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EP挿入突然変異における原因遺伝子の特定


Date: Wed, 25 Jul 2001 09:50:05 +0900
From: "ANBUTSU, Hisashi"
Subject: [Jfly] EP挿入突然変異における原因遺伝子の特定

産業技術総合研究所の安佛です。
EP挿入系統を使ったスクリーニングについて,教えていただきたいことがあります。

現在,私はEP&Gal4系統を使った強制発現タイプのスクリーニングを行っています。
そこで教えていただきたいのですが,期待される突然変異体が得られた場合,
原因遺伝子の特定は一般的にどのような手順でおこなわれるのでしょうか?
とくに,EP挿入部位の遺伝子の機能喪失による表現型ではなく,EP因子下流の
遺伝子の強制発現による表現型であった場合に,どうやって下流にある遺伝子の
なかから,実際に表現型に関与している遺伝子を特定すればよいのでしょうか。

初歩的な質問で申し訳ありません。
御教授のほど,よろしくお願いいたします。


安佛 尚志
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産業技術総合研究所 つくば中央第六事業所
生物遺伝子資源研究部門 生物資源情報基盤研究グループ
〒305-8566 茨城県つくば市東1-1-1 中央第6
E-mail: h-anbutsuアットマークaist.go.jp *アドレスが変わりました
Tel. 0298-61-6087 Fax. 0298-61-6080
(独立行政法人化に伴い2001年4月1日より名称が変わりました)
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From: Hirotaka Kanuka
Date: Wed, 25 Jul 2001 11:20:34 +0900
Subject: [Jfly] EP挿入突然変異における原因遺伝子の特定

嘉糠@理研です。
当チームで上手くいっている方法を簡潔に。

↓inverse PCRで挿入ポジションを決める
↓GadFlyなどのデータベースで遺伝子の見当をつける

方法1:遺伝子の全長を手に入れ、UASでトランスジェニックを作成する。表現型が同じGAL4ドライバーで再現されればOK。
方法2:遺伝子の部分配列を用いて、パリンドローム型dsRNAのUASトランスジェニックを作成する。EP強制発現による表現型が、同じGAL4ドライバーで抑制されればOK。
方法3:S2細胞などで機能アッセイ系が確立されていれば、遺伝子の全長を発現させることによる同定も可能。

細かいメリット・デメリットは多かれ少なかれ存在しますが、どの方法でも成功例を持っています。細かいご質問は直接どうぞ。


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嘉糠洋陸 [Hirotaka Kanuka]
kanukaアットマークbrain.riken.go.jp
理化学研究所 脳科学総合研究センター
細胞修復機構研究チーム
〒351-0198埼玉県和光市広沢2-1
TEL:048-467-6945 FAX:048-467-6946
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