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雌性先熟(protogyny)と精子置換(sperm displacement)
Date: Tue, 11 Feb 1997 10:59:28 +0900
From: ichijoアットマークmarimo.or.jp (ICHIJO Nobuaki)
Subject: [Jfly] protogyny
Jfly の皆様初めまして、一條と申します。高校に勤務しながら、ショウジョウバ
エの生活史と進化の研究をしています。
今回はショウジョウバエの雌性先熟(protogyny)について質問します。
1. ショウジョウバエの発育日数の雌雄差について考察した文献があれば教えてくだ
さい。ショウジョウバエを飼育していると雌のほうが発生が早いのに気づきます。「
ショウジョウバエの遺伝実習」(森脇、1979)にもこのことが書かれています。私が
実験に使っているD. lacertosa では、18℃で産卵から羽化までにかかる日数の平均
は、♀で約23日、♂で約24日で1日ぐらいのずれがあります。このようなずれは
それ自体に適応的な意味はなく、適応度に影響する遺伝子の多面発現的(pleiotropic
)副産物と考えられているのでしょうか。
おもしろいことに、D. moriwakii ではそのようなずれは見られず、この前飼育し
て調べたところ、18℃で産卵から羽化までにかかる日数の平均は、♀で29.57日(n>10
0)、♂29.55日(n>100)でした。
2. ショウジョウバエか他の生物で、成長速度を片方の性だけ、たとえば雌だけ、遅
くしたりする選択実験は、これまで行われたことがあるのでしょうか。また、そのよ
うな選択がうまくいく可能性はあるのでしょうか。
宜しくお願いいたします。
一条信明 ICHIJO Nobuaki
ウ085 釧路市緑が岡3ー1ー31
釧路湖陵高校
Tel 0154-43-3131
E-mail: ichijoアットマークmarimo.or.jp
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Date: Tue, 11 Feb 1997 12:31:29 +0900
From: tmurataアットマークrtc.riken.go.jp (MuraTa, Riken Tsukuba)
Subject: [Jfly] protogyny
一條さんの記事に関して
>実験に使っているD. lacertosa では、18℃で産卵から羽化までにかかる日数の平均
>は、♀で約23日、♂で約24日で1日ぐらいのずれがあります。このようなずれは
>それ自体に適応的な意味はなく、適応度に影響する遺伝子の多面発現的(pleiotropic
>)副産物と考えられているのでしょうか。
関連した質問になるかと思いますが、メスが羽化後、産卵可能になるまでに日数を要
することと羽化までの日数に性差があることを適応度で説明できるのでしょうか?
村田 武英 <- This is Japanese characters.
理化学研究所 ライフサイエンス筑波研究センター
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Date: Wed, 12 Feb 1997 11:21:21 +0900
From: fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp (Yoshiaki FUYAMA)
Subject: [Jfly] protogyny
At 10:59 02/11/97 +0900, ICHIJO Nobuaki wrote:
> 今回はショウジョウバエの雌性先熟(protogyny)について質問します。
>1. ショウジョウバエの発育日数の雌雄差について考察した文献があれば教えてくだ
>さい。ショウジョウバエを飼育していると雌のほうが発生が早いのに気づきます。
実は、私も以前から興味を持っています。実際、ひと夏をこの実験に費やして、
結局、ものにならなかった経験もあります。私の知る限り、この問題を正面から
扱った研究はないのではないかと思います。
ご存知のように、昆虫の多くは、雄性先熟(protoandry)です。ショウジョ
ウバエを含めて、多くの昆虫が、一度交尾すると再交尾を拒否するようにな
るので、雄は、雌より早く羽化して、雌の羽化を待った方が有利ですから、
これは、納得できるのですが、ショウジョウバエの多くは、予想とは逆に雌
性先熟のものが多いのです。しかも、キイロショウジョウバエの場合、雌は、
羽化直後から交尾可能なのに対して、雄は、少なくとも12時間位は交尾で
きません。
これは全く不思議な話で、ことと次第によっては、今流の進化生態学のお話
を根底からゆるがすものになりかねません。(ちょっと、大げさかな?)
