Jfly ディスカッション


Discussion Menu | Jfly Japanese Home Page | Jfly English Home Page

ハエを宅配便等で送るには


Date: Thu, 10 Sep 1998 10:48:02 +0000
From: tmurataアットマークrtc.riken.go.jp (Murata, RIKEN Tsukuba)
Subject: [Jfly] To send flies via FEDEX.


村田アットマーク理研です。
 本来、おおぴらに聞くことではないのですが。

 Fedexでハエをシンガポールに送りたいと思ったのですが、
「生き物はだめ」らしいです。でも、実際はハエのやり取りは
行われているようですし、どうやっているのでしょうか?
 よろしくお願いいたします。


村田 武英
305-0074 茨城県 つくば市 高野台 3-1-1
理化学研究所 ライフサイエンス筑波研究センター


====================================
Subject: [Jfly] To send flies via FEDEX.
Date: Thu, 10 Sep 98 12:07:57 +0900
From: YAMAMOTOアットマークipc.kit.ac.jp, M Toshi

以前にも話題になりましたが、FEDEXは生物を扱いません。
この問題がBloomingtonから系統を発送する上でも、大きな問題になっています。
もしFEDEXが扱ってくれるなら、受け取り人払いで、ショウジョウバエを送ることが
できるからです。
何年間も直接交渉が続いているとのことですが、今もFEDEXに変化はないようです。

郵便で送ることになるのでしょう。がシンガポールはショウジョウバエが検疫の対
象になっていないかどうかの確認はとっておく必要があります。

山本雅敏(京都工芸繊維大学・応用生物・染色体工学)


====================================
Date: Thu, 10 Sep 1998 12:32:37 +0900
From: Teiichi Tanimura
Subject: [Jfly] To send flies via FEDEX.

Murata, RIKEN Tsukuba wrote:
>Fedexでハエをシンガポールに送りたいと思ったのですが、
> 「生き物はだめ」らしいです。

ということになっていると思っていたのですが、
私は最近FedExで2度ハエを受け取りました。
また、最近のメールでハンガリーからFedExの着払いでハエを送ってもらったと
いう人が二人いました。どうなっているのでしょうか?

谷村禎一
Department of Biology, Faculty of Science
Kyushu University
Ropponmatsu, Fukuoka 810-8560 JAPAN
Phone: 81-(0)92-726-4759 Fax: 81-(0)92-726-4644
E-mail: tanimuraアットマークrc.kyushu-u.ac.jp


====================================
Date: Thu, 10 Sep 1998 13:04:22 +0900
From: tmurataアットマークrtc.riken.go.jp (Murata, RIKEN Tsukuba)
Subject: [Jfly] To send flies via FEDEX.

At 0:32 PM 98.9.10 +0900, Teiichi Tanimura wrote:
>> 「生き物はだめ」らしいです。
>ということになっていると思っていたのですが、
>私は最近FedExで2度ハエを受け取りました。

Fedexでは「生き物はだめ」なのでしょうが、中味が何であるかを
Fedexで確認しないなら、知らんぷりで送ってもFedexからの文句
はでないのでしょう。
封筒の表書きには何と書いてあったのでしょうか?

 ぼくの対応としては、あまり変なことをして怒られるのもいやな
ので、郵便で送ります。

At 0:07 PM 98.9.10 +0900, YAMAMOTOアットマークipc.kit.ac.jp, M Toshi wrote:
>郵便で送ることになるのでしょう。がシンガポールはショウジョウバエが検疫の対
>象になっていないかどうかの確認はとっておく必要があります。

ご指摘のように、この点は確認してから送ります。

ところで、Drosphilaが検疫の対象になっている国、いない国には
どういうところがありますか?
特に、問題になった事例をご存じの方からの情報をいただきたいです。

#データベース化しますか?

村田 武英
305-0074 茨城県 つくば市 高野台 3-1-1
理化学研究所 ライフサイエンス筑波研究センター


====================================
Date: Thu, 10 Sep 1998 15:48:24 +0900
From: fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp (Yoshiaki FUYAMA)
Subject: [Jfly] To send flies via FEDEX.

