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Drosophila Newsletter No. 1

The Newsletter of the Japanese Drosophila Research Conference
(in Japanese)

5 Feb. 1993

Founding the Japanese Drosophila Research Conference (JDRC)
---- by Board Committee
Computer Network for the Drosophila Researchers
---- by MOGAMI Kaname
Compiling Experiment Protocols
---- by NISHDA Yasuyoshi
Compiling Stock Lists
---- by YAMAMOTO Masatoshi
Announcing the First Japanese Drosophila Research Conference (JDRC)
Recent Books

ショウジョウバエ通信 No.1

1993/2/5


この通信は研究室単位でお送りしています。研究室の方全員に読んでいただけるよう
ご配慮お願いいたします。


「日本ショウジョウバエ研究会」発足について (運営委員会)
ショウジョウバエ研究者のためのコンピュータネットワーク (最上要)
プロトコール集作成ご協力のお願い     (西田育巧)
ストックリスト作成ご協力のお願い     (山本雅敏)
「日本ショウジョウバエ研究会」第一回研究集会のお知らせ
新刊書のお知らせ

 ◆本号とともに、第一回研究集会参加申込書、郵便振替用紙、大学セミナーハウス
地図をお送りしています。


「日本ショウジョウバエ研究会」発足について


 先のショウジョウバエ通信No.0でお知らせしましたように、「日本ショウジョウバ
エ研究会」が正式に発足しました。1992年10月の日本遺伝学会の会期中に開かれた会
合において、設立運営委員会(代表 小穴孝夫)から本会の活動方針が提案され、出
席された方々の全会一致により承認されました。今後の活動は、以下の方針に沿って
進められることになります。皆様の積極的な参加とご協力をお願いいたします。

(1) 会の名称は、日本ショウジョウバエ研究会(JDRC: JAPAN DROSOPHILA
RESEARCH CONFERENCE)とし、ショウジョウバエを用いて研究を行っている人や
ショウジョウバエに関心のある人の研究の交流をはかることを目的とする。
(2) 研究会の当面の主な活動は、以下の3つとする。
  ・シンポジウムとポスターセッションを中心にした研究集会を隔年に開催する。
  ・ショウジョウバエの系統や実験方法などについての情報交換を促進する。
  ・ニュースレターを発行する。
(3) 会の運営には10名程度の運営委員が合議であたり、研究集会の開催ごとに半数を
入れ替える。
(4) 事務局において研究室を単位とした研究者名簿を作成し、それに基づいてニュー
スレターの配布や連絡を行う。
(5) 会費制はとらず、研究集会への参加費の一部を年間の諸経費にあてる。

 第一回研究集会までは、これまでの設立運営委員がひきつづき研究会の運営を行い
ます。事務局(上田龍)を中心に、ストックリスト作成(山本雅敏)、実験プロトコ
ール集作成(西田育巧)、ニュースレター発行(谷村禎一・松浦悦子)に、各運営委
員があたります。
 現在までのところ、会の活動についての連絡を希望されている研究室は74、研究者
の数は学生を含めて 245人にのぼっています。近辺でこの会に興味をもたれる方がい
らっしゃいましたら、事務局までご一報下さい。また、会の活動に関するご意見やご
希望がありましたら、お近くの委員までご連絡下さい。各運営委員の連絡先は、下記
の通りです。
 なお、第一回研究集会は、1993年7月9,10,11日に、都下八王子市にある大学セミナ
ーハウスで開催する予定です。詳しくはこの号の7ページの記事をご覧のうえ、参加
をお申込み下さい。

