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法人化に伴う知的財産権の利用促進について


なお、このメールは2004年4月1日のエープリルフールです。


Date: Thu, 1 Apr 2004 09:31:39 +0900
From: "ITO, Kei"
Subject: [Jfly] 法人化に伴う知的財産権の利用促進について (3667)

本日からの大学独立行政法人化に際し、本学の知的財産権利用促
進ワーキンググループより以下のような通知がありました。ショ
ウジョウバエ研究者にも参考になる内容を含んでいると思います
ので、転送いたします。              いとうκ

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法人化に伴う知的財産権の利用促進について

   国立東京大学(TM)知的財産権利用促進ワーキンググループ

法人化に伴い、本学が有する膨大な知的財産を有効に活用し、本
学のみならず広く国民の利益に供することが、ますます重要になっ
てまいります。知的財産権利用促進ワーキンググループではこの
ための方策をこれまで検討してきましたが、本日より以下のよう
な施策を実施いたします。ご理解・ご協力のほどをお願いいたし
ます。

1:本学の名称変更について

国の機関という立場を離れることにより、本学がこれまで保持し
てきた権威が大きく減じることは免れません。そこで本学は従前
の権威を保つために、「東京大学」という名称を変更し、「国立
東京大学」に改称いたします。

以前から「国立」を正式名称に冠してきた機関(たとえば「国立
遺伝研」)では、法人化後も同じ名称を用いることが認められて
います。しかし本学のようにこれまで「国立」を冠してこなかっ
た機関の場合、法人化後に新たに「国立」を名乗ることは不当景
品類及び不当表示防止法に抵触する可能性があるという御指摘を、
公正取引委員会よりいただきました。本学ではこのような事態を
避けるため、有効な方策を検討してまいりましたが、芸術の分野
で「東京芸術大学」に対し「国立音楽大学」が存在し、権威を競っ
てきた状況に着想を得て、本日より本部機能の一部と郵便収受の
機能を東京都国立市に移転することにいたしました。これにとも
ない本学の郵便宛先は、
  東京都国立市銀杏が丘7-3-1
になりますのでご注意下さい。

今後和文の原稿や学会予稿を執筆の際は、所属は「東京大学」で
なく「国立東京大学(TM)」と書くようにお願いいたします。ただ
し学会のセッションやシンポジウムなどで所属が音読される場合
には、「くにたちとうきょうだいがく」と音読されますと権威が
台無しになりますので、「国立」の部分は音読から省略するよう、
事前に座長によく念を押して下さい。


2:本学名称の商標登録について

以前から漫画「東京大学一直線」「東京大学物語」、銘菓「東京
大学饅頭」など、本学の名称を利用して利益を上げている第三者
が数多く存在しています。法人化後は、このような状況を放置す
ることはできません。そこで本学は「東京大学」「東大」の名称
を商標登録いたしました。同時に、本学を暗喩する名称としてド
ラマ小説等で頻繁に用いられる「東都大学」についても、本学の
イメージに反する使用を防ぐため、商標登録を行ないました。

今後は上記のような商品ばかりでなく、私学の大東大、北海道の
東大雪ぬかびら温泉、つくば市の学園東大通り、大阪府の東大阪
市など、あたかも本学と関連があるかのような紛らわしい名称を
利用している公共団体にも、適切な対処を求めていく所存です。

商標登録は分野別に45の区分に分かれており、それぞれの分野に
ついて6万円の登録料を支払わなければなりません。このような
金銭的負担を経て取得した商標ですから、所属を書くときは必ず
「国立東京大学(TM)」「東大(TM)」のように、TradeMark の文
字を付加するようご留意下さい。


3:特許取得に関する方針変更について

従来から国立東京大学(TM)では教職員の皆さまに対し、なるべく
多くの特許を取得するようにお願いしてきました。しかし法人化
に際し、特許がもたらす負担と利益を総合的に勘案した結果、今
後は特許の取得をなるべく控え、「公知の事実」による権利保護
を主柱とすることに方針を変更いたします。

