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Drosophila Newsletter No. 5
The Newsletter of the Japanese Drosophila Research Conference
(in Japanese)
April 1995
Announcement of the Second Japanese Drosophila Research Conference
(JDRC: Kyoto, August 1995)
---- by YAMAMOTO Masatoshi
Stock List of the Flies Maintained in Japanese Labs
---- by YAMAMOTO Masatoshi
University and Research Institute in Germany
---- by ITO Kei
FlyBrain project
---- by ITO Kei
News
ショウジョウバエ通信 No.5
1995年 4月
この通信は研究室単位でお送りしています。研究室の方全員に読んでいただけるよう
ご配慮お願いいたします。
日本ショウジョウバエ研究会 第2回集会のご案内
ストックリストの公開 山本 雅敏
ドイツの大学と研究所 伊藤 啓
Fly Brain Projectについて
お知らせ
編集後記
日本ショウジョウバエ研究会第2回集会のご案内
ショウジョウバエ通信NO.4でお知らせしました様に,「日本ショウジョウバエ研究会
」の第2回研究集会を下記の要領で開催することになりました.研究集会では、シン
ポジウムとポスタ−セッション、および懇親会を計画しています。
シンポジウムの演者は国際的に活躍されている方々で,それぞれの分野における最新
の研究動向についても多くの情報が得られることと思います.
ポスタ−セッションでは,研究発表にとどまらず,実験技術や有用系統とその開発等
、研究に有効に活かせると思われる内容や、完結した研究内容ではなくても予備実験
程度の結果を提示して自由に意見を交換する場になればと思います。特に大学院学生
のかたがたにとって有効な議論の場になればと思います。
参加申し込み・参加費のお支払い方法等は、下記の要領に従って5月31日(水)ま
でに参加申し込みをお願いします.その時にポスタ−のタイトルもあわせて提出して
頂きます。
「日本ショウジョウバエ研究会」運営委員長 山 本 雅 敏
============= 記 =============
1.日時 1995年8月28日(月)12:30 〜 8月30日(水)12:30
2.場所 京都工芸繊維大学1号館および大学会館
〒606 京都市左京区松ケ崎御所海道町
大学までの時間は、京都駅から地下鉄を利用.終点北山駅で下車(16分)、
東の方向に徒歩15〜20分。
京都駅から市バス14番を利用.工芸繊維大学前下車(時間帯により
要40〜50分)。
京阪利用の方は出町柳駅で、叡山電鉄に乗り換えて修学院駅下車、西に
徒歩10分。
<交通はhttp://www.kit.ac.jp/jaccessあるいは会場への案内図を参考
にしてください>
3.日程 下記の予定で行います.
28日 12.30 受付開始・ポスター・部受付
15.00 シンポジウムA
18.30 懇親会
29日 ポスター
11.00 ポスター・部受付
14.00 シンポジウムB
Tea time
19.00 夕食・ポスター・部討議
30日 09.30 シンポジウムC
12.30 終了
4.ポスターの申し込み
ポスターの掲示
会期中に2回に分けて行います.ポスターの掲示位置,時間はこちらでプログラムと
して決定します.もし特定の日
時を希望される方は,申し込み時にその旨お知らせ下さい.
ポスターのサイズ
縦200x横120cm以内であればサイズ・形は自由です.読みやすいように工夫して下さい.
画鋲等で固定できないような掲示物に関しては連絡してください.どうしてもこれ以
上の大きさが必要だと思われる
方は 相談してください.人数に制限がありますが可能です.ふるっての参加をお待
ちしています.
5.参加申し込み〆切
1995年5月31日(水)
申し込み終了後プログラム作成を始めますので,この〆切日は厳守します.
当日参加,ポスター掲示は可能となるように準備しますが,プログラムへの追加はで
きません.
6.参加費
参加費〔有給者9000円,学生・研究生7000円〕には,参加費,懇親会費ならびに2
日目の夕食費を含んでいます.昼食 は各自自由にしていただく時間がありますが,
夕食は会場の立地条件を考えると,こちらで準備したほうが便利であろう というこ
とと,参加者が分散しないための工夫でもあります.また,第2回集会事務局の人員
が極めて少数であることか ら,事務的な繁雑さを軽減する目的もあります.第1回
大会と比較すると,すこしばかり高くなるかもしれませんが,で きるだけ参加者の
皆さんに負担の少ない集会を計画するよう努力していますので,宜しくご理解ください.
7.参加費の払込方法
●参加申し込みと同時に,同封の郵便振替用紙にて,下記のとおりお支払いください
.原則として参加費と懇親会&夕食 費を分離しません.