でも、Thornhill & Alcock (1983) の本には、雄性先熟のことは、いっぱい
書いてあり、また、他のところでは、ショウジョウバエの話は結構引用され
ているにも関わらず、雌性先熟のことは、触れられていません。都合が悪い
から、ごまかしたな、というのが私の印象です。
非常に単純には、雄の方が発生に時間がかかるという制約があるかも知れま
せんが、幼虫期の発育速度には雌雄差はありません。蛹の期間が、雄で長く
なっているのです。雄の変態が、雌より手間がかかるという理由はないと思
います。
動物の生態学の連中に質問すると、たちどころに10位の可能性を並べ立て
てくれるのですが、残念なことに、野外でのハエの生態があまりよくわかっ
ていないために、答えられないことが多いのです。何れにせよ、なるほど、
とうなずけるものはないと思います。一条さんは何かお考えをお持ちですか?
> おもしろいことに、D. moriwakii ではそのようなずれは見られず、この前飼育し
>て調べたところ、18℃で産卵から羽化までにかかる日数の平均は、♀で29.57日(n>10
>0)、♂29.55日(n>100)でした。
この種の生態との関連で、説明できれば、大変、面白いと思います。うまく
すれば、他の種の雌性先熟の理由が説明できるかも知れません。
>2. ショウジョウバエか他の生物で、成長速度を片方の性だけ、たとえば雌だけ、遅
>くしたりする選択実験は、これまで行われたことがあるのでしょうか。また、そのよ
>うな選択がうまくいく可能性はあるのでしょうか。
これは知りません。私も、生態学で攻めるよりは、ショウジョウバエが得意
な遺伝学でなんとかならないかと考え、選択実験はかったるいので、遺伝的
変異を自然集団で探せないかと思って、少しやってみたような次第です。
--
布 山 喜 章 : 東京都立大学理学部生物学教室
Yoshiaki FUYAMA : Dept. of Biology, Tokyo Metropolitan University
e-mail : fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp
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Date: Thu, 13 Feb 1997 01:22:57 +0900
From: ichijoアットマークmarimo.or.jp (ICHIJO Nobuaki)
Subject: [Jfly] protogyny
布山様、村田様、Jfly の皆様。
>ご存知のように、昆虫の多くは、雄性先熟(protoandry)です。ショウジョ
>ウバエを含めて、多くの昆虫が、一度交尾すると再交尾を拒否するようにな
>るので、雄は、雌より早く羽化して、雌の羽化を待った方が有利ですから、
ショウジョウバエの場合、多数回交尾をし、sperm displacement もおこしているの
ではないのでしょうか。少なくとも、D. melanogaster ではそのことが報告されてい
ると思うのですが (Newport & Gromko, 1984, in Evolution; Harsamn & Prout ,199
4, in Evolution)。
>これは、納得できるのですが、ショウジョウバエの多くは、予想とは逆に雌
>性先熟のものが多いのです。しかも、キイロショウジョウバエの場合、雌は、
>羽化直後から交尾可能なのに対して、雄は、少なくとも12時間位は交尾で
>きません。
>非常に単純には、雄の方が発生に時間がかかるという制約があるかも知れま
>せんが、幼虫期の発育速度には雌雄差はありません。蛹の期間が、雄で長く
>なっているのです。雄の変態が、雌より手間がかかるという理由はないと思
>います。
この2つは非常に面白い現象だと思います。雄が積極的に羽化の時期を雌より遅ら
している。このことを示唆しているのではないでしょうか。
>動物の生態学の連中に質問すると、たちどころに10位の可能性を並べ立て
>てくれるのですが、残念なことに、野外でのハエの生態があまりよくわかっ
>ていないために、答えられないことが多いのです。何れにせよ、なるほど、
>とうなずけるものはないと思います。一条さんは何かお考えをお持ちですか?