       <日本ショウジョウバエ研究会 第一期運営委員>

上田 龍   〒194 町田市南大谷11 三菱化成生命科学研究所細胞生物学研究室
        Tel 0427-24-6234  Fax 0427-29-1252
木村 正人  〒060 札幌市北区北10条西 8丁目 北海道大学理学部動物学教室
        Tel 011-716-2111 Ex 2615 Fax 011-717-9394
日下部 真一 〒724 東広島市鏡山1-7-1 広島大学総合科学部自然環境研究講座
        Tel            Fax
小穴 孝夫  〒185 国分寺市光町2-8-38 鉄道総合技術研究所磁気生物学研究室
        Tel 0425-73-7316  Fax 0425-73-7316
佐藤 隆   〒186 国立市谷保1796 ヤクルト本社中央研究所
        Tel 0425-75-8960 Ex 2127  Fax 0425-77-3020
谷村 禎一  〒810 福岡市中央区六本松4-2-1 九州大学w教養部生物学教室
        Tel 092-771-4161 Ex 433  Fax 092-712-1587
西田 育巧  〒464 名古屋市千種区鹿子殿1-1 愛知県がんセンター研究所放射線部
        Tel 052-762-6111 Ex 8834  Fax 052-763-5233
松浦 悦子  〒112 文京区大塚2-1-1 お茶の水女子大学理学部生物学教室
        Tel 03-3943-3151 Ex 575  Fax 03-3942-2815
松田 宗男  〒181 三鷹市新川6-20-2 杏林大学医学部生物学教室
        Tel 0422-47-5511 Ex 3652  Fax 0422-40-7281
山本 明彦  〒658 神戸市東灘区岡本8-9-1 甲南大学理学部生物学教室
        Tel 078-431-4341 Ex 684  Fax 078-413-2672
山本 雅敏  〒889-16 宮崎県清武町木原5200 宮崎医科大学生物学教室
        Tel 0985-85-0992  Fax 0985-85-7323


ショウジョウバエ研究者のためのコンピュータ
ネットワーク

最上 要 (東京大学理学部 物理学教室)

mogami@tkyvax.phys.s.u-tokyo.ac.jp

 最近のコンピュータネットワークの発展にともない、ショウジョウバエ研究者の間
にもこれを利用して情報交換をしようという動きが、ネットワーク先進国であるアメ
リカから盛んになってきました。我々の研究室でもこれに参加するべく、2年ほど前
からいささかの投資と勉強を行いました。ここではその時以来の経験をふまえて、こ
れからネットワークに参加してみようという方へのご紹介をしたいと思います。
 まずネットワークに入るとできることですが、我々に関係が深いのは以下の3つで
しょう。

1. 電子メール
  電子メールの利点は、なんといっても欧米の研究者と連絡する時に最大に発揮さ
れます。郵便に比べれば圧倒的に速く着きますし、封筒に入れたり郵便局に持ってい
く手間もかかりま せん。私は以前、時差を間違えた友人に朝早く電話で起こされて、
ねぼけながら英語でやりとりしたことがありますが、そのような苦痛からも解放され
ます。
  ショウジョウバエ研究者宛の Drosophila Information Newsletter(DIN) はこの
電子メールとして、あらかじめ希望した人達に向け発信されています。

2. ファイル転送
  大きなコンピュータセンターでは、そのファイルをネットワークを介してコピー
することを許可しています。M. Ashburnerがまとめたショウジョウバエデータベース
FlyBaseはもう有名ですが、各地のストックセンターの最新リストが公開されてい
るのも、たいへん便利です。ワープロでそれらのリストを検索して必要なものを電子
メールで請求すると、1週間位でハエが届くというのは、一昔前、DIS をめくって手
紙を書いていた経験が嘘のようです。

3. 大型計算機の利用
  現在、新しくクローニングされた遺伝子の配列は、GenBank/EMBL/DDBJ データベ
ースとして まとめられ市販もされていますが、常に最新のものを揃えようとすると
、たいへんお金がかかります。しかし、ネットワークを介して三島の遺伝学研究所
のコンピュータにホモロジーサーチを行わせれば、最新のデータをただで利用できま
す(遺伝研は1992年12月現在コンピュータの利用に課金していない)。
  また、FlyBase を拡張して、ストックリストや研究者名簿、Red Bookの訂正追加
なども含んだハエ関係のトータルなデータベースにする作業が、現在進行中です。お
そらく膨大なものになるでしょうが、そうなれば我々はネットワークを通じて命令を
送り、実際の検索は大型計算 機にやらせることになるかもしれません。

