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大きなハエを分与してくれる研究室


Date: Wed, 24 Dec 2003 16:36:37 +0900
From: "ITO, Kei"
Subject: [Jfly] 大きなハエを分与してくれる研究室 (3582)

歳末らしく(?)こんな依頼が来ました。

とある(マニアなら知っている)ホラー映画の新作が作られる
ことになり、その中に遺体の上を飛び回るハエのシーンがあっ
て、その撮影(あるいはCGの素材作成)のために、ある程度ま
とまった数のハエが欲しいのだそうです。

ショウジョウバエだと、台所の三角コーナーの上を飛び回るシー
ンの撮影ぐらいにしかつかえないので、もうちょっと大きいハ
エの方がいいのですが、どなたか依頼に応えられるような研究
室をご紹介いただけないでしょうか?

遺体の上を飛び回るとしたら、やっぱりニクバエでしょうか?
ニクバエだとちょっと匂いが大変ですが、それ以外だとどのハ
エになるのでしょう?

いとうκ


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Date: Wed, 24 Dec 2003 16:49:59 +0900
From: Kohei Ueno
Subject: [Jfly] 大きなハエを分与してくれる研究室 (3583)

群馬大の上野です
私が大学4年のときに所属しておりました、東北大学
生命科学研究科の嶋田一郎教授と神戸大学自然科学研究科
の尼川大作教授が日本ではセンチニクバエを実験に使って
おられます。

Kohei Ueno
Institute for Behavior Sciences
Gunma University School of Medicine


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Date: Wed, 24 Dec 2003 16:51:24 +0900
From: "ITO, Kei"
Subject: [Jfly] 大きなハエを分与してくれる研究室 補足 (3584)

詳しい情報もらいました。

映画は『呪怨 The Grudge』のハリウッドでのリメーク版で、スパイ
ダーマンの監督サム・ライミがプロデューサーだそうです。2004
年冬もしくは2005年に全世界公開、とのことです。ハエは、その
へんの脇役でなく、主人公の遺体に群がるという重要な配役 (?) です。

キンチョーなどにはコンタクトしたけれど良い回答が得られなかった
そうです。^_^;

「死体に群がる性質があるなどのリアリティーは優先しないで、大き
いハエを入手出来れば」とのことです。(微苦笑)

ということで、情報提供お待ちしております。(こういうのは産学連
携の成果にカウントしてもらえるんでしょうか・・・)

いとうκ


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Date: Wed, 24 Dec 2003 17:47:03 +0900
From: "Seiji Hori @ kyoto"
Apparently-Subject: [Jfly] 大量のハエの入手法 (3587)

堀@京大です。

確か、住友化学では農薬の研究のため大量の昆虫を飼育しており、一部は外販も可能
だったのではないかと記憶しています。

堀 清次


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Date: Wed, 24 Dec 2003 08:49:24 +0000
From: Masataka Okabe
Subject: [Jfly] 大きなハエを分与してくれる研究室 (3588)

ただではありませんが、釣りえさのサシを親にまで育てるのはいかがでしょうか。
10日くらいでキンバエになるはずです。簡単に手に入るえさはなにがいいんでしょうか。
どなたかご存知でしょうか。

岡部正隆


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Date: Wed, 24 Dec 2003 18:25:41 +0900
From: Ogura
Subject: [Jfly] 大きなハエを分与してくれる研究室 (3589)

釣りエサのサシはサバムシの略で少なくとも昔はサバの切り身で増やしていたと
聞いたことがあります。
サバをエサにして飼ってやれば飼うことが出来るはずです。

小倉啓司
(財)産業創造研究所 研究員


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Date: Wed, 24 Dec 2003 20:09:03 +0900
From: "Koichi Ozaki"
Subject: [Jfly] 大きなハエを分与してくれる研究室 (3590)

ご無沙汰してます。尾崎@大阪大 です。

私の女房(尾崎まみこ@京都工繊大)の研究室では、クロキンバエを
多量に飼育してます。
成虫は砂糖水飼育ですが、卵はレバーの上に産ませます。幼虫は
レバーとラット用の人工試料で飼育しています。産卵のために、
たぶん、動物の糞や屍体に集まるのではないかと思います。
もともと北のハエですが、最近は本州でも生息しているそうです。
人手もあるので、ある程度の量なら供給可能かもしれません
(研究室のボスは、黒澤映画でアリを行列させた実績(?)があります)。

尾崎浩一(Ozaki, Koichi)
大阪大学大学院生命機能研究科(理学部内)


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Date: Wed, 24 Dec 2003 20:28:58 +0900
From: Mamiko Ozaki
Subject: [Jfly] 大きなハエを分与してくれる研究室 (3591)

ニクバエ以外だと・・・うちにもいます。
でも、普段、ン万匹で使ってるフォルミア、
お正月やすみに向けて産児制限してしまったとこです。
神戸大の尼川研究室にうちと同じフォルミアがいます。
プロトフォルミアは、大阪市大の沼田研究室にいます。
・・・でも、いずれもうちほど大量生産はしてないでしょう。

ただし、うちも産児制限の影響が解けて常時供給体制に復帰するには、
それなりに手を打てば別だがこのままだと、年明けて1ヶ月かかりますね。

世話係の学生、院生、PDの意見・・・映画は興味はあるが(尾崎はホラーはダ、ダメ)、
期間、量、手当て(餌代ほか実費がかかるので・・・)次第かな。
増産分の世話をしてくれる人員を派遣してくれるのであれば協力可能か。
しかし、千、万びき相手にするとニクバエでなくてもとんでもなく臭いです!