実は、sperm displacemet がおきるので早めに交尾するよりは雌が産卵をする直前
に交尾をしたほうが有利なのではないかと考えています。
10の可能性というのはどういうものですか、教えてください。
>> おもしろいことに、D. moriwakii ではそのようなずれは見られず、この前飼育し
>>て調べたところ、18℃で産卵から羽化までにかかる日数の平均は、♀で29.57日(n>10
>>0)、♂29.55日(n>100)でした。
>
>この種の生態との関連で、説明できれば、大変、面白いと思います。うまく
>すれば、他の種の雌性先熟の理由が説明できるかも知れません。
>
D. moriwakii は北海道では1化性で、7月ごろに羽化した個体の大部分は生殖休
眠に入りそれを秋まで維持して越冬します。越冬後の個体は春に交尾をして繁殖しま
す。従って、この種は、他のショウジョウバエと異なり、羽化のタイミンが交尾のタ
イミングと無関係になっています。このことから他の種の雌性先熟の理由が説明でき
ないでしょうか。
>>2. ショウジョウバエか他の生物で、成長速度を片方の性だけ、たとえば雌だけ、遅
>>くしたりする選択実験は、これまで行われたことがあるのでしょうか。また、そのよ
>>うな選択がうまくいく可能性はあるのでしょうか。
>
>これは知りません。私も、生態学で攻めるよりは、ショウジョウバエが得意
>な遺伝学でなんとかならないかと考え、選択実験はかったるいので、遺伝的
>変異を自然集団で探せないかと思って、少しやってみたような次第です。
一条信明 ICHIJO Nobuaki
ウ085 釧路市緑が岡3ー1ー31
釧路湖陵高校
Tel 0154-43-3131
E-mail: ichijoアットマークmarimo.or.jp
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Date: Thu, 13 Feb 1997 11:32:34 +0900
From: fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp (Yoshiaki FUYAMA)
Subject: [Jfly] protogyny
一条様
>>ご存知のように、昆虫の多くは、雄性先熟(protoandry)です。ショウジョ
>>ウバエを含めて、多くの昆虫が、一度交尾すると再交尾を拒否するようにな
>>るので、雄は、雌より早く羽化して、雌の羽化を待った方が有利ですから、
すみません、少し訂正します。雄性先熟は protandry です。また、”多くの昆
虫が”のところは、”多くの昆虫の雌が”のミスでした。
>ショウジョウバエの場合、多数回交尾をし、sperm displacement もおこしているの
>ではないのでしょうか。少なくとも、D. melanogaster ではそのことが報告されてい
>ると思うのですが (Newport & Gromko, 1984, in Evolution; Harsamn & Prout ,199
>4, in Evolution)。
たしかに、昔から sperm displacement の報告はかなりあります。もちろん、
これは再交尾しないと見られない現象です。しかし、一方では、雌は一度交尾
すると1週間から10日位の間、ほとんど交尾しなくなるというのも古くから
知られている事実です。これは、矛盾する話ではないかと思われるかも知れま
せんが、実は、実験方法の違いにもよるのです。
sperm displacement の実験では、再交尾をしてくれないことには話になりま
せんから、たまたま再交尾をした雌を選ぶとか、最近では、雌雄をごく狭い
容器に閉じこめて置くとか、再交尾するまで、毎日、相手を取り替えるとか
いった方法で、苦労して再交尾させているというのが真相だと思います。
問題は、野外でどの程度の再交尾がみられるかです。調べた仕事もありますが、
これは案外大変で、十分信頼できるデータは少ないと思います。野外での生殖
寿命がどれくらいかもわからないので、根拠はいたって貧弱ですが、キイロシ
ョウジョウバエに関する限り、私は、再交尾率がそれほど高いとは思いません。
雌の産卵のピークは、羽化後3ー4日であり、これは、再交尾抑制が強く効い
ている時期ですので、後から羽化して、前の雄の精子を置換する戦略が有利で
あるとは信じられません。
再交尾率は、種によって大きく変わります。例えば、repleta groupの多くは、
毎日でも交尾します。このグループの雄は、羽化までの時間は雌とあまり違わな
いのですが、雄の性成熟が遅れるので、有効な性比は雌に偏るようです。研究し
ている人たちは、巨大な精子を作るのに時間がかかるから、そのトレードオフだ
と説明していますが、精子置換で説明した方が納得できるかも知れませんね。
> この2つは非常に面白い現象だと思います。雄が積極的に羽化の時期を雌より遅ら
>している。このことを示唆しているのではないでしょうか。
そう思います。何か理由があるはずです。
> 実は、sperm displacemet がおきるので早めに交尾するよりは雌が産卵をする直前
>に交尾をしたほうが有利なのではないかと考えています。
精子置換というのは考えられる理由の一つとは思いますが、精子置換も雄性
先熟も、昆虫にはきわめて一般的な現象なので、私は、やや悲観的です。
再交尾率の違う種を使って、それと有効な性比の関係をみるというのも一つ
