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バイオリソース:NP Gal4系統公開
From: "Shigeo Hayashi"
Subject: [Jfly] Gal4系統公開
Date: Thu, 5 Sep 2002 22:57:04 +0900
ショウジョウバエ研究者の皆様、
我々はNPコンソーシアムとしてGal4エンハンサートラップ系統を収集し、発現パ
ターンと挿入位置のマッピングを行ってきました。4615の独立な系統から得られ
た胚、成虫原基に於けるGal4発現パターンのデータと、マッピングする事ができた3
825系統の挿入位置のデータが含まれています。これらの挿入は2019カ所のク
ラスターに分類されています。これらのデータは論文(Hayashi et al., Genesis in
press)及び遺伝研のサーバーからすでに公開されています。
GETDB http://flymap.lab.nig.ac.jp
系統の殆どは今年度から開始したナショナルバイオリソースプロジェクトの援助を
受けて、プロジェクトの期間内(五年間、ただし毎年度の見直しあり)は遺伝研系統
生物研究センターで維持されており、また各挿入クラスターを代表する1系統ずつを
集めたミニマムセットは京都工繊大で維持されており、9月からの配布の準備が進め
られています。系統請求はGETDBから入れます。
GETDBはまだoutdateな部分を残しておりますが近日中にrenewする予定です。系統
請求はGETDBのstrain searchの結果画面から入れます。なおすでにDBの動作に不具合
が指摘されています。初期不良とお考えいただきご容赦ください。問題点、改良点の
サジェスチョン歓迎します。
これらの系統を活用していただき皆様のご研究の発展に役立てば幸いです。
NPコンソーシアム
伊藤啓(基生研、東大分生研)
吉原基次郎(MIT)
上田龍(遺伝研、三菱生命研)
松崎文雄(理研CDB)
中越英樹(岡山大学)
相垣敏郎(東京都立大)
林 茂生(理研CDB)
後藤聡(三菱生命研)
上村匡(京大ウイルス研)
谷村禎一(九州大学)
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Date: Thu, 05 Sep 2002 18:54:55 -0700
Subject: [Jfly] Gal4系統公開
From: Takahiro Chihara
NPコンソーシアム 様
スタンフォード大の千原と申します。
系統の作成から、マッピング、GETDBデータベース作成、そしてフライコミュニティー
への公開までの皆様の御尽力と熱意に深く感謝します。
ところで、海外に住むハエ研究者として率直な質問があります。
「NPプロジェクトに関するGeneticsの論文」がPublish(=databaseを世界へ公開)され
た後には多くのリクエストが予想されます。しかし、前回のナショナルバイオリソー
スプロジェクトの議事録 (2002/8/4)には「海外研究機関への系統の提供は、現在困
難な状況である」とあります。
これはPublication後も「海外への」発送は一定期間行わない、ということでしょう
か?
また、「現在困難」であるのなら、いつ頃、困難でなくなるでしょうか?
利用することばかり考えているようでいやらしい感じもしますが、気になったもので・
・・。
以上、よろしくお願いします。
千原 崇裕
Takahiro Chihara, Ph. D.