口座番号:01060-4-29091
加入者名:日本ショウジョウバエ研究会第2回集会事務局
研究室でまとめてお支払いの場合は,通信欄に氏名・金額の明細をお書きください.
●領収書は振替の受領書をもってかえさせていただきます.
8.宿泊
宿泊のお世話はできません.ショウジョウバエ通信No.4に紹介した宿泊施設を参考
にして,早急に各自予約してくださ い.かんぽーる京都(Tel 075-721-3111)が京
都工芸繊維大学に近く,しかも安価です.
9.申し込み先・問い合わせ先
〒606
京都市左京区松ケ崎御所海道町
日本ショウジョウバエ研究会第2回集会事務局
山本雅敏 宛
Tel: 075-724-7781, FAX: 075-724-7760
e-mail:jpn-fly@ipc.kit.ac.jp
ストックリストの公開
山本雅敏
ショウジョウバエ通信No.1からお願いしておりましたストックリストの件ですが,こ
れまでに提出していただいたリストが,一応まとまりましたので,リクエストにより
配布したいと思います.その方法としては,電子メールによる方法,あるいは,Maci
ntoshかMS/DOSのテキスト形式でフロッピーで提供できると思います.経費が非常に
乏しいので,ブランクのフロッピーと返信用切手を同封してくださると助かります.
ショウジョウバエ通信あるいは小冊子にできるといいのですが,現在のところ具体的
な計画はありません.系統の表記について統一をはかるべくある程度努力はしました
が,不完全な表記も多く,また研究室独自の記載をしておられる場合もあることから
,基本的には提出していただいた記述法をほぼそのまま残しています.できれば準定
期的に公開して誤り等を改正してゆきたいと考えています.
ストックリスト提供に御協力下さった研究室は下記のとおりです.感謝いたします.
京都工繊大の系統は昨年末インキュベータの故障でほぼ完全に失われてしまいました
.維持していた系統の多くは,これまでに研究室で独自に作製してきた染色体異常系
統と新しく収集したD. simulansの系統なので,補充は不可能であり,ものすごい損
失です.系統の維持には,信頼できる保存施設もさることながら,重要な系統は重複
して維持する方法を考えなければならないことを痛感しています.研究を行う場で研
究に直接必要とされない系統を維持してゆくのは,大変に難しい仕事です.しかし,
それらの基本系統は必要なときにいつでも入手できるシステムがなければ,スムーズ
な研究は不可能になってきます.ショウジョウバエの系統をどのように維持して行く
か,日本だけでなく国際レベルで考えなければならない時に来ていると思います.皆
さんのご意見をお待ちしています.
記
ストックリストを提供して下さった研究機関と提供者氏名(順不同)
京都大学理学部生物物理学教室 (上村 匡)
農水省畜産試験場育種部 (木村澄 )
麻布大学環境保健学部生理学(秋山孝洋)
東京大学医科学研究所微細形態学研究部 (鈴木えみ子)
国立精神神経センター神経研究所遺伝子工学研究部(浜千尋)
筑波大学基礎医学系分子神経生物学(澤本和延)
茨城大学理学部生物学(仁木雄三)
愛媛大学理学部生物学(和多田正義)
東京都立大学理学部生物学 (布山喜章)
北海道大学大学院地球環境科学研究科 (吉田麿仁)
(財)鉄道総合技術研究所 磁気生物学 (小穴孝夫)
九州大学理学部生物学細胞生物学 (原田光)
お茶の水女子大学理学部生物 (松浦悦子)
大阪府立大学総合科学部 (田中良晴)
三菱化成生命科学研究所 (上田龍)
国立遺伝学研究所形質遺伝部 (上田均)
島根大学理学部生物学 (沢真知子)
岡山理科大学理学部生物学 (浅田伸彦)
大阪大学医学部放射線基礎医学部 (梁治子)
東京大学理学部物理学 (最上要)
国立遺伝学研究所遺伝実験生物保存研究センター(林茂夫)
九州大学理学部生物学 (谷村禎一)
ドイツの大学と研究所
伊藤 啓
ドイツから帰ったばかりだから何か書いてくれ、と編集部よりありがたいお声を頂
戴したが、さて何かテーマになるものとてないので、論文などには関係ない大学や研
究室にまつわる雑談をして、読者諸氏のコーヒーの友とさせていただきたい。
ドイツの基礎研究は大きく分けて二つの場所で行なわれている。大学と、日本の国
立研究所にあたるマックスプランク財団 Max-Planck Institut である。日本で知ら
れているショウジョウバエ研究者でいうと、Campos-Ortega, Heisenberg, Sander,
