| Jfly ディスカッション |
Discussion Menu | Jfly Japanese Home Page | Jfly English Home Page
maxillary palp の和名?
Date: Thu, 28 Feb 2002 11:10:20 +0900
Subject: [Jfly] maxillary palpの和名
From: Masahiko Sakaguchi
maxillary palpの和名を御存じの方は教えていただけないでしょうか?
昔ある本で小顎鬚(小さいあごひげ)と書いてあったような気がするのですが、
定かでなく、また一般的なのかどうか。
--------------------------------------
〒380−8544長野市西長野
信州大学教育学部生物
坂口雅彦
tel:026−238−4124
e-mail:biologyアットマークgipwc.shinshu-u.ac.jp
http://biology.shinshu-u.ac.jp
Masahiko Sakaguchi, Ph.D.
Shinshu Univ. Fac. Edu.
Nishinagano, Nagano 380-8544
Japan
--------------------------------------
************************************
Date: Thu, 28 Feb 2002 12:04:28 +0900
From: Yusuke Uchiyama
Subject: [Jfly] maxillary palpの和名
内山@京大農学研究科です。
岩波の生物学辞典ではそれでOKです。ご参考にしてくだされば幸いです。
内山 有祐
京都大学農学研究科昆虫生理学分野
************************************
Date: Thu, 28 Feb 2002 12:05:02 +0900
From: fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp (Yoshiaki FUYAMA)
Subject: [Jfly] maxillary palpの和名
坂口様
At 11:10 02/28/02 +0900, Masahiko Sakaguchi wrote:
故岡田豊日先生の書かれたものでは、「小顎蝕鬚」となっています。
この道の権威が書かれたことですから、こちらが正式だと信じます。
--
布 山 喜 章 : 東京都立大学大学院理学研究科生物学教室
Yoshiaki FUYAMA : Dept. of Biology, Tokyo Metropolitan University
e-mail : fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp
************************************
Date: Thu, 28 Feb 2002 15:23:05 +0900
Subject: [Jfly] maxillary palpの和名
From: Daisuke Yamamoto
昆虫学では小顎鬚が定訳と思います。小顎蝕鬚のほうが厳めしい感じがするので、今
度はこっちを使ってみようか、なんて考えてますが。
山元大輔
--
Daisuke YAMAMOTO, Ph.D.
Professor of Genetics
School of Human Sciences
Waseda University
2-579-15 Mikajima, Tokorozawa,
Saitama 359-1192
Japan
Phone: +81-42-947-6731
FAX: +81-42-947-9363
************************************
Date: Thu, 28 Feb 2002 15:57:17 +0900
From: "ANBUTSU, Hisashi"
Subject: [Jfly] maxillary palpの和名
坂口様,布山様,山本様
産総研の安佛です。
私は以前カミキリムシの研究をしていたのですが,そのときはずっと「小腮鬚」と呼
んでいました。これまでのレスではこの名前がでてきていませんが,あまり一般的で
はないのでしょうか?
