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GAL4/UAS 利用の強制発現によるホメオティック変異誘発？
Date: Tue, 6 May 1997 11:11:05 +0900
From: tohshiroアットマークhgc.ims.u-tokyo.ac.jp (Tomokazu Ohshiro)
Subject: [Jfly] UAS/GAL4 によるhomeotic transformation
Jfly の皆様
東大理学部西郷研の大城と申します。この度ハエのbHLH type の転写因子をクローニ
ングし、そのdominant negative form
(basic region を削ったもの)をGAL4/UASの系で強制発現させる実験を行ってますが
、adult のクチクラ構造がhomeotic
transformation している（ arista がleg に化けたり、haltera が余分にできたり
）ものが現れてきました。
まだこの遺伝子座の変異体を同定していなのでこれらの表現型がこの遺伝子の真の役
割を表しているのかわかりませんが、ここでお聞きしたいのはGAL4/UASの系をつかう
とこのようなことは割とよく起こることなのか？ということです。つまりそれらのク
チクラ構造はectopic な遺伝子発現に大変sensetiveで、 あまり関係なさそうな遺伝
子でも強制発現させるとこのような事が起こるのかどうかと言うことです。もしこれ
までにこのような現象を経験された方がいらっしゃったらお話を聞かせていただけな
いでしょうか。またこのようなectopic expression によるhomeotic transformatio
n についての文献をどのようなものでもよいですから（Antp やeyeless 等も含めて
）、教えて頂けると幸いです。
大城 朝一（ともかず）
東大理学系研究科生化専攻、西郷研究室
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Date: Fri, 9 May 1997 11:44:11 +0900
From: itokeiアットマークfly.erato.jst.go.jp (ITO, Kei)
Subject: [Jfly] UAS/GAL4 によるhomeotic transformation
まだリプライがないようなので、いちおう私見をば。
GAL4 / UAS の系で何らかの遺伝子を発現させるときに、general に上のような
homeotic transformation が起こることはないと言ってよいと思います。生理
活性のない（と信じられている）lacZ や GFP のような「レポーター遺伝子」を
発現させた場合、このような症状が起きた例は、私の知る限り報告されていませ
ん。一方 tau や tau-lacZ, kinesin-lacZ のような細胞骨格関連の遺伝子を含む
レポーター遺伝子では、表皮や眼など一部の組織に発生異常が起こりうることが
知られていますが、これは細胞骨格タンパクの異所的・過剰産生による異常であっ
て、homeotic といえるような異常ではありません。
生理活性のある「エフェクター遺伝子」を発現させた場合は、その遺伝子の
dominant な影響が観察されるはずですが、私はホメオティック系の話は専門で
はないので、suggestion できません。詳しい方いませんかぁ。
いとうアットマークERATO
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Date: Fri, 9 May 1997 13:26:56 +0900
From: tohshiroアットマークhgc.ims.u-tokyo.ac.jp (Tomokazu Ohshiro)
Subject: [Jfly] UAS/GAL4 による homeotic transformation
伊藤様
ご返答ありがとうございます。北大の中村さんからも同様なメールを個人的にいただ
きました。ちなみに用いたGAL4 のラインは、よく知られているh-GAL4 とptc-GAL4
です。私は確かめてませんが、h-GAL4 の成虫原基は、複雑なパターンでGAL4を発現
するそうです。
それからspinless aristapedia についてどなたか詳しい方がいらっしゃいませんか
？ h-GAL4 とptc-GAL4 で共通してleg のtarsal segmentのfusion も見られるので
何らかの関わりがあるかもと考えているのです。
大城