Fischbach, Technau らは 大学、Ja"kle, Nu"slein-Vorhard らはマックスプランクの
所属である。先号の杉山氏の文章でも紹介されていたマックスプランク財団は、日本
の文部・通産・農水・科技など各省庁の所轄研究所をひとつにまとめたような組織で
、全国に様々な研究所を擁している。日本同様、大学研究室よりも予算は潤沢で、外
国人の教授やポスドクも多い。
ドイツの大学はほとんどが州立ないし市立で、国立はなく、私立も小さな単科大学
にいくつかあるに過ぎない。 ドイツの児童は小学校卒業時点で、将来大学に進むか
どうかを決断させられる。ギムナジウムは大学進学コース、レアルシューレは職業訓
練校や高等専門学校コースで、途中での進路変更は難しい。学校は週5日、午前中の
みなので、就学年数は他国より1年多く、ギムナジウム修了はふつう 19 歳になる。
この際アビトゥアと呼ばれる卒業試験に合格する必要があり、大学入試のないドイツ
ではこれが高校生を勉強させる唯一のプレッシャーとなる。
ギムナジウム卒業後、男子には1年間の兵役が待っている。思想信条の関係で兵役
を拒否する場合、福祉関係の仕事などをして兵役に代えることも出来るが、その場合
期間は長くなる。一方女子には兵役はなく、すぐに大学に進める。ちょっとした男女
逆差別であるが、集団行動の規律や他者への配慮の面で、軍隊で仕込まれた男子の方
が女子より大分まさっているように見えるのは気のせいだろうか。
大学は医学部など教育設備に受け入れ限度のある一部学科を除いて、原則無試験。
定員もない。大学の総数は少なく、その分学生数は最大で4万人弱、標準で2〜3万
人とかなり大きい。大学の序列は日本のように画然とはしていない。米英仏日などに
見られるいわゆる「名門校」は存在しないし、専門分野によってどこの大学が優れて
いるかが極端に異なる。一つの教室に、ハーバードにいてもおかしくないような学生
と、大学で学んでいること自体が不思議なほどの学生が、机を並べている。
学生には途中で大学を自由に変える権利があり、一つの大学でずっと学んで学位を
取るより、視野を広げるために卒業までにいくつかの大学を移った方がよいとされて
いる。ある大学で取った単位は他大学でも認定される建て前になっている。もちろん
実際に大学をいくつも回る学生は、そう多くはないけれども。
ドイツには日本の学士に当たる学位はなく、修士相当のマギスター/ディプロムと
博士相当のドクターのみである。職業教育は高等専門学校の分担、大学はアカデミズ
ムの場、という区分を反映しており、教育内容も大教室での講義より少人数のゼミナ
ールに重点が置かれている。ただ近年の学生数急増で、手間のかかるゼミナール主体
の教育も難しくなってきている。
遅い高校卒業と兵役のためスタートが遅い上に、大学は1年のうち5ケ月は休み。
その結果学位取得はかなり遅く、修士で二十七八、博士だと三十を越えるのが普通で
ある。学費は無料で、奨学金や学割制度が充実しているので学生の経済的負担は少な
いが、その分モラトリアム学生が多いようにも見受けられる。
研究室に残って教官への道を目指す人は、博士号取得後しばらく博士研究員として
研究を続ける。これは数年間の期限付きだが、仕事内容は日本の助手にかなり近い。
論文発表とセミナー指導などの教育経験を積んだ上で、教授資格試験ハビリタツィオ
ンを受ける。これに通ると名前に教授の称号を冠することが出来るのだが、実際に教
授になるにはさらに空きポストのある大学に求職して、採用される必要がある。教授
号はあってもポストのない教授浪人も存在するわけだ。 Science、Nature の常連で
でもあれば教授資格無しでも教授職を得ることが出来るとはいえ、一般には教授資格
が選考の前提になる。学位取得後すぐアメリカなどへポスドクに出て長期間滞在して
しまうと、母国での教育経験の不足から教授資格が取りにくくなるため、在外ドイツ
人ポスドクには頭の痛い問題である。
大学の研究室の規模は日本同様まちまちで、 Fischbach や Technau のように教授
1人と学生、合計 10 人程度のこじんまりしたラボもあれば、 Campos-Ortega や
He
isenberg のように大講座制のところもある。マックスプランク以外の科学研究費は
すべてドイツ科学財団 DFG の管轄で、各研究室は大学からの予算に加え、 DFG
から
のグラントで研究を行なう。グラントは一般研究と重点研究(名前もまさに直訳であ
る)に分かれているなど日本の科研費に似ているが、単年度主義でないのは有り難い
