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DAB 染色がうまくいかない!


From: tuemuraアットマークtake.biophys.kyoto-u.ac.jp
Subject: [Jfly] DAB
Date: Fri, 7 Jun 1996 14:12:33 +0900

DAB の件で皆さんの経験を教えて下さい。

胚の抗体染色で、ここ一か月、感度がえらく悪くなり、何が原因か
を嗅ぎまわったあげく、DAB が原因らしいのです。次の二種類の
DAB (いずれも Sigma) の間で、シグナルの強さが明らかに違うなどの
経験をされましたか?

以前使っていて、強いシグナルを得られたのは
D5637(粉末状)。50mg/ml のストック溶液をつくり、分注して凍結保存した
もの。50倍希釈して使ってます。

最近購入して、上と同じ濃度ではとても弱いシグナルしかでないのは、
D5905(錠剤)。一錠が 10mg の包装です。

同じ一次抗体とエリート ABC 処理した胚を半分に分け、二種類の DAB で発色
させたところ、差は歴然でした。取り扱い上の安全を考え、錠剤を購入した院生
の思いがあだになったかたちです。D5905(錠剤)由来の DAB の濃度を上げても、
従来の D5637 での染色での SN 比に及びません。

ただし、D5905(錠剤)を用いても、蛹の抗体染色なら問題ありません。

「何だ、そんなこと今ごろ気付いたのか。」と思われた方、または、「そんな話
が信じられるか。」という方、おられますか?

上村 匡
京都大学 理学部 生物物理学教室

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Date: Fri, 7 Jun 1996 15:37:36 +0900
From: itokeiアットマークfly.erato.jrdc.go.jp (ITO, Kei)
Subject: [Jfly] DAB

うちでも、私が前にいた Technau 研でも、シグマの D5905(錠剤)で全く
問題なく、胚から成虫まで染めています。使用濃度は、0.5 mg/ml です。
1錠 10 mg なので、20 ml の PBS に溶かし、これをエッペンドルフチュー
ブに 1 ml づつ分注し、フリーザーで -20 度保存しています。使うときには
室温で溶かして、0.5-1 ul の過酸化水素水を入れ、そのまま使用します。1
本づつ使いきりにして、余った分は捨ててます。過酸化水素水は、ほんとは
もう少し少ない方がいいのですが、薄い液を作っておくのも面倒なので妥協
しています。

PBS は、シグマの錠剤を使ってます。DAB 反応時間は、室温で 3-20 分
(標本の種類によっていろいろ変わる)です。

なお、うちでは1次抗体の wash までは 0.3 % Triton / PBS を使っています。
2次抗体の wash (ABC キット使用の直前)からは PBS のみです。

というわけで、錠剤でもとくに問題はないと思うのですけれど。。。

いとう@えらと

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Date: Fri, 7 Jun 96 16:02:02 JST
From: ttabataアットマークhgc.ims.u-tokyo.ac.jp (Tetsuya Tabata)
Subject: [Jfly] DAB

私はどちらも使ったことがなく、お役に立たないのですが、ついでにお聞きします。
もっぱらVectorのDABキットを使っているのですが、シグマと比べてどうなのでしょ
うか?
最近、こちらでTrueBlueというDABより1けた以上感度が良いという基質を試してみ
ました。確かにその通りなのですが、感度が良すぎて、今までの抗体の濃度を全て再
検討せざるをえないようです。さらに、シグナルの保存も難しく、1度試しただけで
、それ以上検討していません。この問題がクリアできれば安全で、高感度で、高S/N
な良い基質になると思うのですが、どなたか、使いこなしている方はいらっしゃいま
せんか?

多羽田哲也
東大・分生研