特許の取得と維持には多大な費用がかかります。取得には出願料、
審査料、弁理士への報酬と手数料をあわせて、50〜100万円単位
の費用が必要です。特許の有効期限は20年ですが、権利維持のた
めには毎年費用を納入する必要があり、たとえば特許を請求する
項目(請求項)が10ある標準的な特許の場合、1〜3年目が年
24,000円、4〜6年目が年39,000円、7-9年目が年72,600円、
10〜20年目が年145,200円と加速度的に増加します。従って限
度一杯の20年間権利を維持した場合、約200万円が必要となりま
す。

このように特許の取得と維持には、1件あたり300万円クラスの
費用が発生します。しかし国立東京大学(TM)は、5年後や10年後
でなく200年後や300年後の人類の福利に役立つような真の基礎
研究のみを追求する学問の府ですから、研究の成果が実用化して
発明の対価を得られるまでには200〜300年が必要です。20年し
か権利を維持できないのでは、対価を得られる見込みがほとんど
ありません。また、もし仮に特許法を改正して権利維持の期間を
300年まで伸ばしたとしても、現在の医療水準では発明者自身の
寿命がせいぜい120年しか持たないため、特許が実用化して対価
を得られるまで発明者が生存できない、という根本的問題が残り
ます。

特許の取得を重視することは、以上のように経済的に割に合わな
いだけでなく、基礎科学の根幹である研究者の自由な意見交流に
も多大な悪影響を及ぼしています。学会のみならずセミナーや学
位論文審査会など、規模の大小を問わず公開された場においてわ
ずかでも研究内容を発表すれば、その内容は「公知の事実」となっ
てしまい、その時点で新規性がなくなったと解釈されるので、特
許の出願はできなくなります。そのため特許の出願まで研究内容
を全く口外しない風潮が増加し、学会等における自由な意見交換
が損なわれている傾向にあるのは、ご承知のとおりです。研究の
最終段階に至るまで第三者との突っ込んだ討論が行なわれない結
果、視野や着想の幅広さが損なわれ、データの意味づけの厳密な
吟味が不十分になるなど、研究の質の低下につながりかねない問
題も危惧されています。

国立東京大学(TM)はこのような状況から、特許取得が知的財産権
保護の手段としては必ずしも有効でないという判断に至りました。
公開の場で研究内容を発表すると「公知の事実」となって特許取
得が出来なくなるということは、逆に考えれば、それによって他
者が同内容の特許を取得することも阻止できることを意味します。
従って、特許につながりうるような内容を積極的に公開の場で発
表して「公知の事実」にすることにより、特許同様に知的財産権
の保護ができるわけです。「公知の事実」にした場合は特許のよ
うに他者から特許使用料を得ることはできませんが、出願や維持
の費用がかからないため、大半の場合は経済的にはむしろ得をし
ます。

「公知の事実」を積極的に活用するためには、以下の点にご注意
ください。

1:分子生物学会など大きな学会は、特許庁長官から「学術団体」
  として指定を受けており、これらの学術集会で発表した後も
  半年間は「新規性の喪失の例外」が適用され、「公知の事実」
  と見なされないので、特許の申請が可能です。逆に言えば、
  このような会合での発表は「公知の事実」としては不十分で
  す。一方、大学・研究所におけるセミナーや、大学院学生の
  学位審査の発表会、「ショウジョウバエ研究会」のような特
  許庁長官からの指定を受けていないマイナーな学術集会での
  発表は、発表と同時に公知の事実となり、特許出願ができな
  くなります。公知の事実にしたい内容は、これらの場で積極
  的に発表するようにして下さい。

2:他者による特許出願を阻止するためには、すでに公知の事実
  となっていることを示す具体的な証拠が必要ですので、上記
  の発表の際にはなるべく詳しい予稿を作成し、公開するよう
  にして下さい。予稿は発表の日時・場所を示す資料とともに、
  テキストファイルで国立東京大学(TM)知的財産権利用促進ワー
  キンググループまで必ずお送り下さい。

3:特許庁に提出される様々な特許出願が本学教職員によって発
  表された「公知の事実」の範囲に抵触しないかチェックする
  ため、本ワーキンググループではバイオインフォマティクス
  を利用した特許出願書類ホモロジー検索ソフトウェア「特許
  みはる君」を開発しました(特許出願中)。本ソフトは出願
  書類を毎日ダウンロードし、皆さまから送られた予稿のテキ
  ストデータとのホモロジーを計算し、重複する内容を含む特
  許出願に関して自動的に異議申請を作成送付いたします。

