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コンフォーカル顕微鏡に用いる蛍光色素の使い分け


Date: Tue, 31 Oct 1995 15:09:10 +0900
From: ytakaアットマークhccp.jrdc.go.jp (Yasumitsu Takagi)

皆様こんにちは。
高木康光アットマーク新技術事業団・広橋細胞形象プロジェクトです。
共焦点顕微鏡を使って、ショウジョウバエ培養細胞におけるF-actin, phosphotyrosi
ne, integrin の分布を調べたいと思っていますが、phosphotyrosine, integrin の
抗体やphalloidin を認識する三重染色用蛍光色素をどのように組み合せて選べば良
いのかよくわかりません。また、FITC,rhodamine以外の色素で標識された二次抗体が
どういった会社から入手できるのかどなたか教えていただけないでしょうか?


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Date: Tue, 31 Oct 95 16:11:05 JST
From: ttabataアットマークhgc.ims.u-tokyo.ac.jp

第3の色素としてジャクソン社のCy5を愛用しております。生化学工業が扱っていま
す。最近はより長波長のCy7、8(アマシャム?)もあるようですが、二次抗体とし
てはまだ準備されていないようです(普通の共焦点顕微鏡で使えるか否かは知りませ
ん)。
胚での三重染色についてはS.Carrollのlabからの
Three-color immunofluorescence imaging of Drosophila embryos by laser
scanning confocal microscopy.(Biotechniques 14:42ー48 1993) 
があります。私は、FITCが一番綺麗に出ると思っているので(反論も多い)これを最
も重要な、あるいは微妙なものに使います。逆に、rhodamineはあまり良い絵が得ら
れない(私の場合)ので、強い一次抗体を担当してもらいます。Cy5は問題がありま
せんが、マニュアルのいうようには輝度が高いとは言い難いので(あくまでも私の場
合、古いBiorad MRC600使用)、中間の一次抗体に当てています。シグナルが弱い場
合はビオチンーストレプトアビジンあるいは、2次、3次の抗体をカップルさせてい
ます。出来る限り多重染色用の抗体を用いています。基本的には一次抗体の出来次第
だと思います。

多羽田哲也
東大分生研

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From: tuemuraアットマークtake.biophys.kyoto-u.ac.jp
Date: Wed, 1 Nov 1995 01:24:54 +0900

私は古い ZEISS confocal を使わせて頂いているのですが、多羽田さんと全く同意見
です。
anti-phophotyrosine (PY20) (Transduction laboratories cat#P11120 mouse
MAb) で胚を染める場合ですと、ビオチンーアビジンで増幅して、かつ FITC 標識しな
い限りまともな像は得られません。
二重標識の場合ですと、Texas Red (TR) 標識の二次抗体をカッペルから購入してます。
古い ZEISS confocal ですと HeNe 543 で励起することもあり、Texas Red 標識の
シグナルが十分強いものでなければ使えません。例えば次のような組み合わせで
用いてます。
例1
[anti-phophotyrosine を ABC 後、 FITC 標識] プラス [anti-HRP を TR 標識]
例2
[anti-phophotyrosine を ABC 後、 FITC 標識] プラス [anti-b-gal (ポリクロ) を
TR 標識]

アクチンを染めるのに、ベーリンガーの mouse MAb (cat no. 1378996) を試した
ところ、胚はとにかく染まったことを報告致しておきます。もともとはニワトリの
アクチンを抗原ととして得られたモノクロですが、ハエのどのアクチンと結合してい
るかなど、調べてません。

上村匡