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ショウジョウバエ野生型系統はどこで採集されたか？
Date: Thu, 14 Feb 2002 09:19:39 +0900
Subject: [Jfly] 野生系統の由来
From: Masahiko Sakaguchi
Canton-SやOregon-Rがどこで採取されたか、どなたが採取されたか調べているのです
がどうしてもわかりません。教えていただけないでしょうか？
Oregon-Rはオレゴン州で？
canton-Sは広東で？
遺伝研系統保存センター検索では
Canton-S Lucchesiとあり、Lucchesiさんが
採取されたのかなーということでしょうか？
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〒３８０−８５４４長野市西長野
信州大学教育学部生物
坂口雅彦
tel:０２６−２３８−４１２４
e-mail：biologyアットマークgipwc.shinshu-u.ac.jp
http://biology.shinshu-u.ac.jp
Masahiko Sakaguchi, Ph.D.
Shinshu Univ. Fac. Edu.
Nishinagano, Nagano 380-8544
Japan
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Date: Thu, 14 Feb 2002 10:28:05 +0900
From: fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp (Yoshiaki FUYAMA)
Subject: [Jfly] 野生系統の由来
坂口様
Canton-Sは広東ではなく、アメリカのCantonという町（確かオレゴン州
だったような？）で採集されたものです。Oregon-Rはオレゴン州ですが、
場所は書いてなかったような気がします。また、いずれも採集者の名前
は出ていなかったように思います。
古いRed Bookが見れる方、確認お願いします。
--
布 山 喜 章 : 東京都立大学大学院理学研究科生物学教室
Yoshiaki FUYAMA : Dept. of Biology, Tokyo Metropolitan University
e-mail : fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp
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Date: Thu, 14 Feb 2002 11:09:39 +0900
Subject: [Jfly] 野生系統の由来
From: matsuda
杏林大の松田です。
古いRed Bookによると
Canton-S: Canton-Special
Derived from wild flies collected in Canton, Ohio. Selected by Bridges.
Contains a recessive for multiple thoracic and scutellar bristles, which
overlaps wild type in most flies but appears sporadically in strains partly
derived from Canton-S. Bridges found that salivary chromosomes were normal.
Oregon-R
Stock derived from wild flies collected in 1925 or earlier by
D.E.Lancefield at Roseburg, Oregon. Stock contains a slight ebony allele, a
branching of the posterior crossvein (in chromosome 2), and an occasional
scooped wing. Salivary chromosomes homozygous for Df(2R)Ore-R.
Oregon-R-C
Selected by Bridges in 1938 from Oregon-R. Body color not so dark as
that of Oregon-R. Homozygous for Df(2R)Ore-R.
となっています。スペルが違っていたらごめんなさい。
--
Muneo Matsuda
Kyorin University
School of Medicine, Department of Biology
6-20-2 Shinkawa, Mitaka, Tokyo 181-8611
JAPAN
Tel/Fax +81 422 71 1220
Tel +81 422 47 5512, 3642
Email matsudamアットマークkyorin-u.ac.jp
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Date: Thu, 14 Feb 2002 11:24:11 +0900
From: Teiichi Tanimura
Subject: [Jfly] 野生系統の由来
Canton-Special
Derived from wild flies collected in Canton, Ohio. Selected by Bridges.
Oregon-R
Stock derived from wild flies collected in 1925 or earlier by D.E. Lancefield
at Roseburg, Oregon.
谷村禎一
九大
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Date: Thu, 14 Feb 2002 11:24:58 +0900
From: Shin SUGIYAMA
Subject: [Jfly] 野生系統の由来
杉山＠名大です
Ohio州にCantonという町があり、
ぼくはそこで採集されたものだと思い込んでいましたが
根拠はありません。
名古屋大学大学院生命理学研究科
生命統御大講座発生統御グループ
杉山伸
名古屋市千種区不老町
〒464-8602
052-789-5039（Phone）
052-789-2511(FAX)
Shin SUGIYAMA
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Date: Thu, 14 Feb 2002 11:27:37 +0900
From: 上田龍
Subject: [Jfly] 野生系統の由来
> Red Bookの古い判 (Lindsley and Grell)には書いてあるはずですが、
> 今手元にないので、ちょっと怪しいです。。。
>
> Canton-Sは広東ではなく、アメリカのCantonという町（確かオレゴン州
> だったような？）で採集されたものです。Oregon-Rはオレゴン州ですが、
> 場所は書いてなかったような気がします。また、いずれも採集者の名前
> は出ていなかったように思います。
>
> 古いRed Bookが見れる方、確認お願いします。
>
古いRed Bookが見れる方です。
Canton-S: Derived from wild flies collected in Canton, Ohio. selected by
Bridges. ....
Oregon-R: Stock derived from wild flies collected in 1925 or earlier by
D.E.Lancefield at Roseburg, Oregon. ..........
とありました。
............................................................................