At 13:04 09/10/98 +0900, Murata, RIKEN Tsukuba wrote:

> ぼくの対応としては、あまり変なことをして怒られるのもいやな
>ので、郵便で送ります。

うちももっぱら郵便を使っていますが、郵便だから生き物を送っても
問題がないとは言えませんので、あまり堂々とはやらない方がいいと
思います。(例えば、大きい字で「生き物に付き取り扱い注意」と書
くなど)

前に、東京国際郵便局にハエの荷物を受け取りに行って、中身を見せ
ろというので、荷物を開けたところ、いきなりハエが飛び出してきて、
さんざんとっちめられたことがあります。その時、「万国郵便連合条
約」というのを見せられ、「生き物を送ってはならんと書いてあるだ
ろう」と言われました。愕然といたしましたが、確かにそう書いてあ
ります。

つまり、現状は、郵便局が目こぼししてくれているということです。
こちらの出方次第では、例の条約を振り回されかねません。そうなる
と、手も足も出ません。法律なら日本のことだけですが、何しろ条約
ですから。

>ところで、Drosphilaが検疫の対象になっている国、いない国には
>どういうところがありますか?
>特に、問題になった事例をご存じの方からの情報をいただきたいです。

輸入許可証を絶対に添付しなければならないのは、オーストラリアと
ニュージーランド、(送ったことはないのですが、多分、パプア・ニ
ューギニアも)ですね。

他の国の場合、アメリカのように、本来は必要なはずなのに、なぜか
着いてしまうという国が多いですね。ですから、まずは送ってみて、
だめだったら許可をとるというのでいいんじゃないでしょうか。
それに、こちらから勝手に押しつけるならともかく、向こうから欲し
いと言ってきた場合、必要な条件をクリアーするのは相手側の責任で
すよね。オーストラリアなんかは、黙っていても輸入許可証を送って
きます。

あまり関係ないかも知れませんが、フィリピン、マレーシア、パプア・
ニューギニアなどのように、向こうから送る際に、輸出許可証が必要
な国もあります。

郵送の場合、小型包装物で送るのが、安いし、税関もよほどのことが
ないとフリーパスなので便利ですね。税関申告書には、"Fruit Fly"
などという刺激的な言葉は避けます。せいぜい、Drosophila どまり
です。うちでは、Material for Scientific Resaerch または
Research Material としています。


布 山 喜 章 : 東京都立大学大学院理学研究科生物学教室
Yoshiaki FUYAMA : Dept. of Biology, Tokyo Metropolitan University
     e-mail : fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp


====================================
Date: Thu, 10 Sep 1998 17:07:34 +0900
From: Teiichi Tanimura
Subject: [Jfly] To send flies via FEDEX.

Murata, RIKEN Tsukuba wrote:
>(FedExで送られてきた小荷物の)表書きには何と書いてあったのでしょうか?

正々堂々Drosophila melanogasterと書いてありました。
さらに"contains Living Research Material"と大きく書いてありました。
FedExのなかで「生き物はだめ」という方針を知っている人が少ないというわけでしょうか。


谷村 禎一
Department of Biology, Faculty of Science
Kyushu University
Ropponmatsu, Fukuoka 810-8560 JAPAN
Phone: 81-(0)92-726-4759 Fax: 81-(0)92-726-4644
E-mail: tanimuraアットマークrc.kyushu-u.ac.jp


====================================
From: tuemuraアットマークtake.biophys.kyoto-u.ac.jp
Date: Thu, 10 Sep 1998 18:09:35 +0900
Subject: [Jfly] To send flies via FEDEX.

