: Mon, 23 Oct 2000 22:37:48 -0500
From: miho matakatsu
Subject: [Jfly] capillary pullerについて

microinjection が話題にのぼっているので、お尋ねしたいことが有りメールします。
得にCapillary Pullerに関してです。
現在NARISHIGEから、垂直方向に重りとヒーターを使って引くPC-10というpullerと、
水平方向にマグネットとヒーターを使って引くPN-30というpullerが購入可能です。
カスラマーサービスに聞いたところ、ショウジョウバエを研究材料にされていて、且
つショールームで見学して、PC-10とPN-30を比べられた方は、PC-10(垂直式)を購入
される場合が多い、とききました。

各特徴は、PN-30(水平式)は、先端の細いcapillaryがひける。
PC-10(垂直式)は1度引きだけなら、あまり細い先端がつくれないが、2度引き
(引きを途中で止めて、その後再ヒートする)方法を採用することで、細い先端を形
成できると聞きました。(single or double pullはuserが選択できる)
この情報だけでは、どちらを選べばよいのか決断材料が不足しています。
両者、または型に関わらず水平式と垂直式の、違いがあるのでしょうか?
userの好みの問題でしょうか?
価格の差は、700ドルです(PC-10は$2850, PN-30は$3550)。
なにか特記的な違いを見つけられた方がいましたら、コメントしていただければ幸い
です。
よろしくお願いいたします。

Tanaka-Matakatsu, Miho Ph.D
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Bldg.37, Rm.4C17, NIH
9000 Rockville Pike, Bethesda,
MD, 20892-4255 USA
Phone 301-435-2815
Facsimile 301-402-3095
e-mail mihoアットマークsunspot.nci.nih.gov
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Subject: [Jfly] capillary pullerについて
From: "Masaki Sone"
Date: Tue, 24 Oct 2000 14:19:19 +0900

京都大学医学研究科の曽根です。

私は、最近、PC-10とPN-30のどちらにしようか迷った結果、
PN-30を購入しました。
ただし、PC-10の方はは実際には見ていません。
用途は、卵のインジェクション用のガラス針の作成です。 
PN30の方を選んだ理由は、
以前にいた研究室で使っていたPN-3の後継機種であったということと、
ヒーター・マグネット・サブマグネットの3つのパラメーターを
自由に微調整できるということです。
この点で、おそらくPN-30の方が、
作れる針の形状に自由度が高いのではないかと思います。

私は、通常、先端が太い状態から急激に細くなる鋭い針を
好んで用いています。
使ってみた印象としては、
PN-30は昔の機種のPN-3と、使い勝手が全く異なっていました。
具体的には、亦勝さんのおっしゃるように、
PN-30は、細い先端がパラレルに長く伸びた形状の針
(おそらくヒトの卵のインジェクションに適しているのだと思います)
を作るのに最適化されています。
ただしこのdefaultでできる針は、
先端がとがっていないために、
ショウジョウバエの卵にはうまく刺さりませんでした。
私の作りたい針とは全然異なっていたので、
かなり試行錯誤した結果、
以前使っていたDrummondのmicrocapsではなく、
ナリシゲのG-1という材質の異なるガラス管を使って、
パラメータを慎重に設定することで、
望みの形状の針を作成することができました。
結論としては、少なくともPN-30であれば、
ショウジョウバエの卵のインジェクションに使う針を作成できます。

参考になりましたら、幸いです。


曽根雅紀    Masaki Sone, Ph. D.

