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haplo-insufficiencyのある系統のmutant箇所の同定
From: akiyamaアットマークazabu-u.ac.jp
Date: Thu, 1 Apr 1999 11:17:11 +0900 (JST)
Subject: [Jfly] haplo_insufficiency
jflyの皆様、
トランスポゾン挿入ではなく、致死でもない第2染色体上のmutantを、
Deficiencyを使って染色体上の位置を決めようとしています。調べた
いDeficiencyの系統はhaplo-insufficiencyの遺伝子があるので、X染
色体に第2からその部分の転座があります。
この場合、mutantの♀に対してDeficiencyの♂を交配し、希に出現す
るであろうDeficiency/mutantの♂の表現型を見ればよいのでしょうか。
成虫で表現型を確認したいのですが。何かご存じのことがありましたら、
アドバイスをお願いいたします。
調べたいDeficiencyはBloomingtonの3813番で、genotypeは、
Df(2L)sc19-4/In(2L)Cy[L]t[R] In(2R)Cy, Cy[1] Roi[1] cn[2] sp[2] (or[*]);
Tp(2;1)B19, y[1] ac[1] sc[1] pn[1] ed[1] dp[o2] cl[1]
です。
秋山孝洋 麻布大学細胞生物学研究室
〒229-8501
相模原市淵野辺1-17-71
042-769-1947
042-754-7661(FAX)
akiyamaアットマークazabu-u.ac.jp
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Date: Thu, 1 Apr 1999 13:38:54 +0900
From: Tomokazu Ohshiro
Subject: [Jfly] haplo_insufficiency
Df(2L)sc19-4 ではありませんがDf(2L)sc19-5の場合、
Dp(2;1)B19/+; Df(2L)sc19-5/バランサー はviable でしたが、
+/Y; Df(2L)sc19-5/バランサー の成虫は全く出てきませんでした (ボトル
一本まるまる見て)。
つまりこの辺りのゲノム領域は最低2コピーないと生ま
れてこれないとおもいます。Df(2L)sc19-3, Df(2L)sc19-6も同様だったと
記憶しています。近くにMinuteが2個もあるので、ものすごく好条件でないと
haplo では成虫にまでなれないかも知れません。
大城
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Date: Thu, 1 Apr 1999 15:12:25 +0900
From: fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp (Yoshiaki FUYAMA)
Subject: [Jfly] haplo_insufficiency
秋山様
At 11:17 04/01/99 +0900, akiyamaアットマークazabu-u.ac.jp wrote:
>トランスポゾン挿入ではなく、致死でもない第2染色体上のmutantを、
>Deficiencyを使って染色体上の位置を決めようとしています。調べた
>いDeficiencyの系統はhaplo-insufficiencyの遺伝子があるので、X染
>色体に第2からその部分の転座があります。
転座領域には、まず間違いなく問題とする遺伝子の野生型対立遺伝子
が含まれているでしょうから、結構な難問ですね。
>この場合、mutantの♀に対してDeficiencyの♂を交配し、希に出現す
>るであろうDeficiency/mutantの♂の表現型を見ればよいのでしょうか。
>成虫で表現型を確認したいのですが。
稀に出現する雄は、Tp(2;1)を持つX0雄にコーヒー1杯賭けます(^^;)
>調べたいDeficiencyはBloomingtonの3813番で、genotypeは、
>Df(2L)sc19-4/In(2L)Cy[L]t[R] In(2R)Cy, Cy[1] Roi[1] cn[2] sp[2] (or[*]);
>Tp(2;1)B19, y[1] ac[1] sc[1] pn[1] ed[1] dp[o2] cl[1]
>です。
問題の突然変異系統をC(1)DX/Y雌にして、Tp(2;1)/Y;Df(2L)/Balancer
雄にX線を照射してから交配し、F1のうちで、ed、dp、clのどれかが消
失した個体(つまり、新たな欠失)を拾うといった荒業しか思い浮かび
ません。これで、haplo-insufficent locusからうまいこと切り放せるか
