Jfly ディスカッション


Discussion Menu | Jfly Japanese Home Page | Jfly English Home Page

抗オクトパミン抗体


From: "Kazuyo Fujikawa"
Subject: [Jfly] オクトパミン染色について
Date: Tue, 25 Mar 2003 21:29:15 +0900

京都工芸繊維大学の藤川と申します。

ハエの脳染色に使うオクトパミン抗体を探しています。

私たちはこれまで、クロキンバエ成虫の脳を使って3回ほどオクトパミン染色を試
みたのですが、うまくいきません。

どなたか、ショウジョウバエの脳染色でうまくいくオクトパミン抗体、または何
か良い方法をご存知の方がおられましたら、お教えいただけると幸いです。

私たちが試した抗体は、ケミコンから出ているRabbit anti-octopamine
polyclonal antibodyで、固定法は、この抗体の説明書のリファレンスにあった
Karhunen et al. (1993) Journal of Comparative Neurology 334:477-488 を参
考にしました(この論文で使われている動物は貝類です)。二次抗体は、蛍光抗
体 Alexa488AntiIgGRabbit を用いています。

ショウジョウバエでうまくいく抗体や方法があれば、クロキンバエにも利用でき
るのではないかという期待を持っています。どなたか、昆虫の神経系でオクトパ
ミンが染まるような良い抗体、または手法をご存知でしたら、是非教えていただ
きたく思います。

よろしくお願いいたします。

京都工芸繊維大学
繊維学部 応用生物学科 化学生態学講座
藤川和世


************************************

Date: Wed, 26 Mar 2003 10:27:06 +0900
From: Akira Komatsu
Subject: [Jfly] オクトパミン染色について

藤川和世様

藤川和世さんと同じ研究室の方から同じ質問を受けておりました。基本的に同じ
返事 を記します。

オクトパミン抗体染色の件ですが、私はChemicon Internationalの抗体は使いま
せんでした。普通モノアミンの抗体を作るときは、BSA とグルタールアルデヒド
で coonjugate したものを抗原にするので、固定液にグルタールアルデヒドを使
うのですが、Chemicon のこの抗体は、オクトパミンとKLH を conjugate して抗
原をつくっているので、固定液が他のものと全然違います。EDCDI (別名 EDAC)
を使わなければならない。ただ、軟体動物だろうと昆虫だろうとモノアミンの抗
体ですから固定液を変えれば基本的には染まるだろうと思いますが...。

私は、オクトパミン抗体は、SFRI Laboratory の ANP 260 を使いました。別の会
社 では SF12B として出しています。この抗体は glutaraldehyde で BSA に
conjugate して免疫していますので、 glutaraldehyde 固定でできます。方法は
チラ ミン抗体染色と同じで、チラミン抗体染色に関しては、私たちの下記の論文
をご参照 下さい。

Nagaya et al.(2002): A trace amine, tyramine, functions as a
neuromodulator in Drosophila melanogaster. Neuroscience Letters 329,
324-328.

小松 明
東京女子医科大学・医学部・第一生理