c/o Luo Lab. Department of Biological Sciences
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Date: Fri, 6 Sep 2002 13:02:12 +0900
From: "YAMAMOTO, Masa-Toshi"
Subject: [Jfly] Gal4系統公開
先程、NPコンソーシアムの林さんから、Gal4系統の公開について連絡がありました。
そのお知らせにもありますように、9月から系統の分譲依頼に応えて、京都工芸繊維
大学ショウジョウバエ遺伝資源センターと国立遺伝学研究所系統生物研究センターで
分譲を開始いたします。
しかし、さまざまな点でこれから、解決しなければならない問題が残っています。
そのひとつが、分譲に関わる経費に関することですが、ナショナルバイオリソースプ
ロジェクト「ショウジョウバエ」のお知らせでも触れましたが、当面国内の分譲は受
益者による配送料負担ということで、宅配便の受取人払いで、系統提供を開始するこ
とになりました。
特に、国外への提供をどうするかの問題が残されています。公式には、京都工芸繊
維大学からも国立遺伝学研究所からも、リソースプロジェクトで維持している系統に
ついては課金と料金の徴収方法の解決を先行させなければなりません。しかしなが
ら、研究に供することの出来ない系統を維持していることの無意味さも当然理解して
おりますので、海外からの依頼に関しては、直接の問い合わせ等、出来るだけ相談を
お受けして、系統の有効な利用法を考えていきたいと思っております。海外の研究者
に連絡される場合には、この点を考慮していただき、系統分譲に関する相談をしてい
ただけると当面流動的に系統の提供が可能なのではないかと思います。
今年度中の解決を計画しておりますので、もうしばらく海外への送付に関しては皆
さんのご理解をお願い致します。
山本雅敏(京都工芸繊維大学・ショウジョウバエ遺伝資源センター)
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Date: Fri, 6 Sep 2002 13:40:36 +0900
From: Yoshiaki FUYAMA
Subject: [Jfly] Gal4系統公開
千原様 皆様
At 18:54 -0700 09/05/02, Takahiro Chihara wrote:
>「NPプロジェクトに関するGeneticsの論文」がPublish(=databaseを世界へ公開)され
>た後には多くのリクエストが予想されます。しかし、前回のナショナルバイオリソー
>スプロジェクトの議事録 (2002/8/4)には「海外研究機関への系統の提供は、現在困
>難な状況である」とあります。
>これはPublication後も「海外への」発送は一定期間行わない、ということでしょう
>か?
>また、「現在困難」であるのなら、いつ頃、困難でなくなるでしょうか?
運営委員としてではなく、個人としての立場からです。
この問題が難行する理由は、日本国憲法第八十九条に抵触するためでは
ないでしょうか?
第八十九条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体
の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、
教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供
してはならない。
学術情報センターの文献検索などが無料にできないのも、これが理由と
聞いております。DDBJの利用も、現在は知りませんが、少なくとも当
初は、「試行中につき、当分の間、課金しない」というのがたてまえで
したね。
しかし、例えば私立大学などに国の補助金が出ていることは誰でも知っ
ているわけで、それなりの抜け道はあるはずです。それを探して、文科
省のお役人が頭をひねっている最中と理解しています。
まるで見当外れですか? > 山本さん
布 山 喜 章 : 東京都立大学大学院理学研究科生物学教室
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Date: Fri, 6 Sep 2002 14:03:22 +0900
From: "YAMAMOTO, Masa-Toshi"
Subject: [Jfly] Gal4系統公開
第八十九条かどうか知りませんが、多分そうでしょう。我々の利益を守ることに
よって、共通の財産の自由な利用が不可能になり苦しんでいるわけですから。こ
れと同じ問題は、アメリカ合衆国、フランス、英国、スウェーデンにもあり、お
そらく全ての国家は同じでしょう。
抜け道というのではなく、それなりの課金制度があればこの問題は解決します。
その次の問題は、課金を承諾して支払う意志のある研究者から、どのようにして
料金を徴集するかです。請求書を発行し、海外から送金されて国庫に入った時点
で、系統は発送できるのですが、これに現状では非常に長い時間を必要とします。
ショウジョウバエを用いる利点は分譲依頼から長い時間を置かずに系統を研究に
使用できることだと思います。この料金徴集と発送に到るまでの時間の短縮の問