>FedExのなかで「生き物はだめ」という方針を知っている人が少ないというわけでしょう
>か。

FedEx の方針は社内で徹底していないのでしょうね。私はそれぞれのラボにハエをリク
エストする場合、「こちらの Fedex account # を使って下さい。Drosophila
melanogaster, research use only, bilogically no hazard(あるいは harmless
biological material)と書いてくれ。」ときまり文句でお願いします。多くの場合
(多分いつも?)、こちらの税関に着いてから Fedex から中身は何かと電話があり、
「キイロショウジョウバエで問題なし。絶対に冷やすな。」と返事します。

ただし、いつか申し上げたと思うのですが、こちらから発送する場合、抗体であれハ
エであれ、頼まれても Fedex は使いません(やたらに書類を用意させる)。郵便局
の国際ビジネス郵便を使います。

上村@京都


====================================
From: mogamiアットマークbio.phys.s.u-tokyo.ac.jp (Kaname Mogami)
Subject: [Jfly] To send flies via FEDEX.
Date: Thu, 10 Sep 1998 18:54:01 +0900

> さんざんとっちめられたことがあります。その時、「万国郵便連合条
> 約」というのを見せられ、「生き物を送ってはならんと書いてあるだ
> ろう」と言われました。

あれおかしいな?もう昔のことになったので、記憶がうすれているのですが
学術研究のためのキイロショウジョウバエの郵便での送付は正々堂々許され
ていたと思います。郵便局職員でも知らない人が多いんですが、調べてくれ
というと分厚い本を持ち出して、認めてもらったことがあります。同様な経
験された方おられませんか?

最上


====================================
Date: Thu, 10 Sep 1998 18:21:00 +0900
From: fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp (Yoshiaki FUYAMA)
Subject: [Jfly] To send flies via FEDEX.

At 18:54 09/10/98 +0900, Kaname Mogami wrote:

>あれおかしいな?もう昔のことになったので、記憶がうすれているのですが
>学術研究のためのキイロショウジョウバエの郵便での送付は正々堂々許され
>ていたと思います。郵便局職員でも知らない人が多いんですが、調べてくれ
>というと分厚い本を持ち出して、認めてもらったことがあります。同様な経
>験された方おられませんか?

そうですか。国内の規定として何かある可能性はあると思います。
私の場合、文字どおり、虫の居所が悪かったために、最上位の条約
を見せて文句をいわれたのかも知れません。

そういえば、キイロショウジョウバエを国外から入れるのはお構いな
しになっていますが、植物防疫法やその施行細則など、いくら調べて
も、そんなことはどこにも書いてないですよね。どうやら、内規のよ
うなものがあるらしいのですが、植防は見せてくれません。


布 山 喜 章 : 東京都立大学大学院理学研究科生物学教室
Yoshiaki FUYAMA : Dept. of Biology, Tokyo Metropolitan University
     e-mail : fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp


====================================
Date: Thu, 10 Sep 1998 19:04:30 +0900
From: fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp (Yoshiaki FUYAMA)
Subject: [Jfly] To send flies via FEDEX.

自己フォローです。

At 18:21 09/10/98 +0900, Yoshiaki FUYAMA wrote:

>そうですか。国内の規定として何かある可能性はあると思います。
>私の場合、文字どおり、虫の居所が悪かったために、最上位の条約
>を見せて文句をいわれたのかも知れません。

ちょっと気になったので、東京国際郵便局のホームページ(http://www.pluto.dti.n
e.jp/~tokyoipo/index.html)を見てみました。

その結果、日本の郵便法と万国郵便連合条約で禁制品の記述に少し食
い違いがあることがわかりました。

<郵便法による規定>

 生きた動物(一部の条件付きで送れるものがあります。)

 *ショウジョウバエは( )内でOKということかも知れません。

<万国郵便連合条約による規定>

次の物を除く生きた動物。但し、保険付書状には次のものもいれる
 ことができない
 ・みつばち、水ひる及び蚕
・害虫の寄生虫及び捕食虫であって、害虫駆除の用に供し、かつ、
  公認の施設の間で交換するもの

ということだそうです。
--
布 山 喜 章 : 東京都立大学大学院理学研究科生物学教室
Yoshiaki FUYAMA : Dept. of Biology, Tokyo Metropolitan University
     e-mail : fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp


====================================
From: akomatsuアットマークresearch.twmc.ac.jp
Date: Thu, 10 Sep 1998 19:19:11 +0900
Subject: [Jfly] To send flies via FEDEX.