のアプローチかなとは思います。そこで、再交尾率をさまざまな種で調べて
いるのですが、これまでのところでは、系統による制約が強くて、有効性比
を調べる元気が出ません。
> 10の可能性というのはどういうものですか、教えてください。
大部分は忘れてしまいました。世代の重複による齢構成とか、野外の栄養条
件とか、一条さんがいっておられるような羽化と交尾の時期のずれとかいっ
たようなことだったと記憶しています。生態の人たちは、野外の生物を相手
にしているせいか、仮説を立てるのが上手です。証明するとなると大変です
が。
> D. moriwakii は北海道では1化性で、7月ごろに羽化した個体の大部分は生殖休
>眠に入りそれを秋まで維持して越冬します。越冬後の個体は春に交尾をして繁殖しま
>す。従って、この種は、他のショウジョウバエと異なり、羽化のタイミンが交尾のタ
>イミングと無関係になっています。このことから他の種の雌性先熟の理由が説明でき
>ないでしょうか。
このようなケースは、robusta group の中では特異なものということでしょ
うか? もし、そうだとすれば、興味があります。
--
布 山 喜 章 : 東京都立大学理学部生物学教室
Yoshiaki FUYAMA : Dept. of Biology, Tokyo Metropolitan University
e-mail : fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp
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Date: Thu, 13 Feb 1997 22:55:23 +0900
From: ichijoアットマークmarimo.or.jp (ICHIJO Nobuaki)
Subject: [Jfly] protogyny
布山様、一條です。
>問題は、野外でどの程度の再交尾がみられるかです。調べた仕事もありますが、
>これは案外大変で、十分信頼できるデータは少ないと思います。野外での生殖
>寿命がどれくらいかもわからないので、根拠はいたって貧弱ですが、キイロシ
>ョウジョウバエに関する限り、私は、再交尾率がそれほど高いとは思いません。
なるほど、そうだったのですか。
>雌の産卵のピークは、羽化後3ー4日であり、これは、再交尾抑制が強く効い
>ている時期ですので、後から羽化して、前の雄の精子を置換する戦略が有利で
>あるとは信じられません。
これもキイロショウジョウバエでの話しでしょうか。キイロショウジョウバエでの羽
化の雌雄のずれはどのぐらいなのでしょうか。
>再交尾率は、種によって大きく変わります。例えば、repleta groupの多くは、
>毎日でも交尾します。このグループの雄は、羽化までの時間は雌とあまり違わな
>いのですが、雄の性成熟が遅れるので、有効な性比は雌に偏るようです。研究し
>ている人たちは、巨大な精子を作るのに時間がかかるから、そのトレードオフだ
>と説明していますが、精子置換で説明した方が納得できるかも知れませんね。
robusta group や melanica group では再交尾率はどうなのでしょうか。
>> 実は、sperm displacemet がおきるので早めに交尾するよりは雌が産卵をする直前
>>に交尾をしたほうが有利なのではないかと考えています。
>
>精子置換というのは考えられる理由の一つとは思いますが、精子置換も雄性
>先熟も、昆虫にはきわめて一般的な現象なので、私は、やや悲観的です。
この意味がよくわからないのですが。精子置換が精子置換が昆虫には一般的なのに、
雌性先熟は一般的ではなく、雄性先熟がおこっている?ということでしょうか。
>> D. moriwakii は北海道では1化性で、7月ごろに羽化した個体の大部分は生殖休
>>眠に入りそれを秋まで維持して越冬します。越冬後の個体は春に交尾をして繁殖しま
>>す。従って、この種は、他のショウジョウバエと異なり、羽化のタイミンが交尾のタ
>>イミングと無関係になっています。このことから他の種の雌性先熟の理由が説明でき
>>ないでしょうか。
>
>このようなケースは、robusta group の中では特異なものということでしょ
>うか? もし、そうだとすれば、興味があります。
特異なものだと思います。北海道に生息している他のrobusta group の5種 (D. l
acertosa, D. sordidula, D. pseudosordidula, D. okadai, D. neokadai)、近縁のm
elanica group の1種 (D. tsigana)と virilis group の2種 (D. ezoana, D. kane
koi)はすべて多化性で成虫で越冬することが確かめられています。北海道に生息する
ショウジョウバエのなかで、1化性で成虫で越冬するのは、D. moriwakii 以外には
D. magnipectinata と Scaptomyza consimilis しか知られていません。
ところで、Beppu(1988, in Proc. Japon. Soc. Syst. Zool.) は D. moriwakii を
robusta groupからmelanica group に移しているのですが、これについての見解はど
うなのでしょうか。
一条信明 ICHIJO Nobuaki
ウ085 釧路市緑が岡3ー1ー31
釧路湖陵高校
