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たくさんのマーカーを載せたら、ホモ接合が出ない


Date: Thu, 07 Mar 2002 18:37:43 +0900
Subject: [Jfly] 分譲依頼+α
From: Masahiko Sakaguchi

第2染色体mapping用にBloomingtonから2000年10月に
送って頂いたBL-3301をマッピングに使おうと、今回ビン中の
ハエをみたら、Cyの個体しかいないのです。
al[1] dp[ov1] b[1] pr[1] cn[1] vg[1] c[1] a[1] px[1] bw[1] mi[1] sp[1]/
al1 dpov1 b1 pr1 cn1 vg1 c1 a1 px1 bw1 mi1 sp1
の個体もいるはずですよね?mapping用なんだから。

どなたかこれ、もしくは同等のmapping系統お持ちでしたら
分譲していただけないでしょうか?
またmapping時、各recombinantで目の色の表現型に対応する遺伝子型の判定に
ついてtext bookなどありましたら教えていただけないでしょうか?
cn,bw/cn,bw
pr,cn,bw/pr,cn,bw
などどうなるのか

また
vg,c/vg,cとvg,+/vg,+
の区別などできるのだろうか不安です。


Stock Number: 3301
Genotype: al1 dpov1 b1 pr1 cn1 vg1 c1 a1 px1 bw1 mi1
sp1/SM1
Chromosome(s): 2
Date added: 6/01/89
Donor: C. Nusslein-Volhard
Comments: mapping
Center: Bloomington Drosophila Stock Center Contact:
flystocksアットマークbio.indiana.edu

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〒380−8544長野市西長野
信州大学教育学部生物
坂口雅彦
tel:026−238−4124
e-mail:biologyアットマークgipwc.shinshu-u.ac.jp
http://biology.shinshu-u.ac.jp

Masahiko Sakaguchi, Ph.D.
Shinshu Univ. Fac. Edu.
Nishinagano, Nagano 380-8544
Japan
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Date: Thu, 7 Mar 2002 19:43:59 +0900
From: fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp (Yoshiaki FUYAMA)
Subject: [Jfly] 分譲依頼+α

坂口様

>第2染色体mapping用にBloomingtonから2000年10月に
>送って頂いたBL-3301をマッピングに使おうと、今回ビン中の
>ハエをみたら、Cyの個体しかいないのです。
>al[1] dp[ov1] b[1] pr[1] cn[1] vg[1] c[1] a[1] px[1] bw[1] mi[1] sp[1]/
>al1 dpov1 b1 pr1 cn1 vg1 c1 a1 px1 bw1 mi1 sp1
>の個体もいるはずですよね?mapping用なんだから。

これだけたくさんのマーカーを載せたら、ホモ接合が出ないのは
むしろ当然のことではないかと思います。

ところで、マップしたいmutantは優性ですか? だとしたら、SM1
とのヘテロ接合であることは気にせずに使われたらいいではありま
せんか。仮に、問題とするmutantをXとし、multiple marker系統を
markersとして説明します。

まずXとmarkers/SM1を交配し、そのF1から表現型がXのメス、つま
り、markers/Xを選びます。このメスに、markers/SM1オスを交配す
れば、普通の検定交配になります。ただし、出てくる子供の中で
[Cy]の表現型を持つものは無視します。

マップしたいmutantが劣性(xとします)の場合は大変ですね。検定
交配を行うためにはmarkersにxをくっつける必要があります。これは
考えるだに恐ろしい仕事です。

#私だったら殺されてもやりません(^^ゞ

>またmapping時、各recombinantで目の色の表現型に対応する遺伝子型の判定に
>ついてtext bookなどありましたら教えていただけないでしょうか?
>cn,bw/cn,bw
>pr,cn,bw/pr,cn,bw
>などどうなるのか

cn bw/cn bwは眼が白くなります。pr cn bw/pr cn bw も同様です。

>また
>vg,c/vg,cとvg,+/vg,+
>の区別などできるのだろうか不安です。

まず不可能だと思います。aやpxもvgと重なったら区別できないと思い
ます。

何が目的なのかわかりませんが、こんな系統を使うことはやめるに越
したことはないと、私は思います。

--
布 山 喜 章 : 東京都立大学大学院理学研究科生物学教室
Yoshiaki FUYAMA : Dept. of Biology, Tokyo Metropolitan University
     e-mail : fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp


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Date: Mon, 11 Mar 2002 12:15:07 +0900
Subject: [Jfly] 分譲依頼+α
From: Masahiko Sakaguchi

布山先生。メールありがとうございました。

X上にGal4とUAS-GFPをもたせて、キノコ体を可視化した
系統にEMS処理をして、第2染色体上の劣性変異として
vertical lobesのが細く見える変異を得たようなので、常法に
従い、まず