4:「公知の事実」を有効に利用するためには、予稿などの原稿
  の書き方もそれに対応して変化させる必要があります。従来
  の学術発表は発見の内容をなるべく狭く厳密に記述すること
  を重視してきましたが、今後は特許出願書類と同様に同種の
  発見に対して幅広く優先権を主張できるよう、自分の発見の
  範囲を超えてなるべく広範囲をカバーするような書き方が重
  要になります。国立東京大学(TM)知的財産権利用促進ワーキ
  ンググループでは契約弁理士を揃えておりますので、予稿作
  成の際は必ず事前相談を行なうよう心がけて下さい。

以上


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Date: Thu, 1 Apr 2004 10:07:28 +0900
From: "Murata, T (RIKEN BRC)"
Subject: [Jfly] 法人化に伴う知的財産権の利用促進について (3668)

つくばは研究学園都市を名乗ってきましたが、クニタチも大学や研究機関の総本山と なるのでしょうね。
発展をお祈りいたします。

むらた


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From: Kazuhiko Kume
Date: Thu, 01 Apr 2004 11:51:37 +0900
Subject: [Jfly] 法人化に伴う知的財産権の利用促進について (3669)

昨日、国家公務員を解雇された粂です。こんにちは。

熊本大学では、独立行政法人・国立熊本大学という名称ではなく、
国立大学法人・熊本大学とホームページには表示しています。
http://www.kumamoto-u.ac.jp

東京大学は、まだHP上の名称も、住所表示も変わってませんね。
くにたち市の地価は、これで、また上がるのかしらね・・・
http://www.u-tokyo.ac.jp/


ところでさあ・・・これ、マジな質問なんですが、

従来、熊本大学では、勤務拘束時間が、朝8時30分から午後5時までの、
8時間30分で、確か、東大は、8時間15分だったので、もともと15分
長かったのですが、国立熊本大学では、従来よりさらに30分長くなって、
9時間になりました。

みなさんの大学では、いかがですか?

まあ、研究者には、ほとんど関係ない話ですが、3交替で働いている看護師
さんたちにとっては、勤務の中休みの、7時間30分が7時間になるのは、
かなり深刻な話らしくて、問題になってましたので。

伊藤さん、毎年、力作をありがとうございます。
ところで、これって、転送可ですか?(^_^;)

国立大学法人 熊本大学 発生医学研究センター  粂 和彦 


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Date: Thu, 1 Apr 2004 17:56:36 +0900
From: "ITO, Kei"
Subject: [Jfly] 法人化に伴う知的財産権の利用促進について (3670)

>昨日、国家公務員を解雇された粂です。こんにちは。

今度から、ホテルに泊まるときは宿帳になんと書いたらいいの
でしょうね。「会社員」?

>まあ、研究者には、ほとんど関係ない話ですが、3交替で働いている看護師
>さんたちにとっては、勤務の中休みの、7時間30分が7時間になるのは、
>かなり深刻な話らしくて、問題になってましたので。

「組合」とか「団体交渉」とかの大切さを痛感させられるとこ
ろです。東大では、エサづくりや秘書などの長期アルバイトの
人が、これまでに雇用されている人は引き続き無期限に雇用期
間延長可なのですが、今後新たに雇用する人は、3年とか5年
の限度を付けられてしまい、困っています。せっかく仕事にな
れてベテランになったところで、本人ももっと働きたいと願っ
ているのにクビにしなくてはいけない制度を新たに導入すると
いうのは、おかしな話です。

>伊藤さん、毎年、力作をありがとうございます。
>ところで、これって、転送可ですか?(^_^;)

どうぞどうぞ。(^_^;)

いとうκ


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Date: Fri, 2 Apr 2004 09:06:57 +0900
From: "Murata, T (RIKEN BRC)"
Subject: [Jfly] 法人化に伴う知的財産権の利用促進について (3671)