>あれおかしいな?もう昔のことになったので、記憶がうすれているのですが
>学術研究のためのキイロショウジョウバエの郵便での送付は正々堂々許され
>ていたと思います。郵便局職員でも知らない人が多いんですが、調べてくれ
>というと分厚い本を持ち出して、認めてもらったことがあります。同様な経
>験された方おられませんか?

私も記憶が薄れているのですが。アメリカから帰国するときにショウジョウバエを手
荷物で持ち込み、税関で見つからないように冷や冷やしたという話をしたら、ショウ
ジョウバエ(D. melanogaster)と大腸菌(E. coli)と線虫(C. elegans)は国際条
約でフリーパスだと言われたことがあります。誰からだったか忘れましたが。
ただし、郵便はまた別かも知れません。

小松 明
東京女子医科大学・医学部
第一生理学教室
〒162-8666 東京都新宿区河田町 8-1
Tel: 03-3353-8111 ext. 22323
Fax: 03-5269-7413
E-mail: akomatsuアットマークresearch.twmc.ac.jp


====================================
From: yhottaアットマークlab.nig.ac.jp
Subject: [Jfly] To send flies via FEDEX.
Date: Thu, 10 Sep 1998 19:27:30 +0900

>あれおかしいな?もう昔のことになったので、記憶がうすれているのですが
>学術研究のためのキイロショウジョウバエの郵便での送付は正々堂々許され
>ていたと思います。郵便局職員でも知らない人が多いんですが、調べてくれ
>というと分厚い本を持ち出して、認めてもらったことがあります。同様な経
>験された方おられませんか?
>

少なくとも20年前頃には日本の郵便局の規則に生物材料として郵便小包にて
送付可能なものとして「キイロショウジョウバエ」が決められていました。
本郷郵便局の窓口で押し問答をして、ついに局員が持ち出してきた分厚い規則
のなかに手書きで(!!)はっきりと書き込んであるのを発見して、郵便局員
を納得させたことがあります。

一方、宅急便経由で外国から送られてきた場合には、税関で全数調査(当時)
とかで空港まで取りに行かされたことが羽田と成田に一回ずつあり、それ以来
外国に依頼するときは Post Office Air Mail でと頼んでます。最近では
宅急便だって全数調査など不可能でしょうから、もう Out dated な意見かも
しれませんが、ご参考まで。

堀田凱樹 (ホッタ ヨシキ)
国立遺伝学研究所 所長・総合研究大学院大学 教授
〒411 静岡県三島市谷田 1,111
電話: (0559) 81-6700, FAX: (0559) 81-6701
E-mail: yhottaアットマークlab.nig.ac.jp


====================================
Date: Thu, 10 Sep 1998 22:37:42 +0900
From: mogamiアットマークbio.phys.s.u-tokyo.ac.jp (Kaname MOGAMI)
Subject: [Jfly] To send flies via FEDEX.

> 私も記憶が薄れているのですが。アメリカから帰国するときにショウジョウバエを手
> 荷物で持ち込み、税関で見つからないように冷や冷やしたという話をしたら、ショウ
> ジョウバエ(D. melanogaster)と大腸菌(E. coli)と線虫(C. elegans)は国際条
> 約でフリーパスだと言われたことがあります。誰からだったか忘れましたが。
> ただし、郵便はまた別かも知れません。

そうですね、郵便と税関は別かもしれませんが、私はハエ持って入出国したことは
なんどもあります。X線かけられるのがいやなので、ふろしきから出して研究用の
ハエですというと、そのまま通してくれます。一度日本の税関で本当に「キイロ」
ショウジョウバエでしょうね?他のショウジョウバエじゃないでしょうね。嘘つい
てもあとで論文書いたらばれますよ。ってしつこく念押されたことがあります。
(誰か悪い前例でも作ったのかしら?)