ところだ。費目によっては、余った分を何年も銀行に預けて利子を貯めても構わない
のだから。
欧米の研究室で充実しているとされるのが工作室や写真現像などのスタッフである
。これはなかなかに両刃の剣なシステムで、よいスタッフを得ると実に助かることこ
のうえない。だがそれほど有能でない人にぶつかった場合、地獄の苦しみとなる。忙
しいときに限ってドイツ名物の「2ケ月の休暇」に行ってしまったり、仕上がりに文
句を言うと「病気」と称して何週間も休まれてしまったりする。とはいえ日本と違っ
てなんでも見繕ってくれる出入りの業者などひとつもないのだから、おだて上げて拝
み倒して、とにかく居る人にやってもらうしかないのだ。
ヨーロッパは狭いので、ドイツの国内学会でも近隣諸国からの参加者が少なくない
し、ヨーロッパレベルの国際学会は非常に頻繁に開かれている。こういう学会では、
共通語 lingua franca として英語が用いられるのが普通である。だが一歩大学内に
戻ると、外国人の姿は余り見かけない。私は大学院生を含めて 50 人ほどの学科にい
たが、3年半の滞在の間外国人は私だけであった。これはヨーロッパの大学全体に言
えることで、旧植民地や東欧、アジアなどからの留学生はいるが、ヨーロッパの近隣
諸国との学生・教官の交流は存外に少ない。ひとえに言葉の壁によるもので、ヨーロ
ッパの住人で他国に留学する意思のある人は、わざわざ使い道の少ないドイツ語やフ
ランス語の必要な国を選ばず、英語圏へ行ってしまうと言うことである(もちろんイ
ギリスはヨーロッパではない)。フランス語の出来るドイツ人はドイツ語の出来るフ
ランス人よりは多いだろうが、英語の出来るフランス人と同じ程度に珍しいといって
よいだろう。教える側もしかりで、ドイツでは Campos のような極めて稀な例外を除
き、外国人教官は皆無である。外国人にもドイツ語での講義が要求されるから、語学
以外の外国人教官は難しい。この辺は日本と同じ事情であり、たまたま 20 世紀の
l
ingua franca をそのまま母国語にしているアメリカなどとは大きく違う。ヨーロッ
パ連合は外から見ると統合の度を深めていくように見えるが、人的な交流はまだまだ
難しそうだ。
Fly Brain Project について
インターネットを利用してショウジョウバエ中枢神経系の電子アトラス/画像データ
ベースを作るプロジェクトが始まったので、簡単に紹介する。
モデルシステムとしての実績と重要性にも関わらず、ショウジョウバエ神経系の研究
の基本となるべきアトラスは、これまで満足なものが存在しなかった。しかし従来の
「本」という形でのアトラスの出版は、莫大な出版コストがかかり、しかも急速な研
究の進歩に対応したアップデートが難しい。そこで Red Book が FlyBase 中の電子
データベースに移行したのと同様、電子アトラスをインターネット上で提供するとい
う発想が生まれる。Kim Kaiser と Martin Heisenberg の呼びかけにより、この可能
性を検討する第1回ワークショップが去る3月末、中部ドイツには珍しい季節外れの
雪の降りしきるゲッティンゲンで開かれた。各自の思惑とネットワーク文化に対する
考え方の差もあって進行は混沌をきわめたが、最終的に以下のような一致点(のよう
なもの)が得られた。
プロジェクトは「Fly Brain Project」と命名され、名前の通り最初は野生型の成虫
脳のアトラス作りがメインとなる。長期的には突然変異系統における脳異常や、胸腹
部神経節、感覚器官、胚・幼虫の神経系アトラスも視野に入れる。アメリカや EU、H
FSP などの共同研究グラントを取る必要性も議論された。
電子アトラスの完成予想図は以下のようである。アトラスは World Wide Web(WWW)
を利用して構築され、Mosaic や NetScape、MacWeb で閲覧することが出来る。一般
の地図帳同様、アトラス本体は基本図と参考図から構成する。「基本図」は脳の三次
元構造を示すイラストと解説で、1976 年にイエバエ脳アトラスを書いた Nick Strau
sfeld によって作成される。「参考図」は銀・ゴルジ・抗体染色、遺伝子発現・エン
ハンサートラップのパターンなどの写真と、細胞の分類や細胞系譜、軸索投射などの
イラストや表を含む。WWW の特徴を生かして、各データはホットリンクで結ばれる。
つまり、図中の特定の部分や解説中の特定の単語をマウスでクリックすると、その部
分を解説した他の基本図、参考図や解説へ飛ぶことが出来る。また検索機能を利用し