 では、ネットワークに参加するにはどうしたらよいのでしょうか。まず必ずしなけ
ればならないことは、もう既にネットワークにつながっているコンピュータをさがす
こと、それもなるべく自分の身近にさがすことです。コンピュータネットワークは、
どこが中心になっているかでいくつもありますが、アカデミックなものはほとんど相
互につながっていますので、どれでもかまいません。心配なら「アメリカの Interne
t につながるか?」、あるいは「日本のJUNET につながるか?」ということを確認し
て下さい。商業ネットワークである NIFTY-Serve や ASCII-NET とは、現在メールの
やり取りが試験的に行われていますが、まだあまり期待しない方がよいと思います。
いったんコンピュータの使用許可を得れば、もう最初に述べたようなネットワークの
利用が可能です。端末の前にすわって、自分の登録名とパスワードを入力すれば、あ
とはそのコンピュータ(ホストといいます)のマニュアルどうりに命令を打ち込むこ
とになります。
 お金もないし、たまにしか使わないということであれば、このような利用法がいい
でしょう。またネットワーク入門としても、最適です。しかし、もっといっぱい使い
たくなってきたとか、端末があまりに遠くにあってほとんど利用できないとなると、
自分の机の上に端末が欲しくなります。そういう時には、今やほとんどの研究室にた
くさんころがっているパーソナルコンピュータの出番です。端末代りに使うパソコン
は、安いもの、一昔前のものでも十分です。まず物理的にホストと接続する必要があ
りますが、これにはホストの管理者と相談することを勧めます。既に、同じあるいは
近くの建物の中にネットワークが張られていれば、それに割り込ませてもらいます。
パソコンによっては、通信用の拡張ボードを購入することになりますが、どのボード
を買わねばならないかは、事前にホストの管理者に聞くしかありません。
 もしホストがたいへん離れているとすると、電話回線を利用して接続することにな
ります。自分の大学や研究所になくても、各地の大学の計算機センターは学外者の利
用も認めていますので、相談してみて下さい。この場合には、パソコンと回線との間
にモデムが必要になります。モデムは今は無数の製品がありますが、よく売れている
店の推薦品を購入すれば、間違いはないでしょう。無駄な投資はしたくないというの
であれば、ホストがどの程度の通信手段をサポートしているかを聞いておけば、必要
な性能がわかります。
 自分のパソコンとホストとがつながったら、次に通信用のソフトが必要になります
。市販品もありますが、実はこれには多くの無料ソフトがあります。というのは、今
までネットワークを作ってきた人たちが、自分たち用に作ったソフトを無償(あるい
は実費)で公開しているからです。ただ、それらの多くはネットワークから持ってく
るようになっていますので、最初に手に入れるときは、既に持っている人に頼むしか
ありません。通信用のソフトはパソコン毎に違いますので、自分の機種に合ったもの
が必要です。通信速度など最初の設定はホストにあわせなければなりませんので、少
々めんどうですが、わからないことはやはりよく知っている人に聞くのが一番の早道
です。
 自分のパソコンからホストが利用できる場合には、まず通信ソフトを起動します。
モデム経由ならダイアルし、つながったら登録名、パスワードを入力します。ホスト
によっては、ターミナルタイプというのを尋ねてきますが、わからなければ、初期設
定のままで不都合があるか様子をみればよいでしょう。これらの操作は、通信ソフト
によって自動化できるものもあります。以後は、端末と同様に利用できます。

 実際の利用法の例として、以下に私が電子メール関係で利用している命令をあげて
みます。他にも色々ありますが、よく使うのはこれくらいです。ただし命令は機械に
よって違いますので、自分のホストに合わせて確認して下さい(以下の命令はホスト
が VAX/VMSの時のもの)。
 mail  これはメールシステムを利用したいという宣言です。最初に行います。
 send  メールを送りたいという命令です。
     これを入力すると宛先、標題(なくてもよい)、内容を聞いてきますので、
     各々を打ち込みます。
 ctrl-Z 終りを示します。コントロールというキーを押しながら Zのキーを押します。
 ctrl-C 途中で気が変って中止する時使います。
 dir  着いたメールの一覧を表示させます。
     各々に付いている番号を打ち込むと中味が表示されます。
 del   del に続けて番号を打つとそのメールを消します。
 exit  メールシステムの利用を終わるという宣言です。
 logout コンピュータの利用を終るという命令です。