最上


====================================
Date: Fri, 11 Sep 1998 08:28:21 +0900
From: tmurataアットマークrtc.riken.go.jp (MuraTa, Riken Tsukuba)
Subject: [Jfly] To send flies via FEDEX.

村田アットマーク理研です。

布山さんが
>税関申告書には、"Fruit Fly" などという刺激的な言葉は避けます。
といわれるように、Fruit Fly=ミバエというのが税関では一般的なの
でしょうね。チチュウカイミバエの事なんかもありますから、害虫
としてのFruit Flyには神経を使っていると思います。
ですから、最上さんの
>一度日本の税関で本当に「キイロ」ショウジョウバエでしょうね?
>他のショウジョウバエじゃないでしょうね。嘘ついてもあとで論文
>書いたらばれますよ。ってしつこく念押されたことがあります。
というのも、害虫を持ち込む危険性を恐れてのことでは?

今回、ハエはシンガポールに送るのですが、郵便にすることにしま
した。このハエ達が無事相手国に入国できるかどうかはこちらの心配
することではないのでしょうが、郵送料をこちらもちで送る以上、
問題なく入国できるかどうかを相手に確かめてもらってから発送します。

村田 武英
305-0074 茨城県 つくば市 高野台 3-1-1
理化学研究所 ライフサイエンス筑波研究センター


====================================
Date: Fri, 11 Sep 1998 09:06:16 +0900
From: Kageyuki Yamaoka
Subject: [Jfly] To send flies via FEDEX.

Yoshiaki FUYAMA wrote:
> そういえば、キイロショウジョウバエを国外から入れるのはお構いな
> しになっていますが、植物防疫法やその施行細則など、いくら調べて
> も、そんなことはどこにも書いてないですよね。どうやら、内規のよ
> うなものがあるらしいのですが、植防は見せてくれません。
>

もう解決済みのようですが、税関での経験を一言。

私の場合も、しばしばUSAとの行き来でハエを持ち出し、持ち込みます。
USA(Los)でも、成田でも、「植物防疫」に直行します。実物を見せて
研究用のDrosophila melanogasterであることを口頭ではっきりと申告
します。

Losでは問題なくフリーパス。
成田では、どういう訳か、いつでも窓口が「奥のお偉いさん」に電話で
確認し、「念のため所属と氏名とをお教えください」と言うことになり、
「植物検疫済」、「品名:キイロショウジョウバエ」、「横浜植物防疫
所成田支所」、「日付」というシールを張ったうえで「ご苦労様です!」
と言って渡してくれます。

正々堂々と、正規に植物防疫を受ければ、少なくともUSAと日本(成田?)
の空港では問題なし、と言うことのようです。記念というか、後日の証拠
のために、植物検疫済みのシールは手元に保管しています。

****** Kageyuki Yamaoka e-mail: drosアットマークhakusrv.toyo.ac.jp ******
http://bunbun.toyo.ac.jp/shizen/yama/research.html
Natural Science Lab., Toyo Univ. Asaka Campus
2-11-10 Oka, Asaka, Saitama 351-8510, Japan
Phone: +(81)48-468-6631 & -6717; Fax: +(81)48-468-6790


====================================
Date: Fri, 11 Sep 1998 11:56:08 +0900
From: fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp (Yoshiaki FUYAMA)
Subject: [Jfly] To send flies via FEDEX.

At 08:28 09/11/98 +0900, MuraTa, Riken Tsukuba wrote:

>といわれるように、Fruit Fly=ミバエというのが税関では一般的なの
>でしょうね。チチュウカイミバエの事なんかもありますから、害虫
>としてのFruit Flyには神経を使っていると思います。
>ですから、最上さんの
>>一度日本の税関で本当に「キイロ」ショウジョウバエでしょうね?
>>他のショウジョウバエじゃないでしょうね。嘘ついてもあとで論文
>>書いたらばれますよ。ってしつこく念押されたことがあります。
>というのも、害虫を持ち込む危険性を恐れてのことでは?