安佛 尚志
==========================================
産業技術総合研究所 つくば中央第六事業所
生物遺伝子資源研究部門 生物資源情報基盤研究グループ
〒305-8566 茨城県つくば市東1-1-1 中央第6
E-mail: h-anbutsuアットマークaist.go.jp
Tel. 0298-61-6087 Fax. 0298-61-6080
==========================================
************************************
Date: Thu, 28 Feb 2002 16:02:34 +0900
From: "ANBUTSU, Hisashi"
Subject: [Jfly] お詫び
産総研の安佛です。
先程のメールで,山元先生の名前を「山本」と誤ってしまいました。
申し訳ありませんでした。
安佛 尚志
==========================================
産業技術総合研究所 つくば中央第六事業所
生物遺伝子資源研究部門 生物資源情報基盤研究グループ
〒305-8566 茨城県つくば市東1-1-1 中央第6
E-mail: h-anbutsuアットマークaist.go.jp
Tel. 0298-61-6087 Fax. 0298-61-6080
==========================================
************************************
Date: Thu, 28 Feb 2002 16:22:44 +0900
From: "ITO, Kei"
Subject: [Jfly] maxillary palpの和名
小顎鬚、小顎蝕鬚
それぞれなんて読むんでしょう?「小さいあごひげ」じゃないですよね。
漢字博士コンテストに出題できそうな・・・。
いとうκ
************************************
Date: Thu, 28 Feb 2002 16:42:04 +0900
From: fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp (Yoshiaki FUYAMA)
Subject: [Jfly] maxillary palpの和名
山元様 坂口様 安佛様
At 15:23 02/28/02 +0900, Daisuke Yamamoto wrote:
>昆虫学では小顎鬚が定訳と思います。小顎蝕鬚のほうが厳めしい感じがするので、今
>度はこっちを使ってみようか、なんて考えてますが。
厳めしい感じがするといわれて、あれっと思って見直したら、字が間違
っていました。「小顎触鬚」のつもりでした。訂正します。
#目またはその奥がだいぶ蝕まれているようです(^^ゞ
ついでに、昆虫屋さんのところでちょっと調べてきました。
安佛さんのおっしゃるとおり、昔は、「小腮鬚」と書かれたようです。
(素木外「昆虫学辞典」、北隆館「昆虫大図鑑」など)
その後、腮という字が第2水準に入ってしまったので、代わりに「小顎鬚」
が使われるようになったようです。
さらに新しい本(平嶋外「昆虫分類学」、1989年刊)では、「小顎肢」に
なっています。
という次第で、なんでもありという感じです。ただし、「小顎触鬚」という
のは岡田先生が書かれた本(森脇編「ショウジョウバエの遺伝実習」以外に
は見当たりませんでした。おそらく、pulpusの訳として、「鬚」とするのは
抵抗があり、「触鬚」とされたのだと想像します。
--
布 山 喜 章 : 東京都立大学大学院理学研究科生物学教室
Yoshiaki FUYAMA : Dept. of Biology, Tokyo Metropolitan University
e-mail : fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp
************************************
Date: Thu, 28 Feb 2002 16:52:01 +0900
From: nikiアットマークmito.ipc.ibaraki.ac.jp (Yuzo Niki)
Subject: [Jfly] maxillary palpの和名
産総研の安佛さま。
昆虫類の比較発生のグループでは、「小腮鬚」の名称を統一的に使っています。
安藤裕『昆虫発生入門』
団勝磨・関口晃一・安藤裕・渡邊浩編『無脊椎動物の発生』など。
因みにわたしは、「小腮鬚」「小顎鬚」「小顎蝕鬚」ともにどう読めばいいか
分かりません。
****************************************
Yuzo Niki
Department of Materials and Biological Sciences
Faculty of Science
Ibaraki University
Mito, Ibaraki 310-8512
JAPAN
Telephone: 81-29-228-8380
Facsimile: 81-29-228-8380
E-mail: nikiアットマークmito.ipc.ibaraki.ac.jp
************************************
Date: Thu, 28 Feb 2002 17:22:37 +0900
From: nikiアットマークmito.ipc.ibaraki.ac.jp (Yuzo Niki)
Subject: [Jfly] maxillary palpの和名
布山様、
以下の用語ともにgoogleでひっかかりました。
ショウサイシュ「小腮鬚」
ショウガクシュ「小顎鬚」
ショウガクシ「小顎肢」
****************************************
Yuzo Niki
Department of Materials and Biological Sciences
Faculty of Science
Ibaraki University
Mito, Ibaraki 310-8512
JAPAN
Telephone: 81-29-228-8380
Facsimile: 81-29-228-8380
E-mail: nikiアットマークmito.ipc.ibaraki.ac.jp
************************************
Date: Thu, 28 Feb 2002 17:28:43 +0900
Subject: [Jfly] maxillary palpの和名
From: Daisuke Yamamoto
安佛様
そうでした。小腮鬚。こっちの字を昆虫学は使いますね。
山元
************************************
Date: Thu, 28 Feb 2002 17:47:48 +0900
From: "ITO, Kei"
Subject: [Jfly] maxillary palpの和名
> は見当たりませんでした。おそらく、pulpusの訳として、「鬚」とするのは
20世紀後半から21世紀にかけてのこの時期には、ショウジョウ
バエの部位名が、ラテン語からその英訳に移行する中間期みたい
で、英語文献でも両方出てきますね。
palpus はラテン語の単数形で、その場合は複数形は palpi。
palp は英語の単数形で、その場合は複数形は palps。
個眼など、単数が ommatidium、複数が ommatidia ですが、
後者を単数形だと思ってしまうのか、ommatidias とか、ラテ
ン語ふうに語尾変化させて ommatidiae とか言うのも聞いたこ
とがあります。データがたくさんあるときに datas と言っちゃ
うのと同じ間違い。
学会発表などで混乱してる例も見かけるので、念のために。
漢字の読み方は、辞書ひいてみたら、
腮 がく
触 しょく
顎 がく
鬚 しゅ
みたいですので、
「小腮鬚」 しょうがくしゅ
「小顎鬚」 しょうがくしゅ
「小顎触鬚」しょうがくしょくしゅ
なのでしょうか?