上田龍
遺伝子機能研究ユニット
トランスレイショナル研究部
三菱化学生命科学研究所
〒194-8511 町田市南大谷１１号
phone:042-724-6234
fax: 042-724-6314
...........................................................................
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Date: Thu, 14 Feb 2002 11:30:44 +0900
From: fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp (Yoshiaki FUYAMA)
Subject: [Jfly] 野生系統の由来
坂口様
At 09:19 02/14/02 +0900, Masahiko Sakaguchi wrote:
>Canton-SやOregon-Rがどこで採取されたか、どなたが採取されたか調べているのです
>がどうしてもわかりません。教えていただけないでしょうか？
古いRed Bookを見てみました。それによると、以下の通りです。
Oregon-R: Roseburg, Oregonで、1925年あるいはそれ以前に、
D. E. Lancefieldによって採集されたそうです。
Canton-S: Canton, Ohioで採集されたそうですが、何年かは書いてあ
りません。"Selected by Bridges" となっていますが、こ
れが何を意味するかはわかりません。
＃Canton-Sがオレゴン州というのは、やはり記憶違いでした。
--
布 山 喜 章 : 東京都立大学大学院理学研究科生物学教室
Yoshiaki FUYAMA : Dept. of Biology, Tokyo Metropolitan University
e-mail : fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp
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From: yhottaアットマークlab.nig.ac.jp
Subject: [Jfly] 野生系統の由来
Date: Thu, 14 Feb 2002 11:32:26 +0900
Reply to fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp (Yoshiaki FUYAMA) about [Jfly] 野生系統の由
来.
>>Oregon-Rはオレゴン州で？
>>canton-Sは広東で？
>>遺伝研系統保存センター検索では
>>Canton-S Lucchesiとあり、Lucchesiさんが
>>採取されたのかなーということでしょうか？
Canton は Ohio州です。私の３５年前に教わったことが正しければ。
堀田 凱樹
---------------------------------------
国立遺伝学研究所 所長
総合研究大学院大学
生命科学研究科 遺伝学専攻長
〒411 静岡県三島市谷田 1,111
電話:(0559) 81-6700, FAX:(0559) 81-6701
E-mail: yhottaアットマークlab.nig.ac.jp
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Date: Thu, 14 Feb 2002 12:03:05 +0900
From: "ITO, Kei"
Subject: [Jfly] 野生系統の由来
ついでに：
> Canton-S: Derived from wild flies collected in Canton, Ohio. selected by
> Bridges. ....
> Oregon-R: Stock derived from wild flies collected in 1925 or earlier by
> D.E.Lancefield at Roseburg, Oregon. ..........
カントンやオレゴンは地名だとして、S や R は何を意味するのでしょう？
ベルリンやゼベリンなど、ドイツ系の野生系統には、後ろにアルファベッ
トは付いてない気がするのですが。
いとうκ＠Paris, Texas という映画がありましたが、Canton, Ohio とい
う映画は無いですね・・・。
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Date: Thu, 14 Feb 2002 13:18:41 +0900
From: Yuji Kageyama
Subject: [Jfly] 野生系統の由来
At 9:19 AM +0900 02.2.14, Masahiko Sakaguchi wrote:
> 遺伝研系統保存センター検索では
> Canton-S Lucchesiとあり、Lucchesiさんが
> 採取されたのかなーということでしょうか？
Lucchesiとは現Emory Univ.のJohn Lucchesiのことではないですか？
彼は性決定/遺伝子量補正の大家ですので、性二型のはっきりした
野生型（雌雄間の腹部後端の色付き具合は系統間で差があります）
を彼からもらったのではないでしょうか。Canton-Sではないですが、
遺伝研のOregon-R系統には雌の体色が薄い系統があると聞いたこと
があります。
--
影山裕二
奈良先端科学技術大学院大学
バイオサイエンス研究科
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Date: Thu, 14 Feb 2002 13:59:34 +0900
From: fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp (Yoshiaki FUYAMA)
Subject: [Jfly] 野生系統の由来
伊藤様
At 12:03 02/14/02 +0900, ITO, Kei wrote:
>> Canton-S: Derived from wild flies collected in Canton, Ohio. selected by
>> Bridges. ....
>> Oregon-R: Stock derived from wild flies collected in 1925 or earlier by
>> D.E.Lancefield at Roseburg, Oregon. ..........
>
>カントンやオレゴンは地名だとして、S や R は何を意味するのでしょう？
>ベルリンやゼベリンなど、ドイツ系の野生系統には、後ろにアルファベッ
>トは付いてない気がするのですが。
Oregon-RのRはおそらく採集地のRoseburgからだと思います。Canton-S
のフルネームは、Canton-Specialといいます。
＃なんだか、中華料理のコースの名前みたいですが(^^ゞ
なお、Oregon-Kというのをときどき見かけますが、これはR→Kへのミス
センス突然変異（ただし、ラベル上の）だそうです。日本産の野生型系
統としては、Hikone-Rが有名ですが、これは、DDT抵抗性のResistantに
よります。
--
布 山 喜 章 : 東京都立大学大学院理学研究科生物学教室
Yoshiaki FUYAMA : Dept. of Biology, Tokyo Metropolitan University
e-mail : fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp
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Date: Thu, 14 Feb 2002 14:26:02 +0900
From: Kazushige Hamada
Subject: [Jfly] 野生系統の由来
At 12:03 +0900 2/14/02, ITO, Kei wrote:
> > Canton-S: Derived from wild flies collected in Canton, Ohio. selected by
> > Bridges. ....