京都大学医学研究科腫瘍生物学講座
606-8501 京都市左京区吉田近衛町
TEL : 075-753-4426 FAX : 075-753-4478
E-mail : soneアットマークlmls.med.kyoto-u.ac.jp


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Date: Tue, 24 Oct 2000 15:02:16 +0900
From: nikiアットマークmito.ipc.ibaraki.ac.jp (仁木雄三)
Subject: [Jfly] capillary pullerについて

Tanaka-Matakatsu, Miho Ph.Dさま。
シカゴ大にいたときは、Capillary Pullerは、ほとんどの研究室で、
Sutter Instrument companyのModel P-87を使っていました。
ハエ卵移植用であれば、十分であると思いますが。

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Yuzo Niki
Department of Materials and Biological Sciences
Faculty of Science
Ibaraki University
Mito, Ibaraki 310-8512
JAPAN
Telephone: 81-29-228-8380
Facsimile: 81-29-228-8380
E-mail: nikiアットマークmito.ipc.ibaraki.ac.jp


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Date: Tue, 24 Oct 2000 15:55:28 +0900
From: "ITO, Kei"
Subject: [Jfly] capillary pullerについて

ハエの卵にmicroinjectionしたのは日本で二人目ですが、その後15年
microinjectionから遠ざかっているいとうκです・・・。

At 10:37 PM -0500 2000.10.23, miho matakatsu wrote:
> microinjection が話題にのぼっているので、お尋ねしたいことが有りメールします。
> 現在NARISHIGEから、垂直方向に重りとヒーターを使って引くPC-10というpullerと、
> 水平方向にマグネットとヒーターを使って引くPN-30というpullerが購入可能です。

上田さんが10/13のメールでコメントされていたEppendorfのフェムト
チップは、トランスジェクターやフェムトジェットを買わなくても、単
体でシリンジなどと組み合わせても使えると聞いたことがあります。管
を引くのや先端を研ぐのは、上手になるまで結構試行錯誤が必要なので、
品質がある程度安定した出来合いのフェムトチップを使えば、トラブル
シューティングのタネがひとつ減って楽かも知れません。どなたかこう
いう使い方をしている方は、居られないでしょうか?

いとう


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Date: Tue, 24 Oct 2000 17:26:12 +0900
From: maokadaアットマークrtc.riken.go.jp (OKADA, Masahiro)
Subject: [Jfly] capillary pullerについて

岡田@理研です。
亦勝さんおひさしぶり。

Eppendorfのフェムトチップをディスポのシリンジにつないでinjection
しています。自分で作る手間が省けて非常に良いです。

但し、箱のロットによって先端の鋭さにばらつきがあります。
太すぎて全っ然ダメなロットもあるので、
いきなりまとめ買いは避けたほうがいいと思います。
良いロットを見つけられれば、5割近い生存率で
楽しくスポスポinjectionできます。

理化学研究所分子遺伝学研究室
岡田 聖裕
0298-36-9032 9038FAX
maokadaアットマークrtc.riken.go.jp


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Date: Wed, 25 Oct 2000 17:18:04 -0500
From: miho matakatsu
Subject: [Jfly] capillary pullerについて

capillary pullerに関してお返事をくださった皆様、ありがとうございました。

私はPN-3でGD-1のcapillaryを引いて、DNAinjectionを2年前までしていましたが、
その後ラボもかわり、
現在、まわりの人のtransformatsを作る効率が高くないのと、私も近々injectionを
また始めるので、
一部かえてみよう、とcapillary pullerをさぐっていました。
現在のラボのシステムは、CSHL pressから今年でたDrosophila ProtocolsのRNAiの項
の写真のものと、もうあと2台ほどあります。(彼等とは同じラボです)

PN-3は使われているパーツの一部が海外輸出のさい、相手国の輸入規制に触れるらし
く、現在販売されていません。
その代わりがPN-30というわけです。使ったことのないPN-30かPC-10から選択して買
うのはかなりプレッシャーがかかるので、皆様にお尋ねした次第です。
Eppendorfのフェムトチップも検討してみます。

ところで、capillaryに関して、以前GD-1をみていたところ、パッケージによって、
肉眼ではっきり分る程の厚みの差があり、薄くても、厚くてもつかえない、、という
経験をしてます。中に入っているフィラメントもばらつきがありました。2年前から
プラスマイナス0.1mmの厚さになるように検査をしている、、とNARISHIGEは言ってま
したが、本当でしょうか?

それではありがとうございました。
亦勝 実穂
Tanaka-Matakatsu, Miho Ph.D
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