 発信されたメールは、いくつかのコンピュータを経由して、相手のホストに届けら
れます。もし宛先が間違っていたり、途中に迂回できない障害があると、メールは発
信者に送り返されます。無事に届けば何もいってきませんので、後は相手が読んでく
れるのを待つだけです。ついでに
DIN(Drosophila Information Newsletter)を受け取る方法を書いておきます。 Inter
net 経由の場合、LISTSERV@IUBVM.UCS.INDIANA.EDU という宛先に、
SUB DIS-L Anatano Onamae
というメッセージを送ります。もし、あなたのホストが Bitnet に所属
しているのであれば、宛先は、
LISTSERV@IUBVM.BITNET とします。ただし両者は相互につながっているので、どちら
でもかまいません。もちろん Anatono Onamae の所には、自分の名前を入れて下さい
。標題(Subject:)は、不要です。無事に届けば、登録されたとのメールが返ってき
ます。あなたのアドレスは相手(の機械)が自動的に読み取り、以後は登録メッセー
ジを発信した所へDIN が送付されます。
 電子メール関係の命令は、ホスト毎に少し違っていてやっかいですが、ファイル転
送は多くの機械が File Transfer Protocol (FTP) というのをサポートしているので
、簡単です。FTPに続けて、スペース1つと相手のコンピュータの名前、アドレスを
打ち込みます。ハエ関係のデータベースが充実しているインディアナ大学につなぎた
ければftp ftp.bio.indiana.edu と入力します。Username: と聞いてきますので、an
onymous と答えて下さい。Password: には自分の電子メールのアドレスを答えます。
パスワードは実は何でもよいのですが、アドレスを答えるのがマナーとなっています
。また、めったにあることではありませんが、もしコピーしたファイルがウイルスに
感染していたことがあとでわかったような場合には、メールで警告がきます。もっと
も、最近は監視がきびしくなって、ウイルスが伝わることはほとんどありません。
 FTP によって相手のコンピュータとつながったら、dir と打ってみて下さい。コピ
ーが許されているファイル、あるいはディレクトリの一覧がかえってきますので、必
要ならcdで望みのディレクトリに入ります。このへんはパソコンの MS-DOS の操作と
同じです。欲しいファイルが見つかったら get hosii.file と打てば、そのファイル
が自分のホストにコピーされます。FTP から抜ける命令は、bye です。ホストにコピ
ーされたファイルを自分のパソコンに持ってくる方法は、通信ソフトによって違いま
すので、各々のマニュアルをご覧下さい。ただ、もしホストとの間が電話回線によっ
てつながっているとすると、転送速度があまり高くありませんので、大きなファイル
を取り寄せるのは、たいへんかもしれません。もしファイルを圧縮できれば、そのほ
うがよいでしょう。
 最初に紹介した、ネットワークでできることの3番目の計算機の利用には、その計
算機センターの利用許可が必要です。例えば、遺伝研の日本DNAデータバンク(D
DBJ)の利用を申請すると、利用法のマニュアルも送ってくれます。DDBJの電
話は0559-75-0771です。
 以上、駆け足でネットワークについて紹介してみました。本屋さんには商業ネット
ワークについて書かれた本がいくらでもありますが、研究者が必要とするアカデミッ
クなネットワークについて書かれたものは、あまりありません。アカデミックなネッ
トワークの特徴は、多くの大学や研究所のコンピュータが対等な立場で結合している
ということで、機種ごとの操作法の違いが統一されていません。そのため、どうして
もホストのことをよく知っている人に頼る部分が多くなります。そのような人達を含
め、多くの研究者がボランティアとして維持し、運営しているのがこのネットワーク
です。よりよくするために付け加えた装置やプログラムが裏目に出て、コンピュータ
が止まってしまったりすることも、ないわけではありません。そのような時には、決
して怒ったりしないでください。不都合があると文句の一つもいいたくなりますが、
ネットワークを支えているのは実は多くの人達の好意であるということを、新しく参
加される方には知っておいて欲しいのです。
 最後に、実際ネットワークを利用してメールが送れるかテストしたいが相手がいな
いという時は、私宛に送ってみて下さい。無事に届けば返事を出します。アドレスは
mogami@tkyvax.phys.s.u-tokyo.ac.jp です。もしこの文章が、みなさんがネットワ
ークを利用して研究をすすめるためのきっかけとなれば幸いです。


プロトコール集作成ご協力のお願い

西田 育巧 (愛知県がんセンター)


