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ファージがうまく殖えない!


Date: Wed, 12 Jun 1996 11:28:17 +0900
From: ryuアットマークpo.cc.yamaguchi-u.ac.jp (Ryutaro Murakami)
Subject: [Jfly] ファージ

山口大学の村上です。
 ゲノミックライブラリーのスクリーニングを行っていますが、最近ファージ(EMBL
3, lambda dash)がうまく増えません(一昨年までは同じ菌、同じファージ、同じ培
地でうまく増えていたのですが)。出てきたプラークを抜いて撒き直すと、タイター
が異常に低いです(1mlのSMに抜いたプラークを入れ、それから1ulを撒くとせいぜ
い数個のプラークしかでません、当然、ライセートを得るのは困難です)。試薬、菌
などあれこれ変えてやってもダメでした。cDNAライブラリーでは何の問題もなく、対
処に苦慮しております。
 どなたか、このような問題の解決法をご存じでしたら教えて下さい。

Ryutaro Murakami
Biol Inst, Fac Sci,
Yamaguchi Univ,

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Date: Wed, 12 Jun 1996 12:20:01 +0900
From: shayashiアットマークlab.nig.ac.jp (Shigeo Hayashi)
Subject: [Jfly] ファージ

村上様
>タイター
>が異常に低いです(1mlのSMに抜いたプラークを入れ、それから1ulを撒くとせいぜ
>い数個のプラークしかでません、

これはゼロも同然な数です。マスタープレートが古すぎることはないのですか? う
ちでは4度で1年以上たったプレートでもOKでしたが。
それともcDNAではokなら試薬は大丈夫なはずですのでホストの問題があるのでは? 
たしかなhostを引きなおして試すのが良いと思います。うちでこのあいだEMBLは使っ
て問題はありませんでした。hostなら送ります。


林 茂生

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Date: Wed, 12 Jun 1996 13:49:27 +0900
From: ryuアットマークpo.cc.yamaguchi-u.ac.jp (Ryutaro Murakami)
Subject: [Jfly] ファージ

早速のお返事、いつもありがとうございます。
とりあえず、似たようなトラブルがよくあることなのかどうか、メールを待ってみます。

 新しいプラークから増やそうとしてもうまくいきません。菌株はLE392, NM539, XL
1-blue など近くの研究室からももらって試したのですが、今のところすべてダメで
す。培地試薬も買い換え(Difco)、pHメーターの電極まで交換したのですが、、。単
鎖ファージなど、何らかの感染因子による汚染でこのようなことが起こるのかどうか
(まだチェックはしてません)。以前、シーケンス用に単鎖ファージを頻繁に使った
ことはあるのですが。
 また、山大理学部内の隣の研究室(原生動物を扱っている)でも全く同様の問題で
苦しんでいることがわかりました。これも原因は不明です。

Ryutaro Murakami
Biol Inst, Fac Sci,
Yamaguchi Univ,

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Date: Wed, 12 Jun 1996 14:35:10 +0900
From: shayashiアットマークlab.nig.ac.jp (Shigeo Hayashi)
Subject: [Jfly] ファージ

村上様
EMBLのrecombinantはP2のlysogeneでselectする事になっているのでLE392やXL1-blue
ではだめなのでは? NM539では良いはずですがNM538と混同していることはありませ
んか? うちではLE392-P2というhostを使っています。

林 茂生

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From: tuemuraアットマークtake.biophys.kyoto-u.ac.jp
Subject: [Jfly] ファージ
Date: Wed, 12 Jun 1996 15:10:26 +0900

村上様

EMBLのライブラリーはしばらく使ってないので忘れましたが、XL1-blue
は使えるのですか? recA[-] であるXL1-blue は、(どのファージベクター
にせよ)ファージをまくのには、通常すすめられてないと思うのですが。

DASH library なら、うちでいつも使ってた P2392(林さんの LE392-P2 と同じ
でしょう)があります。必要でしたらご連絡ください。

上村 匡
京都大学 理学部 生物物理学教室

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Date: Wed, 12 Jun 1996 16:20:55 +0900
From: enitascbアットマークmbox.nc.kyushu-u.ac.jp (Eiji Nitasaka)
Subject: [Jfly] ファージ

EMBLもDASHもたしかred[-]gam[-]ファージなのでXL1-BlueのようなrecA菌で殖やすの
は(殖やしたことはありませんが)おすすめできないと思います。Amplifyしていな
いオリジナルのライブラリなら1st screeningは必ずP2 lysogenであるP2392かNM539
、Q359等を使う必要があります。また一本鎖ファージはLE392、NM539には感染できま
せん。pHも培地のpH合わせはやっていませんが別に問題ありません。
 一度はプラークを拾っているようなのでご質問の件は2nd screening以降の話でし
ょうか?もしそうならNM539のようなP2溶原菌でもLE392のような非溶原菌でも関係な
いですが。また一度amplifyしたライブラリなら最初からLE392等でも問題ありません。
 DASH等では一個のプラークあたり10[5]-10[6]のファージがいると思います。私自
身は今まで拾ったプラークのtiterがそう極端に低かった経験はありませんが、ある
ひとが1stまでやってプラークを拾って、2nd以降のスクリーニングを頼まれたときに
このSMのtiterが恐ろしく低かった覚えがあります。原因は分からずじまいでしたが
培地にマグネシウムを入れ忘れたとかじゃないかと思っています。。他の経験として
、たまたま拾ったベクターのHeadに突然変異が入っていたと思うのですが、これで作
ったライブラリは、なんとか増えるのですがその後のDNAとりがうまくいかなかった
ことがあります(クロロホルムで壊れてしまう?)。別のプラークからベクターDNA
を調製しなおしたら万事解決しました。

九州大学理学部生物学教室 細胞遺伝学講座
仁田坂 英二