いえ、そういうことではないと思います。最上さんが税関と書かれた
のは、植防のことですよね。

植防では、昔からキイロショウジョウバエはOK、その他のショウジ
ョウバエはダメという態度です。その根拠は、少なくとも一般人の目
に触れる形では存在しないことは、すでに述べた通りです。もし、何
らかの法的根拠があるならば、そこから”キイロ”の3文字を除けな
いものかと、いろいろ調べたことがあるのです。

植防の人に尋ねると、あくまでも種単位の指定だそうです。他の種に
拡張するには、その種が農作物に害のないことを証明する必要がある
そうです。どうやって証明するのかと尋ねると、そういうことを書い
た論文などがあれば考慮するということです。これは、無理難題とい
うものですよね。害があるという論文を書く人はいても、害がないな
んて論文をわざわざ書く人がいるとは思えませんから。

というわけで、キイロショウジョウバエ以外の種を正式に入れようと
すると、これは一大事です。まず、農林水産大臣の特別許可が必要に
なります。書類が膨大かつ面倒なのはいうまでもありませんが、問題
は特別な隔離施設が必要になることです。最低、2重扉が必要ですか
ら、恒温器でなんてわけにはいきません。

さて、めでたく許可が下りたとしても、それからが大変です。まず、
輸入の際に植防におもむき、成虫、幼虫、蛹がそれそれ何匹、卵が何
個(!)かを申告し、それが、台帳に記載されます。その後は、年に
1回立ち入り検査があり、施設がちゃんとしているか、ハエを完全に
殺処分しているかなどがチェックされます。また、最後は、植防の係
官の立ち会いの下で、焼却処分する必要があります。何しろ、「台帳」
に載っているので、この儀式が終了するまでは、無罪放免にはなりま
せん。

これから先は、大きな声では言えないことですので、どうしようかと
迷ったのですが、このあたりの事情をご存じない方も多いと思います
ので、皆様の良識を信頼して書くことにいたします。

植防の人も、大部分が農学部など、生物系の出身であり、キイロショ
ウジョウバエだけを特別扱いすることがあまり現実的でないことは承
知していると思います。しかし、何と言っても役所ですから、職務は
法律などの決まりに従わねばならないので、例えば、クロショウジョ
ウバエですと申告されて、OKを出すというわけにはいかないことは
理解できます。これは、あくまでもキイロですと主張すると、大抵は、
そう信じてくれるはずです。(ショウジョウバエの分類ができる係官
はおそらくいません)

以前、こういった事情を知らない人が、堂々とクロショウジョウバエ
と申告して、植防の係官を困らせたことがあります。成田から電話で
問い合わせがありましたので、キイロショウジョウバエにも色の黒い
突然変異がありますので、きっとそれではないですかと答えておきま
したが(^^;)

最上さんのケースは、このあたりの事情をよく承知している係官で、
あまり性格がよくないか、たまたま虫の居所の悪かった人に運悪く
巡り合ったのではないかと想像してます。

こういう話題が出たのをきっかけに、植防が準拠しているとみられる
内規あるいは通達から、何とか”キイロ”の3文字を除くよう知恵を
集められたらと思います。貿易の障壁の一つとして、植防がやり玉に
上げられ、諸外国の圧力で、害虫に関する規制が大幅に緩和されたば
かりでもあり、今が一つのチャンスではないでしょうか。

長くなりました。


布 山 喜 章 : 東京都立大学大学院理学研究科生物学教室
Yoshiaki FUYAMA : Dept. of Biology, Tokyo Metropolitan University
     e-mail : fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp


====================================
Date: Fri, 11 Sep 1998 14:29:02 +0900
From: mogamiアットマークbio.phys.s.u-tokyo.ac.jp (Kaname MOGAMI)
Subject: [Jfly] To send flies via FEDEX.