尾崎まみこ
京都工芸繊維大学・繊維学部
応用生物学科・化学生態学分野


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Date: Wed, 24 Dec 2003 21:02:20 +0900
From: Yusuke Uchiyama
Subject: [Jfly] 大きなハエ (3592)

Jflyの皆様、今晩は。内山@京大農です。

この前の複対立遺伝子のポストのときは皆様色々な御意見を下さりまして有難う
ございました。

所で、話題になっている映画に出すハエですが、うるさ型の方も満足させるリア
リティーを追究したいなら、

「死体につく虫が犯人を告げる」草思社 マディソン・リー・ゴフ著 垂水雄二訳

が参考書籍としてお推めです。

この本はつい最近買ったのですが、法医昆虫学という昆虫から得られる情報を刑
事事件の証拠として仕上げて行く学問の一般向け紹介書です。一般向けと行って
も全く手抜きが無いので良書だと思います。

特に、法医学関連の鑑定結果というものは時には容疑者の生命の行く方をも決す
るものになるという状況下での筆者の緊張感に充ちた科学的態度は科学者として
学ぶものが多いと思います。

若し機会が有りましたら御一読下さい。

内山 有祐

京都大学大学院農学研究科
博士課程


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Date: Thu, 25 Dec 2003 13:48:58 +0900
From: Ikuko Fujii-Taira
Subject: [Jfly] 大きなハエを分与してくれる研究室 (3593)

当研究室でセンチニクバエを飼育しています。
所属長と飼育担当者にお伺いを立ててみないと
分与可能かどうかはわかりませんが、
継代しているのでそれなりの数がいると思います。

 平 郁子
 理化学研究所 名取特別研究室


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Date: Thu, 25 Dec 2003 16:44:49 +0900
From: "ITO, Kei"
Subject: [Jfly] 大きなハエを分与してくれる研究室 (3594)

平様、

名取特別研究室は何人かの方から私信で推薦をいただきましたので、
電話番号だけ先に先方に伝えておりました。電話があるかも知れま
せんので、よろしくお願いします。

伊藤啓

映画担当者からのメールを付記しておきます。

>From: "jun shiozaki"
>To:
>Subject: 映画用、ハエの件
>Date: Wed, 24 Dec 2003 16:37:42 +0900
>
>突然、お電話してしまい失礼致しました。
>私は映画の助監督をしている塩崎遵(シオザキジュン)というものです。
>
>この度、サム・ライミ(スパイダーマンの監督)がプロデュースし、ハリウッド
版とした『呪怨 The Grudge』という映画が製作されることになりました。
>その中で殺された主人公(伽椰子)にハエが群がるというシーンが登場し、なん
とかハエを入手出来ないものかと模索していたところ、失礼ながらハエの研究を
しているという伊藤先生のページを見つけたものでご連絡差し上げました。
>
>例えば、キンチョーだとか、ハエを取り扱っていそうなところに連絡はしたので
すが、良い回答が得られず、ワラをも縋る気持ちで研究者である伊藤先生のお力
をお借りしたく思っています。
>
>死体に群がる性質があるなどのリアリティーは優先しないで、大きいハエを入手
出来れば・・・と考えています。
>
>宜しくお願いいたします。
>
>ちなみに映画は2004年冬もしくは2005年に全世界公開します。
>主演はサラ・ミシェル・ゲラーというアメリカの女優が決定しています。
>
>連絡先 塩崎遵


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Date: Thu, 18 Mar 2004 14:28:01 +0900
From: "ITO, Kei"
Subject: [Jfly] 大きなハエを分与してくれる研究室 (3664)

以前皆さんにお伺いした、ハリウッドのホラー映画「THE GRUGDE」
(「呪怨」のリメイク)に出演するハエですが、無事撮影が済んだ
そうです。平さんはじめ協力を申し出ていただいた皆さま、ありが
とうございました。

> 先生に紹介して頂いた名取先生の研究室の平さんの協力のおかげ
> で無事クランクアップ(撮影終了)することが出来ました。

> 平さんにお預かりしたハエ君たちは大変でしたけど、見事に任務
> 完了してくれて映画の中で出演してます。

> 押入れの中に1000匹全部放ったので、押入れ中大変なことになり、
> 僕の服の中まで入り込み、カメラマンが家に帰って洗濯の時には
> ポケットから二匹出てきたとのことです。

> 残念ながら、撮影終了とともに殺虫剤を焚いたのでハエ君達は全
> 滅してしまいましたが(翌日の部屋の中にはそれこそ部屋中にハ
> エの死骸が有り足の踏み場が無いとはこの事か)効果的な演出が
> 出来ました。

> ありがとうございました。

> 助監督 塩崎遵

とのことです。

いとうκ