理研つくばの村田です。

> 従来、熊本大学では、勤務拘束時間が、朝8時30分から午後5時までの、
> 8時間30分で、確か、東大は、8時間15分だったので、もともと15分
> 長かったのですが、国立熊本大学では、従来よりさらに30分長くなって、
> 9時間になりました。

理研では裁量労働制と言うのをやっていて、毎日来なくてはいけないけど研究者は働 く時間を自由に決めていい、ということをやっています。与えられた研究成果目標を 達成するためにどんなやり方でも構わない、というのが趣旨です。フレックスとは違 い、コアタイムも一日の拘束時間も決まっていません。これのおかげで残業という概 念が無くなり、本来なら必要だった残業命令が不要になりました。

全員ではなく、職の名称によってそうである人とそうでない人に別れます。管理職は 含まれません。研究職員とポスドクは含まれますが、テクニシャンは含まれません。 事務職も含まれません。何時でもいいとは言っても、夜10時から朝5時までは深夜 労働の時間帯なので、所属長の命令が必要とか、休日も同様とか、制度上は決まって います。そろそろ所の一般公開がありますが、土曜に当番にあたったら、その分を平 日に振り替え休日をとること、という通達も出ています。

労働時間は職によって重みが違うと思うので、独法化を機に、職毎に適正な数値が検 討されればいいと思います。

理化学研究所 筑波研究所
バイオリソースセンター
遺伝子材料開発室 (DNA Bank)
村田 武英,先任研究員


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Date: Fri, 2 Apr 2004 11:43:28 +0900
From: Yuji Kageyama
Subject: [Jfly] 法人化に伴う知的財産権の利用促進について (3672)

>東大では、エサづくりや秘書などの長期アルバイトの
>人が、これまでに雇用されている人は引き続き無期限に雇用期
>間延長可なのですが、今後新たに雇用する人は、3年とか5年
>の限度を付けられてしまい、困っています。せっかく仕事にな
>れてベテランになったところで、本人ももっと働きたいと願っ
>ているのにクビにしなくてはいけない制度を新たに導入すると
>いうのは、おかしな話です。

全く同感です。奈良先端大でも同様に、非常勤職員に対して3年
もしくは5年の雇用期限があります。就業規則を作成する際にヒ
アリングがあって、この雇用条項を撤廃するようわたしを含めて
多数の請願があったにもかかわらず、先送りの形で現状維持(以
前も同様の就業規定がありました)となりました。国立の大学・
研究機関でこの雇用期限条項がない例はないのでしょうか?

もしそのような例があれば、彼らの横並びの発想を利用すること
ができるかもしれません...

--
影山裕二
奈良先端科学技術大学院大学
バイオサイエンス研究科


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Date: Fri, 2 Apr 2004 14:58:30 +0900
From: "Masanobu Itoh"
Subject: [Jfly] 法人化に伴う知的財産権の利用促進について (3673)

伊藤@京都工芸繊維大学です。

京都大学にはそんなものはない、と聞いたことがあります。
どなたか真偽を御確認下さい。

At 11:43 AM 04.4.2, Yuji Kageyama wrote:
> >東大では、エサづくりや秘書などの長期アルバイトの
> >人が、これまでに雇用されている人は引き続き無期限に雇用期
> >間延長可なのですが、今後新たに雇用する人は、3年とか5年
> >の限度を付けられてしまい、困っています。せっかく仕事にな
> >れてベテランになったところで、本人ももっと働きたいと願っ
> >ているのにクビにしなくてはいけない制度を新たに導入すると
> >いうのは、おかしな話です。
>
> 全く同感です。奈良先端大でも同様に、非常勤職員に対して3年
> もしくは5年の雇用期限があります。就業規則を作成する際にヒ
> アリングがあって、この雇用条項を撤廃するようわたしを含めて
> 多数の請願があったにもかかわらず、先送りの形で現状維持(以
> 前も同様の就業規定がありました)となりました。国立の大学・
> 研究機関でこの雇用期限条項がない例はないのでしょうか?
>
> もしそのような例があれば、彼らの横並びの発想を利用すること
> ができるかもしれません...

Masanobu Itoh
Dept. Applied Biology, Kyoto Institute of Technology