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飼育室のカビ対策
Date: Fri, 12 Jan 2001 11:46:03 +0900
From: Akira Komatsu
Subject: [Jfly] カビ対策
小松@東京女子医大です。
カビの対策についてお尋ねします。当方の飼育室兼実験室がカビ等に汚染されました
。皆様はカビ対策はどのようにしていらっしゃいますでしょうか?そんなこと起こっ
たことがないので、考えたこともないという幸せな方が多いと思いますが...。当方
の飼育室は換気がよくないなど、あまり飼育にはいい条件の部屋ではないのです。気
がついたら、エアコンからの空気が降りるところに黒いカビ(風呂場などに生えるや
つ)が生えて来てしまいました。エアコン自体が汚染されているので、エアコンの清
浄を頼みましたが(水洗するのだそうです)、部屋全体がかなり汚染されているとみ
られます。
そこで質問は2つ:1)汚染された部屋をクリーンにするにはどうすればよいか?2
)クリーンに保つためにはどうすればよいか?
1)については、どうしてよいか全く分からない。昔、養蚕農家では病気が発生する
のを防ぐために毎年シーズン前にホルマリン薫蒸というのをやっていました。今、カ
ビが目でみえるところはカビキラーを吹き付けたり、キャビネットやテーブルの上等
は逆性石鹸で消毒っしたりしているのですが...。
2)に関して今こちらで考えていることは、空気清浄機を購入して空気中に飛散して
いる胞子の量を減らすことくらいです。普段エサ替えのときには、エサ替えの後テー
ブルの上を逆性石鹸で消毒しています。
よろしく、お知恵をください。
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小松 明
東京女子医科大学・医学部・第一生理
郵便番号:162-8666
東京都新宿区河田町8−1
電話:03-3353-8111 ext.22322, 22323
FAX: 03-5269-7413
e-mail: akomatsuアットマークresearch.twmu.ac.jp
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Date: Fri, 12 Jan 2001 12:28:07 +0900
From: "ITO, Kei"
Subject: [Jfly] カビ対策
At 11:46 AM +0900 2001.1.12, Akira Komatsu wrote:
> カビの対策についてお尋ねします。当方の飼育室兼実験室がカビ等に汚染されました。
確認ですが、これはバイアルの中のエサがカビに汚染されるということでは
なくて、飼育室の壁などが汚染される、ということですよね?部屋の湿度は
どれくらいでしょうか?
いとう
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Date: Fri, 12 Jan 2001 12:43:26 +0900
From: Akira Komatsu
Subject: [Jfly] ウィルス対策
また、小松@東京女子医大です。
共通した問題があるかもしれませんが、一応分けた方が良さそうなので、Subject を
別にしました。昨年 Dr. Jay Hirsh (Univ. Virginia) が来て、私のストックの一部
を持って帰って、それにウィルスが感染していることを知らせてきました。そのメー
ルの一部を下にペーストします。
JFly の Archives を見たところ、ウィルス対策の項がなかったので、アップしても
良い話題だと思いましたので、メールします。Tully の 対策も下にペーストしてお
きます。皆様の中で経験者がありましたら、どうしたかお知らせいただければ参考に
しますので、よろしくお願いいたします。
イヤー、私のストックはいろいろ問題がありそうですね!!
J. Hirsh's mail:
Your flies are showing phenotypes of short lifespan and lots of
black pupae. Tully has described this phenotype as due to high
levels of infection by DCV, an RNA virus. He recommends a bleach
dechorionation treatment to decontaminate stocks. I'll attach an
unpublished (I think) writeup from Tully. They had a severe
infestation that precluded adult behavioral analyses.
T. Tully's protocol:
Dechorionation protocol
The effectiveness of dechorionation in the control of DCV infections has
been well documentd ( ). In an attempt to quantitate this control measure,
and, in part, to explain the observation that dechorionated, "clean" stocks
exhibit measurable DCV infection levels, 2 dechorionation procedures were
examined.
The first procedure used a standard 15min dechorionation in 50% bleach
followed by several rinses in sterile deionised water. The second protocol
used a 20-30min bleaching with agitation every 5mins, followed by 2-3
sterile deionised water rinses, a further 20-30min bleaching followed by 4-5
sterile deionised water rinses. Eggs were examined microscopically for the
presence of larvae, then deposited onto standard glucose-agar food in
polypropylene bottles. Following each of these procedures, approximately
50-100 eggs were assayed for the presence of DCV using the RT-PCR method
described earlier.
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小松 明
東京女子医科大学・医学部・第一生理
郵便番号:162-8666
東京都新宿区河田町8−1
電話:03-3353-8111 ext.22322, 22323
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e-mail: akomatsuアットマークresearch.twmu.ac.jp
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Date: Fri, 12 Jan 2001 12:54:48 +0900
From: Akira Komatsu
Subject: [Jfly] カビ対策
At 0:28 PM +0900 01.1.12, ITO, Kei wrote:
> At 11:46 AM +0900 2001.1.12, Akira Komatsu wrote:>
> カビの対策についてお尋ねします。当方の飼育室兼実験室がカビ等に汚染されました。
> 確認ですが、これはバイアルの中のエサがカビに汚染されるということでは
> なくて、飼育室の壁などが汚染される、ということですよね?部屋の湿度は
> どれくらいでしょうか?
