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pCaSpeR にどこまで長いインサートを入れられるか?
Date: Mon, 29 Jun 1998 13:19:33 +0900 (JST)
From: takeuchiアットマークmanage.ims.u-tokyo.ac.jp (takeuchi)
Subject: [Jfly] 長いインサートを持つベクターの構築
J-Flyの皆様:
P vector (pCaSpeR(約9.0kbp)) に10kbpインサートを組み込もうとしています。
このように、長いインサートをベクターに組み込む時に、ライゲーションとトランス
フォーメーションの
効率が著しく下がるという話を聞きました。
長いインサートを持つベクターの構築に成功した方がいらっしゃいましたら
何か工夫する点を教えていただければ助かります。
竹内 秀明
東京大学薬学部発生細胞化学教室1研
Phone 03-3812-2111 ex. 4821
Fax 03-5684-2973
E-mail takeuchiアットマークmail.ims.u-tokyo.ac.jp
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Date: Mon, 29 Jun 1998 15:39:25 +0900
From: tmurataアットマークrtc.riken.go.jp (MuraTa, Riken Tsukuba)
Subject: [Jfly] Re: 長いインサートを持つベクターの構築
竹内様
長いというほどでもないかもしれませんが、ぼくはかつてpUASTに7 kbを入れる
ときに苦労していました。
最終的にpUAST/XhoI-XbaIに7kbのXhoI-XbaIのものを入れたときには、
1. vectorの消化時間を1時間キッチリにした。incubationが長すぎることによる
ダメージを減らすためです。
2. この場合はdouble digestionだったのでphosphatase処理をしなかった。
これはあまりよい方法ではないと思いますが、ステップが増えることによってDNA
へのダメージが増すのではと思って省きました。
3. vector and insertともにアガロースゲル電気泳動後のDNAの回収は、electro
elutionをしました。ぼくは、専用の回収装置を使いましたが、色んな教科書に載っ
ている透析膜を利用した方法でいいと思います。グラスミルクを使わなかったのは、
説明書にも載っている様に長いDNAは雑に扱うと切れてしまうと思ったからです。
4. competent cellはDH5alphaを使い、chemical methodで自分で作りました。
あんまり効率はよくなくって、pUC19で10^7 colonies/microgram程度でした。
以上。
ご健闘をお祈りいたします。
村田 武英
305-0074 茨城県 つくば市 高野台 3-1-1
理化学研究所 ライフサイエンス筑波研究センター
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Date: Mon, 29 Jun 1998 16:13:28 +0900
From: Hirotaka Kanuka
Subject: [Jfly] 長いインサートを持つベクターの構築
竹内様:
CaSpeRはそれ自体が大きいので、通常の発現ベクターよりもligation効率が低いのは
我慢せざるを得ません(これはpGMRも同様です)。CaSpeRに入れるのに、我々は長く
て7kbまでしか成功していません。その際はfragmentの調整はlow melting agarose法
で行いました。siteはNotI-NotIで、気合い!で入れました。ミニプレップは48個で
、表裏各1個ずつという結果です。コンピテント・セルは村田さんと同じく自家製の
DH5alphaです。
CaSpeRはマルチクローニングサイトが本当にしょぼいので、苦労します。通常の
insertでしたらPCRでprimerで制限酵素siteを付けて(CaSpeRならEcoRI-BglIIを愛用
)どんぴしゃでligationしています。
参考までに。
嘉糠洋陸 [Hirotaka Kanuka]
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/5510/index.html
大阪大学医学部バイオメディカル教育研究センター神経機能解剖学
Department of Neuroanatomy, Biomedical Research Center
Osaka University Medical School
2-2 Yamadaoka, Suita, Osaka 565-0871, Japan
mailto:kanukaアットマークnana.med.osaka-u.ac.jp
TEL:06-879-3581 FAX:06-879-3589
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Date: Mon, 29 Jun 1998 16:33:40 +0900
From: maokabeアットマークlab.nig.ac.jp (Masataka Okabe)
Subject: [Jfly] 長いインサートを持つベクターの構築
嘉糠君、
ぼくは君の研究室で10kbのinsertを入れて4つのコンストラクトを作りました。「長
くとも10kb」です。
岡部
岡部正隆
国立遺伝学研究所
発生遺伝研究部門
〒411-8540 静岡県三島市谷田1111
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Date: Mon, 29 Jun 1998 16:43:57 +0900
From: teruアットマークsakura.cc.tsukuba.ac.jp (Akira Nakamura)
Subject: [Jfly] 長いインサートを持つベクターの構築
私は、以前13kbのフラグメントをpCaSpeRに入れたことがあります。もともとはSalI
のフラグメントでしたが、これをCaSpeR4のXhoIに入れようとしてもどうしても入ら
ず、このフラグメントをBamHI siteを2つ入れたBluescriptに一度subcloningして、
BamHIフラグメントとしてCaSpeRに入れました。この場合には、ligation効率等もあ
まり問題になるようなものではありませんでした(Competent cellは自家製のSUREを
使いました)。長いフラグメントを大きいベクターに入れる場合には、制限酵素の種
類もけっこう影響するみたいです。感覚として、EcoRI, BamHI等のmajorでやすい酵
素がいいみたいです。
Akira Nakamura, Ph. D.
Gene Experiment Center
University of Tsukuba
Tsukuba, Ibaraki 305-8572
Japan
TEL: +81-298-53-6420
FAX: +81-298-53-6006
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Date: Mon, 29 Jun 1998 18:33:35 +0900
From: Takuma Yamada
Subject: [Jfly] 長いインサートを持つベクターの構築
私は18kbのSalIフラグメントを入れようとして全然うまく行かなかったのが、隣の
XbaIサイトを使ったらスパスパと入ったことがあります。ベクター(pCaSpeR)も切っ
てCIAPをかけた後ゲルで低電圧でゆっくりながし見えたバンドをきりだしスピンカラ
ムで抽出しました(circularなDNAのコンタミを除くため)。その他は特に変わったこ
とはしませんでした。
山田 琢磨 (Takuma Yamada)
〒411 静岡県三島市谷田1111, 国立遺伝学研究所
TEL 0559-81-6809 (研究室), 0559-72-7989 (自宅)
FAX 0559-81-6768