 ショウジョウバエ実験系の魅力は、この生物に特有の実験手法が沢山開発されてお
り、他の生物実験系では真似のできないような、エレガントな実験が可能なことです
。これまでに開発された実験手法は、実に多様なものがありますが、これらを駆使し
て目の覚めるような研究を発展させたいというのは、皆様に共通の願いだと思います
。各研究室では、それぞれに特色のある実験手法の体系を確立し発展されており、こ
れらを集成することができれば、相当に実用的価値のあるプロトコール集ができあが
るのではないかと考えます。このようなものが手元にあれば、もっと気軽に新しいテ
クニックに挑戦することもでき、また、新たにショウジョウバエを用いようと意を決
しられた方々も、少しは心強く感じられることだろうと思います。このために、以下
のようなことを計画いたしており、皆様方に御協力をお願いいたします。
 各研究室でルーティンに用いられているプロトコールを集成して配布します。この
際、フォーマットは特に指定せず、また、何等の編集も行ないません。集めて皆さん
に配布するだけです。また、配布したプロトコールを用いてうまくいったり、いかな
かったりしたことや、改良を加えたこと、その他何でもお気づきの点を、できるだけ
お知らせ願います。配布1〜2年後に、皆様方からのフィードバックをもとに改訂版
の作成をお願いして、再配布できればと考えております。当面の間、重点領域研究「
ショウジョウバエを用いた遺伝子機能解析」より、必要経費をまかなう予定です。ま
た、皆様方のご了解とご支援が頂けましたら、適当な出版社と交渉して一冊の実験書
として纏めることができればと考えております。この際には、必要な編集作業を行な
います。
 以下の要領で、皆様方のプロトコールをお寄せ下さい。

◎フォーマットは特に指定しません。日本語・英語も不問です。できるだけ具体的に
、また、初心者でもすぐできそうなほどに、懇切丁寧に願います。既に作成されたも
のがありましたら、そのままでも結構です。
◎内容は、餌の作り方・ハエの飼い方から、形態学的手法、分子生物学的手法、免疫
学的手法など、何でもお願いします。
◎NEC PC9801(MS-DOS)、または Macで作成したテキストファイルをフロッピーディス
ク(5 また は 3.5インチ)でお送り下さい。また、ハードコピーも添えてお送り下
さい。
◎締切:1993年10月末日
           この期限に拘らず、いつでも受け付けます。
           適当な量が集まり次第、適宜配布する予定です。

 プロトコール及びこれに関するご意見は、下記にお送り願います。

         送付先:〒464 名古屋市千種区鹿子殿1ー1
                  愛知県がんセンター研究所放射線部
                  西田 育巧  
                Tel (052)762-6111 内線8834


ストックリスト作成ご協力のお願い

山本 雅敏 (宮崎医科大学)


 「ショウジョウバエ通信」No.0でお願いしましたショウジョウバエのストックリス
トが、まだ届いていない研究室が非常に多く、リストを完成させるにいたっておりま
せん。ぜひともよろしくご協力下さい。
 ショウジョウバエは、手紙や電子メールによる申込みで、海外から受け入れること
が可能です。しかし、国内でそれぞれの研究者の方が、研究に用いておられた系統や
、現在用いておられる系統は、ストックとして継代維持されているだけの系統と比較
すると、より実戦的で正確であると思われます。実際に、Bowling Green からのスト
ックに、そうあるべきはずの染色体異常からさらに変異した系統を、何例か見つけて
おります。生化学的マーカーをもつ系統に関しては、特に注意が必要になるのではな
いかと考えられます。現在、国内では、ショウジョウバエの系統保存を一切引き受け
ていただける研究機関がありません。そこで、各研究室で保存しておられる系統の情
報を交換することにより、国内全体での系統数とその種類を知ることは、大変に重要
ではないかと考えられます。また、それらがまとまった時には、国外の系統保存施設
にその情報を公開することで、国際的な貢献が可能であろうと考えます。
 さらに、将来は、ショウジョウバエに関するさまざまな情報データベースのネット
ワークを作りたいと思っています。
 皆様のご協力をお願いいたします。

◎フォーマットは、以前お願いした形式で送って下さると、形式を統一する上で、編
集作業が簡単になりますが、このフォーマットに編集できない方は、お手持ちのスト
ックリストで結構です。ただし、PC98(MS-DOS)か Macで作成したテキストファイルで
お願いします。手書きでもか まいません。

        ストックリストの問い合わせならびに送付先:
       〒889-16 宮崎県清武町木原5200
            宮崎医科大学生物学教室
                  山本 雅敏
       Tel 0985-85-0992(直通)
             Fax 0985-85-7323(研究室)