>
> いとう
ハイ、基本的には飼育室が汚染された、という問題です。部屋の湿度はコントロール
されていないので、夏と冬とでは湿度は変わります。昔湿度を測ったことがあるので
、それを探せば当時の湿度は分かるのですが、今は特別測っていない。(飼育してい
るなら、温湿度くらい測れ!としかられそう)。夏になると、バイアルの中のエサが
カビに汚染されます。夏は1つのバイアル中に長く飼っておくことはできないので、
早めにエサを替えています。
...といった状況です。
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小松 明
東京女子医科大学・医学部・第一生理
郵便番号:162-8666
東京都新宿区河田町8−1
電話:03-3353-8111 ext.22322, 22323
FAX: 03-5269-7413
e-mail: akomatsuアットマークresearch.twmu.ac.jp
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Date: Fri, 12 Jan 2001 13:49:15 +0900
From: "ITO, Kei"
Subject: [Jfly] カビ対策
At 12:54 PM +0900 2001.1.12, Akira Komatsu wrote:
> ハイ、基本的には飼育室が汚染された、という問題です。部屋の湿度はコントロール
> されていないので、夏と冬とでは湿度は変わります。
異常乾燥注意報が出るような冬場にガンガン暖房しているわけですから、
あまり湿度は高くはないと思うのですが、夏にはかなり上がる可能性も
あります。25度の部屋に比べ、18度の部屋は湿度が上がりやすいみた
いです。温湿度の自記記録計をひとつ部屋に置いておくと、深夜に起き
た温度以上のトラブルなども分かるので便利ですからお勧めしますが、
数万円するのが難点ですね。乾湿球式の湿度計は安いですから、ひとつ
買って壁にぶら下げておくとよろしいと思います。
飼育室の湿度は、60〜80%がハエには暮らしやすいと何かの本に書い
てありましたが、そんなにするとカビがものすごくなるので、40〜60%
で良いようです。20〜40%だと、エサの乾燥が早すぎて、弱いハエに
はつらいです。うちのメインの飼育室は、試行錯誤のすえ、19℃、
45-50%にしています。(18℃でなく19℃にすることで、弱いハエを
ちょっと飼いやすくしたつもりです。世代時間やトランスファー間隔は、
実用上18℃と変わりません。)
あとは、いちど生えたカビをなるべく完璧に除去することと、なるべく
換気を良くすること、でしょうか。換気は、エーテル蒸気や炭酸ガスな
ど人間にも有害なものを部屋に溜めないためにも、かなり気を使った方
がいいかと思います。前にも書きましたが、温度差が大きいときは「ロ
スナイ」という換気装置が有効です。
> 夏になると、バイアルの中のエサが
> カビに汚染されます。夏は1つのバイアル中に長く飼っておくことはできないので、
> 早めにエサを替えています。
これも、湿度が高いと汚染されやすいですね。また、カビに汚染された
バイアルから、周囲のバイアルにカビが広がっていくようなので、汚染
されて居るものと居ないものは、なるべく場所を分けた方がいいかも、
です。
ダニやウィルスにやられたハエは、別メールにあったようにbleachで洗
うのが良いのですが、洗った直後のストックは弱く、エサのカビが殖え
やすいようで、これはいつも困ってます。。。
いとう
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Date: Fri, 12 Jan 2001 18:02:28 +0900
From: tmurataアットマークrtc.riken.go.jp (Murata, RIKEN Tsukuba)
Subject: [Jfly] カビ対策
村田@理研です。
> ハイ、基本的には飼育室が汚染された、という問題です。部屋の湿度はコントロール
> されていないので、夏と冬とでは湿度は変わります。
うちもバイアルや綿栓がカビたことがあります。それも温度管理がされた24度の
インキュベータのなかです。当初は「水とりぞうさん」などの除湿剤を入れていた
のですが、結局は、バイアルをインキュベータの外に出しました。そして、スチール
製の下駄箱をハエ用の棚として使っています。それでもギッチリバイアルを並べると
カビがくるので、すき間を開けています。
うちのハエ部屋は恒温室ではなく通常の実験室で、夏冬ともに備え付けのエアコンは
冷房になっています。そのうえで、家庭用のエアコンを設置し、夏は除湿、冬は暖房
にしています。夏の雨の日には湿度が70%くらいになります。ですから、なるべく
洗い物をためないように、とにかく水を放置しないようにしていますが、冬は乾燥す
るので、バケツに蒸留水(そうでないと水のなかにネバッとしたものがわいてくる)
をためて加湿しています。
さて、カビたバイアルですが、幸い中にはカビが侵入していなかったので、胞子が
飛ばないようにバイアルの外側を70%アルコールで湿らせたあと通常通り餌代えを
してカビから逃げました。
//
Takehide MuraTa Ph. D.
e-mail: tmurataアットマークrtc.riken.go.jp
fax: +81-298-36-9120; phone: +81-298-36-3612
personal HP: http://www.geocities.co.jp/Technopolis/2002/
Tsukuba Institute, RIKEN
Tsukuba Science City, Ibaraki 305-0074, Japan.
>>>> Japanese Address <<<<
村田 武英 (研究員)
305-0074 茨城県 つくば市 高野台 3-1-1
理化学研究所 筑波研究所
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