いとうκ
************************************
Date: Thu, 28 Feb 2002 18:30:32 +0900
From: fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp (Yoshiaki FUYAMA)
Subject: [Jfly] maxillary palpの和名
伊藤様
ちょっと便利な漢字辞典のサイト
http://www.inv.co.jp/~yoshio/DW/Kanji/Kanji.htm
によると、「腮」には「サイ」の読みしか出ていません。意味としては、
顎(あご)と鰓(えら)の両方があるようですが。
また、「鬚」には、「シュ」と「ス」の二通りが出ています。ちなみに、
カシオの電子手帳の漢字辞典によれば、「シュ」でも「ス」でもなく、
「シ」だそうです(*_*)
そもそも、正解ってのはあるんですかね?
なお、アリ類の画像データベースでは、「小顎鬚」を使っており、読み
は「コアゴヒゲ」としています。これなら文句なしですね。
--
布 山 喜 章 : 東京都立大学大学院理学研究科生物学教室
Yoshiaki FUYAMA : Dept. of Biology, Tokyo Metropolitan University
e-mail : fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp
************************************
Date: Thu, 28 Feb 2002 18:35:01 +0900
From: "Yamaoka, K."
Subject: [Jfly] maxillary palpの和名
東洋大の山岡です。
私も学生時代からmaxillary palp(us)の訳語としては小腮鬚を教えられ、
自らも使用してきました。昆虫学辞典(素木得一編、北隆館)でもこの
語を採用しています。
ちなみに、Labrum(上唇)、Mandible(大腮)、Maxille(小腮)、
Labium(下唇)が、私の学生時代の用語でしたが、近頃の初等中等教育
の現場では、Mandibleは大あご、Maxilleは小あごですから、小顎鬚も
あり、かとは思いますが・・・・。少し古い世代に属する者ですが、参
考まで。
************************************
Date: Thu, 28 Feb 2002 19:18:13 +0900
From: fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp (Yoshiaki FUYAMA)
Subject: [Jfly] maxillary palpの和名
仁木様 皆様
At 17:22 02/28/02 +0900, Yuzo Niki wrote:
> 以下の用語ともにgoogleでひっかかりました。
> ショウサイシュ「小腮鬚」
> ショウガクシュ「小顎鬚」
> ショウガクシ「小顎肢」
文部省学術用語集動物学編にちゃんと出ていました。それによれば、
小顎肢(ショウガクシ)を用いるべしとのことです。しがって、少な
くとも教科書ではこの用語を使わないと検定に通りません。(まさか、
教科書に出てくるとは思いませんが。。。)
平嶋外の「昆虫分類学」はこれに従ったものとみました。
--
布 山 喜 章 : 東京都立大学大学院理学研究科生物学教室
Yoshiaki FUYAMA : Dept. of Biology, Tokyo Metropolitan University
e-mail : fuyama-yoshiakiアットマークc.metro-u.ac.jp