「日本ショウジョウバエ研究会」第一回研究集会
のお知らせ


 日本ショウジョウバエ研究会では、第一回の研究集会を下記の要領で開催すること
になりました。都下八王子の豊かな自然と澄んだ空気のなかで、いろいろな分野でシ
ョウジョウバエを用いた研究を進められている方々が、お互いに、またハエ以外の材
料を使っておられる方々とも交流を深められることを願って、科研費重点領域研究「
ショウジョウバエを用いた遺伝子機能解析」(代表:西田育巧)の班会議との合同開
催といたします。
 研究集会では、三つのシンポジウムとポスターセッション、及び懇親会が企画され
ています。
 シンポジウムには、次の三つを予定しています。
  A)細胞の増殖・分化と発癌におけるシグナル伝達
           オーガナイザー:西田育巧(愛知県がんセンター)
  B)細胞の発生運命を決める遺伝子ネットワーク
           オーガナイザー:上田 龍(三菱生命研)
  C)種内変異から種分化へ
           オーガナイザー:日下部真一(広島大)・松浦悦子(お茶大)
 ポスターは、研究成果のほか、技術情報や系統開発などを含め、活発な議論を今後
の研究に有効に活かして頂けるよう、予備実験程度の未完成な内容でもよいこととい
たしました。研究室に入ったばかりの新人による発表も大いに歓迎いたしますので、
秋の学会で本格的な発表をするための準備の場としてもご利用下さい。
 なお、予稿集は発行せず、プログラムの発行も遅くなる見込み(たぶん当日)です
が、会場と宿泊施設を確保する都合上、下記の期限までに参加のご予定をお知らせ下さい。
 皆様のご参加を心からお待ち申し上げます。

       日本ショウジョウバエ研究会   運営委員長 小 穴 孝 夫
共催 文部省科研費重点領域研究「ショウジョウバエを用いた遺伝子機能解析」
    (代表 西田育巧)

                     記

・日時    1993年 7月 9日(金)13:00 〜 7月11日(日)12:00

・場所    大学セミナーハウス(別紙地図参照)

・参加申込  別添申込用紙に記入の上、1993年 2月26日までに事務局へ郵送して下
さい。用紙はコピーして各自別々にお書き頂き、できれば研究室ごとにまとめて下さい。

・参加費  ・参加申込と同時に、有給者15,000円、学生・研究生10,000円を、同封
の郵便振替用紙(東京 2-760844 日本ショウジョウバエ研究会事務局)にて、お支払
い下さい。研究室でまとめてお支払いの場合は、通信欄に氏名をお書き下さい。なお、
・参加費には宿泊と食事代が含まれますが、宿泊・食事の数によらず一定とさせてい
ただききます。
・参加取消の場合は、大学セミナーハウスに支払う違約金20%を差し引いて、返却い
たします。(10日前以内の取消の場合は30%)
・領収書は、振替の受領書をもってかえさせていただきます。

・申込み、問い合わせ先    日本ショウジョウバエ研究会事務局
               〒194 町田市南大谷11 三菱化成生命科学研究所
                  上 田  龍
                  Tel 0427-24-6234 Fax 0427-29-1252


新刊書のお知らせ


Peter A. Lawrence: The Making of a Fly - The genetics of animal development
           Blackwell Scientific Publications (1992)  $29.95


 胚発生から器官形成における位置情報まで、最新の分子レベルの研究成果を解説
している名著!です。多くのきれいな多色刷りの図版、様々なテクニックの解説、
巻末には研究の歴史小話も挿入され、ショウジョウバエ発生学の入門書として最適
です。


編集後記

◆いよいよ日本ショウジョウバエ研究会が発足し、今年7月には第一回の研究集会が
もたれます。この研究会が有益なものとなるかどうかは、研究集会にどのような人が
どれだけ集まるかにかかっています。たしかに、研究発表や情報交換のためならば、
海外の学会や研究集会にでれば事足りるかも知れません。しかし、日本のショウジョ
ウバエ研究を飛躍させるためにも、JDRCを活気あふれる場にしていきたいと願ってい
ます。参加申込の期限が早いですが、今から予定を確保して下さるよう、お願いいた
します。
◆「ショウジョウバエ通信」では、ショウジョウバエの研究に関連する様々な情報の
交換の場を提供することをめざしています。この号では、最上さんにお願いして、ネ
ットワークに関する懇切丁寧な記事を書いていただきました。今後、どのようなトピ
ックスを取りあげればよいのか、ご意見を編集委員までお寄せ下さい。
◆第1号は予定より発行が遅れ、2月にずれこんでしまいました。豆まきもすんで、
鬼をはらったところでお送りできる見込みです。第2号は、研究集会の前に発行した
いと考えています。
                           (谷村禎一・松浦悦子)

 ショウジョウバエ通信 No.1  1993年2月5日発行
    編集者:谷村禎一(九州大学教養部)
        松浦悦子(お茶の水女子大学理学部)
             発 行:日本ショウジョウバエ研究会事務局
             〒194 町田市南大谷11 三菱化成生命科学研究所内
.