どうかわかりませんが。
--
布 山 喜 章 : 東京都立大学大学院理学研究科生物学教室
Yoshiaki FUYAMA : Dept. of Biology, Tokyo Metropolitan University
e-mail : fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp
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From: akiyamaアットマークazabu-u.ac.jp
Date: Thu, 1 Apr 1999 16:29:45 +0900 (JST)
Subject: [Jfly] haplo_insufficiency
大城様、布山様、
貴重な御意見ありがとうございます。
> Df(2L)sc19-4 ではありませんがDf(2L)sc19-5の場合、
> Dp(2;1)B19/+; Df(2L)sc19-5/バランサー はviable でしたが、
> +/Y; Df(2L)sc19-5/バランサー の成虫は全く出てきませんでした (ボトル
> 一本まるまる見て)。
先のメールより少し詳しく書きますと、Df(2L)sc19-4と交配した時に数本のバ
イアルから2匹ほどDeficiency/mutanat ?という成虫が出て期待している表現型
のようなものが見られました。そこで交配をスケールアップしようと思い、大
ビンで交配したところ全くDeficiency/mutanat ?という成虫が出なくなりまし
た。そこでhaplo-insufficiencyのDeficiencyを使うときは何か特別なテクニッ
クがあるのかと思ってメールした次第です。
再現性がないので前の結果がまゆつばとも思えるのですが、しいて考えると、
後の交配の方が幼虫の密度が高かったように思われ、低密度で交配すればいい
のかとも思うのですが。
> 稀に出現する雄は、Tp(2;1)を持つX0雄にコーヒー1杯賭けます(^^;)
この場合はyなどの劣性マーカーが検出できるように思います。
> (つまり、新たな欠失)を拾うといった荒業しか思い浮かび
> ません。
なんとか穏便にいきたいのですが。Minuteのハエをなるべく成虫までもってい
く温度条件とかエサの添加物などはないものでしょうか。
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秋山孝洋 麻布大学細胞生物学研究室
〒229-8501
相模原市淵野辺1-17-71
042-769-1947
042-754-7661(FAX)
akiyamaアットマークazabu-u.ac.jp
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Date: Thu, 1 Apr 1999 17:04:33 +0900
From: "YAMAMOTO, Masa-Toshi"
Subject: [Jfly] haplo_insufficiency
>
> なんとか穏便にいきたいのですが。Minuteのハエをなるべく成虫までもってい
> く温度条件とかエサの添加物などはないものでしょうか。
いぜんX染色体上のhaplo-insufficiencyを見ていた時のことですが、幼虫の密度が
高いと羽化する率は極端に低くなります。かといってあまりに密度が低いとまた羽化
率は低下します。この当たりの兼ね合いは難しいですが、飼育びんは大きいものより
小さいものを使用した方が管理は楽でしょう。また温度は低めで、20〜22度で飼
育して見て下さい。
山本雅敏(京都工芸繊維大学)
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From: akiyamaアットマークazabu-u.ac.jp
Date: Thu, 1 Apr 1999 23:49:35 +0900 (JST)
Subject: [Jfly] haplo_insufficiency
山本様、
> いぜんX染色体上のhaplo-insufficiencyを見ていた時のことですが、幼虫の密度が
> 高いと羽化する率は極端に低くなります。かといってあまりに密度が低いとまた羽化
> 率は低下します。この当たりの兼ね合いは難しいですが、飼育びんは大きいものより
> 小さいものを使用した方が管理は楽でしょう。また温度は低めで、20〜22度で飼
> 育して見て下さい。
具体的なアドバイスありがとうございます。ご指摘の点に注意して交配を試みてみます。
今回、お返事を頂いた3人の方々に深く感謝いたします。
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秋山孝洋 麻布大学細胞生物学研究室
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