Tel 0154-43-3131
E-mail: ichijoアットマークmarimo.or.jp
====================================
Date: Fri, 14 Feb 1997 11:00:00 +0900
From: fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp (Yoshiaki FUYAMA)
Subject: [Jfly] protogyny
一條様
At 22:55 02/13/97 +0900, ICHIJO Nobuaki wrote:
>これもキイロショウジョウバエでの話しでしょうか。キイロショウジョウバエでの羽
>化の雌雄のずれはどのぐらいなのでしょうか。
断るのを忘れましたが、全てキイロショウジョウバエの話です。我々は、つい、キ
イロを落としてしまう癖があります。雌雄の羽化のずれは、せいぜい2ー3時間程
度でしょう。しかし、ハエは明け方に集中して羽化しますから、わずかに遅れただ
けでも、翌日まわしになる可能性が高くなるので、野外では、大きな差になると思
います。実験室でも、羽化1日目の性比は、かなり雌に偏ります。
>robusta group や melanica group では再交尾率はどうなのでしょうか。
飼うのが大変なので、まだ、調べていません。多分、誰もやっていないと思います。
ぜひ、調べて、結果を教えて下さい。
>>精子置換というのは考えられる理由の一つとは思いますが、精子置換も雄性
>>先熟も、昆虫にはきわめて一般的な現象なので、私は、やや悲観的です。
>この意味がよくわからないのですが。精子置換が精子置換が昆虫には一般的なのに、
>雌性先熟は一般的ではなく、雄性先熟がおこっている?ということでしょうか。
私の知識では、雄性先熟が普通だと思うのですが、違いますか? 何れにせよ、
上記の発言は、根拠があるわけではありませんから、あまりまじめに受け取ら
ないで下さい。 これら2つの現象を関連させて調べたような研究を私は知り
ません。一条さんは、何かご存知ですか?
> ところで、Beppu(1988, in Proc. Japon. Soc. Syst. Zool.) は D. moriwakii を
>robusta groupからmelanica group に移しているのですが、これについての見解はど
>うなのでしょうか。
group が変わったことは、うろ覚えで知っていたので、昨日の記事を投稿する
際に、進化遺伝の人に確認したら、robusta group に出戻りしたという話でし
たので、そう書いただけです。誰かが正式に記載したのかどうかまでは、確認
しませんでした。分類は素人ですので、どちらの見解が妥当かはわかりません
が、分子系統樹からは、やはり robusta だそうです。
--
布 山 喜 章 : 東京都立大学理学部生物学教室
Yoshiaki FUYAMA : Dept. of Biology, Tokyo Metropolitan University
e-mail : fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp
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Date: Sat, 15 Feb 1997 19:17:10 +0900
From: ichijoアットマークmarimo.or.jp (ICHIJO Nobuaki)
Subject: [Jfly] protogyny
布山様、一條です。
>robusta group や melanica group では再交尾率はどうなのでしょうか。
>
>飼うのが大変なので、まだ、調べていません。多分、誰もやっていないと思います。
>ぜひ、調べて、結果を教えて下さい。
そうですか、実験するのは大変そうですね・・・・・。
>これら2つの現象を関連させて調べたような研究を私は知り
>ません。一条さんは、何かご存知ですか?
>
残念ながら、私も知りません。
>> ところで、Beppu(1988, in Proc. Japon. Soc. Syst. Zool.) は D. moriwakii を
>>robusta groupからmelanica group に移しているのですが、これについての見解はど
>>うなのでしょうか。
>
>group が変わったことは、うろ覚えで知っていたので、昨日の記事を投稿する
>際に、進化遺伝の人に確認したら、robusta group に出戻りしたという話でし
>たので、そう書いただけです。誰かが正式に記載したのかどうかまでは、確認
>しませんでした。分類は素人ですので、どちらの見解が妥当かはわかりません
>が、分子系統樹からは、やはり robusta だそうです。
そうでしたか。いろいろ教えていただき、ありがとうございました。
また質問なのですが、
>非常に単純には、雄の方が発生に時間がかかるという制約があるかも知れま
>せんが、幼虫期の発育速度には雌雄差はありません。蛹の期間が、雄で長く
>なっているのです。
これはどうやって調べたのでしょうか。このことが書いてある論文がありましたら
、お教えください。
一条信明 ICHIJO Nobuaki
ウ085 釧路市緑が岡3ー1ー31
釧路湖陵高校
Tel 0154-43-3131
E-mail: ichijoアットマークmarimo.or.jp