> > Oregon-R: Stock derived from wild flies collected in 1925 or earlier by
> > D.E.Lancefield at Roseburg, Oregon. ..........
>
> カントンやオレゴンは地名だとして、S や R は何を意味するのでしょう？
> ベルリンやゼベリンなど、ドイツ系の野生系統には、後ろにアルファベッ
> トは付いてない気がするのですが。
On-line版RedbookはFlyBaseにあります。
http://flybase.bio.indiana.edu/docs/lk/redbook/
WILD TYPE STOCKS
http://flybase.bio.indiana.edu/docs/lk/redbook/LandG1968/wild-type-stocks.txt
Canton-S: Canton-Special
Derived from wild flies collected in Canton, Ohio.
Selected by Bridges. Contains a recessive for
multiple thoracic and scutellar bristles, which
overlaps wild type in most flies but appears
sporadically in strains partly derived from
Canton-S. Bridges found that salivary chromosomes
were normal.
Oregon-R
Stock derived from wild flies collected in 1925 or
earlier by D. E. Lancefield at Roseburg, Oregon.
Stock contains a slight ebony allele, a branching of
the posterior crossvein (in chromosome 2R),
and an occasional scooped wing. Salivary
chromosomes homozygous for Df(2R)Ore-R.
"S"はSpecial、"R"はRoseburgのようですね。
http://www.cityofcanton.com/
http://www.canton-ohio.com/
http://www.el.com/to/roseburg/
http://www.visitroseburg.com/
http://roseburg.rosenet.net/
http://www.oregoncitylink.com/roseburg/
濱田和成＠京都工芸繊維大学
X-Sender: itokeiアットマークmail.nibb.ac.jp
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Date: Thu, 14 Feb 2002 14:32:27 +0900
From: "ITO, Kei"
Subject: [Jfly] 野生系統の由来
布 山様
At 1:59 PM +0900 02.2.14, Yoshiaki FUYAMA wrote:
> Oregon-RのRはおそらく採集地のRoseburgからだと思います。Canton-S
> のフルネームは、Canton-Specialといいます。
このスペシャルというのは聞いたことがあったのですが、本当なの
ですね。何が「スペシャル」なのでしょう？
Canton-Usual なんて系統もあったのが、近親交配を続ける段階で
絶えてしまったとか？
いとうκ
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Date: Thu, 14 Feb 2002 14:37:13 +0900
Subject: [Jfly] 野生系統の由来
From: matsuda
> Canton-SやOregon-Rがどこで採取されたか、どなたが採取されたか調べているのです
> がどうしてもわかりません。教えていただけないでしょうか？
>
杏林大の松田です。
Canton-S は、１９２０年代から１９６０年代に種分化とかhydei, funebris などの
突然変異の記載をされていた、W.P. Spencer がOhioにいたので、彼が採集したのだ
と思いこんでいました。
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Date: Thu, 14 Feb 2002 19:42:38 +0900
From: nikiアットマークmito.ipc.ibaraki.ac.jp (Yuzo Niki)
Subject: [Jfly] 野生系統の由来
長い間ハエをやっているのに恥ずかしい話ですが、ちょっと頭が混乱しています。
Oregon-RやCanton-Sが1925年ころに採取あるいは系統として確立されたと
すると、Morganたちがやった初期の遺伝の実験に用いた野生型の系統は何だったので
しょうか？
たしかThe Genetics of Drosophilaは1925年に発刊されています。
もう一つ、これらの野生型を使う必要性が生じたのは、geneticsの実験よりも
1927年以降の放射線の染色体への影響などや30年代の唾腺染色体の研究のためでしょ
うか？
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Yuzo Niki
Department of Materials and Biological Sciences
Faculty of Science
Ibaraki University
Mito, Ibaraki 310-8512
JAPAN
Telephone: 81-29-228-8380
Facsimile: 81-29-228-8380
E-mail: nikiアットマークmito.ipc.ibaraki.ac.jp
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Date: Fri, 15 Feb 2002 01:13:05 +0900
From: "ITO, Kei"
Subject: [Jfly] Canton
Canton-S の故郷は、こんなところらしいです。
http://www.cityofcanton.com/historic.html
http://www.cityofcanton.com/
http://www.pe.net/~rksnow/ohcountycanton.htm
http://www.ohwy.com/oh/c/canton.htm
それからどうでもいいですが、英語だと広東は GuangDong。広東の町
（現在は広州）は GuangZhou と読むのが一般的なのかも。「広東語」
は、なぜか未だに Cantonese みたいですが。
いとうκ