G0 */* x second chromosone markers/markers
G1 ♀♀*/markers x ♂♂markers/markers
G2 1♂各1回交叉染色体/markers x ♀♀(w P(Gal4) P(UAS-GFP)); */*
G3 で変異が見られる個体があるか調べる

を行うつもりです。布山先生のお話では
BL-3301は良くないようなので、他の系統を
bloomingtonから送ってもらうことにします。
どの系統がよろしいのでしょうか?
Dscam, dockの付近かなと思っているのですが。

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〒380−8544長野市西長野
信州大学教育学部生物
坂口雅彦
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Masahiko Sakaguchi, Ph.D.
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Date: Mon, 11 Mar 2002 13:25:50 +0900
From: fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp (Yoshiaki FUYAMA)
Subject: [Jfly] 分譲依頼+α

坂口様

At 12:15 03/11/02 +0900, Masahiko Sakaguchi wrote:

>G0 */* x second chromosone markers/markers
>G1 ♀♀*/markers x ♂♂markers/markers
>G2 1♂各1回交叉染色体/markers x ♀♀(w P(Gal4) P(UAS-GFP)); */*
>G3 で変異が見られる個体があるか調べる

こういう目的でしたら、markers/SM1を使っても別に問題ないと思い
ますが。。。

>を行うつもりです。布山先生のお話では
>BL-3301は良くないようなので、他の系統を
>bloomingtonから送ってもらうことにします。
>どの系統がよろしいのでしょうか?
>Dscam, dockの付近かなと思っているのですが。

別にこの系統が良くないといったわけではありません。劣性突然変異
を通常の検定交配でマップするのは大変だといっただけです。

ただし、私がやるんだったら、劣性マーカーは使わず、優性マーカー
で位置の見当をつけてから、欠失マッピングで詰めます。優性マーカー
を使えば、要する労力はおそらく1/100以下になるような気がします。

第2染色体の優性マーカーはBloomingtonに結構たくさんありますが、
都立大にも、

 S Sp Tft nw[D] Pin[Yt] / CyO  Sp Bl L[rm] Bc Pu[2] / CyO  Sp Bl L[rm] Bc Pu[2] Pin[B] / SM5
などがあります。

最後のやつはマーカーの数が一番多いですが、L[rm]の表現が完全では
ないので、実用上は5個です。表現型が安定していて、かつ、もっとも
わかりやすいのは、S Sp Tft nw[D] Pin[Yt]だと思います(ただし、Sは
慣れないと難しい)。うちでは、学生実習のマッピングの実験に用いた
ことがありますが、それなりの結果が出ます。

#学生達が音を上げるので、最近は別のを使っていますが(^^ゞ

--
布 山 喜 章 : 東京都立大学大学院理学研究科生物学教室
Yoshiaki FUYAMA : Dept. of Biology, Tokyo Metropolitan University
     e-mail : fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp


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Date: Mon, 11 Mar 2002 15:03:54 +0900
Subject: [Jfly] 分譲依頼+ α
From: Masahiko Sakaguchi

布山先生。メールありがとうございます。
> ただし、私がやるんだったら、劣性マーカーは使わず、優性マーカー
> で位置の見当をつけてから、欠失マッピングで詰めます。優性マーカー
> を使えば、要する労力はおそらく1/100以下になるような気がします。
(中略) > わかりやすいのは、S Sp Tft nw[D] Pin[Yt]だと思います(ただし、Sは
> 慣れないと難しい)。うちでは、学生実習のマッピングの実験に用いた
> ことがありますが、それなりの結果が出ます。

S Sp Tft nw[D] Pin[Yt] / CyO
この系統を分譲いただけないでしょうか?
-------------------------------------
G0 S Sp Tft nw[D] Pin[Yt] / CyO x */*

G1 ♀♀ S Sp Tft nw[D] Pin[Yt] / *
x ♂♂(w P(Gal4) P8UAS-GFP)/Y;) */*

G2♀+ Sp Tft nw[D] Pin[Yt] /*
  + + Tft nw[D] Pin[Yt]/*
  + + + nw[D] Pin[Yt]/*
+ + + + Pin[Yt] /*
  S + + +  + /*
S Sp + + + /*
S Sp Tft + + /*
S Sp Tft nw[D] + /*
各個体での*劣性変異の有無を調べ、位置の検討をつける
ということですね。

劣性マーカーを使う方法では2重交叉により生じた
個体を使うようには書いてなく、1回交叉個体の解析を
するように書いてあるのですが、布山先生の方法では
どうなんでしょうか。この方法私の持っている
text bookには紹介がなく、また自分では思い
つきませんでした。ありがとうございました。

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信州大学教育学部生物
坂口雅彦
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