て、ある神経構造を解説している図表や、その構造をマークする抗体・ GAL4 系統な
どをすばやく見つけることが出来る。
参考図に用いるデータ、図表は全ての研究者から広く募集する。図には簡単な解説の
他、標本の genetic background、age、sex、 固定染色方法、スケール表示などきっ
ちりした記載が要求される。電子データを送っても良いし、スライドや原画を送って
スキャンしてもらう事も可能だ。submit された図はレフェリーによる選考と revisi
on を経て、アトラスに組み込まれる。これら基本図と参考図は「publication」とし
て他の論文等に引用可能なようにする。またアトラスとは別に、各研究グループはそ
れぞれ自前の WWW ページを作成し、自己のデータや論文、学会発表の内容などをネ
ットに公開することが推奨される(フライブルク大 Fischbach 研究室のページなど
を参照されたい。http://deep-thought.biologie.uni-freiburg.de/data/kff.html)。
データの大半は画像なので、現在のインターネットのデータ転送速度では長距離のア
クセスに時間がかかりすぎる。そこで世界各地に同一内容の WWW ページを設け、ど
こからでも実用的な速さでアクセス出来るようにする。データそのものを CD ROM
に
焼き付けて配布することも考えている。データは当面は百〜数百メガバイト、長期的
には付録アーカイブも含めて合計数ギガバイトになると予想される。
WWW によるアトラスの実験的な構築は、アリゾナ大の Nick Strausfeld とグラスゴ
ー大の Kim Kaiser の共同研究ですでに始まっており、 Mosaic 等で体験できる(ア
リゾナ http://mantis.neurobio.arizona.edu/、グラスゴー
http://indigo2.geneti
cs.gla.ac.uk/、両 WWW ページは同一内容である)。本格的アトラスは、この
WWW
を母体にしてこれを拡張する形で作製してゆくことになる。成虫脳だけの電子アトラ
スはアプローチが比較的はっきりしているが、これに発現パターンのデータベースや
突然変異、脳以外の神経器官、胚・幼虫のデータをどのように組み込んでゆくかは、
Fly Brain Project 全体の運営方法とも絡んで難しい問題である。また画像の収集と
選考がどれだけスムーズに進むか、FlyBase のデータベースや Volker Haltenstein
らによる胚の電子アトラス作成プロジェクトと今後どのように連携・棲み分けしてゆ
くかも、本 Project の展開と成功の鍵になろう。
※ 次回のワークショップは来年の米 Drosophila Meeting に併催して行なわれる
予定です。プロジェクトに参加されたい方、提供可能な画像をお持ちの方、またより
細かい情報の必要な方は、伊藤まで連絡をお待ちしています。
(伊藤 啓:新技術事業団・山元行動進化プロジェクト、email : itokei@libra.ls
.m-kasei.co.jp)
お知らせ
Disposable vial
バイアル製造をお願いしているハイテックの電話番号が以下のように変更になりまし
た。尚、前回のニュースでお知らせした小型のバイアルの発売開始は5月の予定です
。できあがりましたらサンプルを配布してもらう予定です。
有限会社 ハイテック 270-13 千葉県印旛郡印西町内野1-8-5-106
TEL 0476-46-9492 FAX 0476-46-9493
「日本ショウジョウバエ研究会」運営委員
木村 正人 北海道大学 地球環境科学研究科 生態遺伝学講座
最上 要 [編集・通信担当]東京大学大学院 理学系研究科 物理学専攻
青塚 正志 東京都立大学理学部 生物学教室 進化遺伝学講座
上田 龍 [事務局担当]三菱化学生命科学研究所 神経発生遺伝学研究グルー
プ
山本 雅敏 [代表]京都工芸繊維大学 応用生物学科 遺伝学教室
日下部 真一 広島大学 総合科学部 自然環境研究講座
原田 光 九州大学 理学部生物学教室 細胞遺伝学講座
谷村 禎一 [編集・通信担当] 九州大学 理学部生物学教室 細胞機能学講座
編集後記
・・・・次号は研究集会の前に出したいと思っています。編集者としては、読まれた
方からの反応がさっぱりで手応えがありません。どのようなことでも、お知らせくだ
さい。投稿を待ってます。(TT)
編集: 谷村禎一・最上 要
発行:「日本ショウジョウバエ研究会」 三菱化学生命科学研究所内
.