Jfly ディスカッション


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融合タンパク作成に最適な GFP


Date: Wed, 12 Nov 1997 12:04:37 +0900
From: geneticsアットマークipc.kit.ac.jp (Genetics Lab.)
Subject: [Jfly] GFPにつて

J Flyの皆様

京都工芸繊維大学の松林といいます。 
ショウジョウバエのある蛋白の存在場所を知るために、GFP(Green Fluorescent Pro
tein)とのfusion proteinを産生するような形質転換体系統をP因子により作製しよ
うと考えています。そこで質問なのですが、ショウジョウバエでGFPを発現させる場
合どのようなGFPを使えばいいのでしょうか?クローンテック社などから様々な改変
型GFP遺伝子のベクターが出ていますが、単純にmannmalian細胞用の発光強度の強い
ものを選べばいいのでしょうか?またfusion proteinとする場合目的の蛋白のC末端
に融合したほうがいいのかN末端に融合したほうがいいのでしょうか?その他、ショ
ウジョウバエでGFPを使う際注意すべき点があったら何でもいいですからお教えいた
だけると幸いです。


松林宏
京都工芸繊維大学繊維学部応用生物学科遺伝学研究室
〒606京都府京都市左京区松ヶ崎御所海道町
TEL: 075-724-7797
FAX: 075-724-7760
Email: matsubayashiアットマークdrochan.bio.kit.ac.jp


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Date: Wed, 12 Nov 1997 15:34:36 +0900 (JST)
From: itokeiアットマークfly.erato.jst.go.jp (ITO, Kei)
Subject: [Jfly] GFPについて

UAS につないだものとしては、65 残基目の S を T に換えただけの GFP S65T
が一番コンスタントに明るいという評判をよく聞きます。私自身の経験も、そう
です。哺乳類用に codon usage を最適化したものが開発されていますが、ハエ
で popular な Roger Tsien のラボ由来の GFP S65T がこのような最適化をさ
れたものなのかどうか、私はきちんと把握してません。

>またfusion proteinとする場合目的の蛋白のC末端
>に融合したほうがいいのかN末端に融合したほうがいいのでしょうか?

これも私は苦手。どなたか construct 作ってらっしゃる方、よろしくお願いします。

いとうアットマークえらと


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Date: Wed, 12 Nov 1997 16:35:49 +0900 (JST)
From: yoshikiアットマークtmin.ac.jp (Yoshiki Takamatsu)
Subject: [Jfly] GFPにつて

東京都神経研の高松です。いつもお世話になっております。
こちらではpCaSpeR-AUG-bgalのbgalのところをクローン
テックからでているS65TおよびEGFPにつけかえた2種類
のベクターを作製してCaM knase II のプロモーターで発現
させたことがあります。細胞工学vol.16 no.4 1997年のp581
-587に載っている伊川先生、岡部先生のご説明によります
とS65Tの発行強度はwild type の4から6倍であるのに対し、
EGFPでは35倍で、ただしEGFPの方は哺乳類での発現に
適するような塩基置換をしているとのことでした。すでに
よくつかわれているBarry DicksonさんのつくったUAS-
Super GFP (S65T) と比べてEGFPの方はどうだろうかと思
いましたが、結果はなぜかS65Tの方はGFPの発現が見られず
、一方、EGFPの方は発現していました(いずれも数ライン
づつつくりました)。しかしこのEGFPのline での発現の強さ
はGAL 4 driver lineにUAS-Super GFP (S65T) をかけあわせた
ものより弱いです。ただこの発現の強さにつきましてはGAL
4-UAS system を利用しているかしていないかのちがいや、
innsertion の場所の影響もあるとおもいます。まとめますと
EGFPは一応ハエでも発現しますが、UAS-Super GFP (S65T)
ほど強くないということです。UAS-Super GFPにつかわれて
いるS65TとクローンテックのS65Tにちがいがあるかどうかはわかりません。

高松芳樹
東京都神経科学総合研究所
神経細胞生物学研究部門
〒183 東京都府中市武蔵台2-6
TEL: 0423-25-3881 (4503)
FAX: 0423-21-8678
E-mail: yoshikiアットマークtmin.ac.jp

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Date: Wed, 12 Nov 1997 17:50:47 +0900
From: Toshiro Aigaki
Subject: [Jfly] GFPについて
X-Priority: 3 (Normal)

相垣@都立大です。

私のところでは、N末の融合では蛍光が出なかった場合があります。蛍光はあるけ
ど融合タンパクが機能を失うこともあります。GFPの末端にhinge region をつ
けておけばそのような問題がなくなるかもしれません。いまのところ、やってみな
ければわからないというところです。


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From: matsubayashiアットマークdrochan.bio.kit.ac.jp (Matsubayashi, Hiroshi)
Date: Thu, 13 Nov 1997 18:38:07 +0900
Message-ID: <1332676209-84839511アットマークdrochan.bio.kit.ac.jp>

京都工芸繊維大学の松林です。

先日はGFPに関する質問について多数の素早いご返答ありがとうござす。まとめてみ
ますとmannamlian用に改変したものよりも一つだけ変異をいれたS65Tがコンスタント
によく光るようですね。またfusion proteinとする場合はケースバイケースだけれど
も、C末端というのが無難な選択のようですね。参考にし実験を行っていきたいと思
います。ありがとうございました。


松林宏
京都工芸繊維大学繊維学部応用生物学科遺伝学研究室