題点をクリアーしたいと今考えている所です。最も有り難いのは、クレジットカー
ドが使用でき、迅速な料金支払い制度を利用できる体制作りです。もうしばらく
お待ち下さい。
山本雅敏(京都工芸繊維大学・ショウジョウバエ遺伝資源センター)
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Date: Sat, 7 Sep 2002 00:10:11 +0900
From: "Murata, T (RIKEN BRC)"
Subject: [Jfly] Gal4系統公開
理研DNA Bankでは、国内、海外ともに、分譲申込を受けたら、まずモノを発送し、到
着を確認した時点で請求書を発行します。請求書を受取った者は、指定の銀行口座に
振込みます。課金業務はわれわれ研究者がやるわけでは無く、事務方の仕事になりま
す。当然、海外への分譲には輸送料金が余計にかかりますが、余計にかかる分の海外
輸送料金は、着払い制を利用して利用者負担にしています。ですから、国内でも海外
でも、こちらから請求する額は同じになります。多くの場合、郵便局のEMSや民間の
国際宅配便を利用しています。荷物毎に付くトラッキングナンバーで検索すれば、ど
ちらの場合でも、webで輸送の進捗状況を把握できます。
ご参考までにて。
村田武英
理化学研究所 筑波研究所
バイオリソースセンター
遺伝子材料開発室 (DNA Bank)
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Date: Mon, 18 Nov 2002 10:25:06 +0100
Subject: [Jfly] Gal4系統の海外発送
From: Takashi Suzuki
NPコンソーシアム 様
ウィーンのDickosn研の鈴木です。一週間ほど前にウェブページからGal4系統を数系
統注文し無事受け取りました。非常に迅速な対応どうも有り難うございました。
そこでちょっと疑問に思ったので質問させていただきます。確かこれまでのJFly上の
議論では、まだ海外からの注文は支払方法が明確でないため困難であるとのことでし
たが、あっさり注文することが出来、とまどっています。その後どのようになったの
か教えていただけると有り難いのですが。小包はEMSで届き、支払いの請求も無いま
まです。このまま無料で配送を継続されるのでしょうか?(実は請求はこれから???)
ご関心がおありの方もいらっしゃると思われたので公開で質問させていただきました。
鈴木崇之
Takashi Suzuki
Research Institute of Molecular Pathology (I.M.P.)
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Delivered-Date: Thu, 21 Nov 2002 17:43:47 +0900
From: 上田龍
Subject: [Jfly] Gal4系統の海外発送
遺伝研の上田です。
返信が遅くなりました。
現在、NP系統につきましては
>> 系統の殆どは今年度から開始したナショナルバイオリソースプロジェクトの援助を
>> 受けて、プロジェクトの期間内(五年間、ただし毎年度の見直しあり)は遺伝研系統
>> 生物研究センターで維持されており、また各挿入クラスターを代表する1系統ずつを
>> 集めたミニマムセットは京都工繊大で維持されており、
ます。
ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBR)では収集した遺伝資源の配布は受益
者負担になります。従って、国内の皆様には宅配便の受取人払いで発送しています。
しかしながら国外にはこの制度が使えません。
現在、文科省と中核機関である京都工繊大ショウジョウバエ遺伝資源センターとの間
で、どのような形で配布費用を回収するかという制度の話し合いが行われています。
おそらく、Bloomington stock centerのように年ごとに課金するような方式がとられ
ると理解しています。大学等の国立機関では直接集金することが法律上出来ないそう
で、間に何らかの財団?を入れるという操作が必要との説明を受けています(何度説
明を受けても覚えられず、用語的に誤りがあるかもしれません)。
しかしながら、プロジェクト、およびそれに賛同して系統を寄託してくれたNPコンソ
ーシアムの趣旨は、広く有益な系統を配布して世界のサイエンスの発展に寄与すると
ころにあります。
とりあえず、遺伝研としては系統保存費を使って国外に発送しています。これはNBR
の「制度」からは逸脱していることをご理解下さい。種々の曖昧さが残りかつ不平等
に対する非難もあると思いますが、あくまでも「趣旨」を尊重した対応をしたいと考
えています。ですから、皆様の積極的な利用、またご意見などもお願いいたします。
GETDBとのリンクや遺伝研自体のデータベースの使いにくさなど、まだ改善しなけれ
ばいけない点があることは承知しています。皆様にはご迷惑をお掛けしておりますが
、今暫くお待ち下さい。
上田龍
無脊椎動物遺伝研究室
系統生物研究センター
国立遺伝学研究所
遺伝子機能研究ユニット
トランスレイショナル研究部
三菱化学生命科学研究所