> 最上さんのケースは、このあたりの事情をよく承知している係官で、
> あまり性格がよくないか、たまたま虫の居所の悪かった人に運悪く
> 巡り合ったのではないかと想像してます。

私があまりにあやしく見えたのかも。

そうするとやはり melanogaster 以外を扱っていらっしゃる方は
たいへん苦労しているわけですね。(他の国はどうなんだろう?)
これはショウジョウバエ研究会全員の署名に遺伝研所長とショウ
ジョウバエ研究会代表と遺伝学会会長と(あとなんかあったっけ)
あたりが連名で要望書を出すとかしないと解決しないかもしれませ
んね。

布山さんが文面を考えて、次の研究集会で署名をつのるなんてのは
いかがでしょう。

最上


====================================
Date: Fri, 11 Sep 1998 17:03:30 +0900
From: fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp (Yoshiaki FUYAMA)
Subject: [Jfly] To send flies via FEDEX.

自己フォローです。

先ほどの記事を送った後で、改正後の植物防疫法(平成9年4月1日
施行)を一度もみていないことに気がつき、もしやと思って調べたと
ころ、これが、想像以上に大幅に改正されていることがわかりました。
外圧恐るべしです。といっても、ショウジョウバエの輸入条件が緩和
されたのかどうかは、いま一つ定かではありません。

何分にも法律は素人ですので、解釈に間違いがある可能性があります。
できれば、詳しい方の協力をお願いできればありがたいです。以下、
少し長くなりますが、関係する部分の要点を紹介します。

まず、法律の第2条で「有害動物」が定義されています。

 有害動物とは、昆虫、だに等の節足動物、線虫その他の無脊椎動物
 又は脊椎動物であって、有用植物を害するものをいう

*旧法律が、植物を食べる動物という大雑把な定義であったことから
 みると、大違いです。「害するおそれのあるもの」となっていない
 ことから、うまくすれば、この段階でショウジョウバエが外せるこ
 とも期待できます。(これは希望的観測です)

第7条に輸入禁止の規定があり、ショウジョウバエは、第二項の「検
疫有害動植物」というのに該当すると思います。

「検疫有害動植物」は、第5条で規定されており、
 
 まん延した場合に有用な植物に損害を与えるおそれがある有害動物
 又は有害植物であって、次の各号のいずれかに該当するものとして
 省令で定めるものをいう
 一、国内に存在することが確認されていないもの
 二、既に国内の一部に存在しており、かつ、国により発生予察事業
   その他の防除に関し必要な措置がとられているもの
 三、省略(政令の制定に公聴会が必要とされている)

第5条でいう省令は、実際には植物防疫法施行規則に委任されており、
その第5条の二に以下のように定められています。

 検疫有害動植物は次に掲げるもの以外の有害動物又は有害植物とする
                
とあって、以下、約30種の動物の名前が列挙されています。大部分は
昆虫ですが、オカダンゴムシなんてのも入っています。このリストには、
残念ながらショウジョウバエは入っておりません。載っている動物がど
ういう性質のもので、なぜ入ったのか私にはわかりません。虫に詳しい
方、できればみて教えて下さい。

なお、動物のリストは全て種名指定ですが、植物の場合は、アスペルギ
ルス属やペニシリウム属など、属指定のものがあります。

*ということで、国内に産するショウジョウバエは「検疫有害動植物」
 に該当しない可能性がありますが、私の解釈では、施行規則のリスト
 に載せられている必要があると思います。

余談ですが、最近、デパートなどで、生きた外国産カブトムシなどが展
示されているのは、法律第7条(輸入の禁止)のただし書きで、

 ただし、試験研究の用その他省令で定める特別の用に供するため農林
 水産大臣の許可を受けた場合はこの限りでない

とあり、施行規則に博物館などにおける標本の展示や保管が入っている
ことから、輸入許可が出るようになったためのようです。

ご参考まで。

布 山 喜 章 : 東京都立大学大学院理学研究科生物学教室
Yoshiaki FUYAMA : Dept. of Biology, Tokyo Metropolitan University
     e-mail : fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp