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Drosophila Newsletter (Japanese) No. 18
The Newsletter of the Japanese Drosophila Research Conference (in Japanese)
Jan 2000

ショウジョウバエ通信 No.18 2000年 1月

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ごあいさつ林 茂生
第4回研究集会を終えて西田 育巧
会計報告
・Cold Spring Harbor Meeting
  ・Eukaryotic mRNA processing村田 武英
  ・学会奮戦記 in CSHL梅園 良彦
第16回ヨーロッパショウジョウバエ研究会(16th European
  Drosophila Research Conference)出席の記
山本 雅敏
  旅行日記平井 和之
第4期決算と事務局の交代にあたって丸尾 文昭
ショウジョウバエ遺伝資源センターからのお願い山本 雅敏
お知らせと会則

代  表 :林 茂生 (任期2年)   事務局  :村田 武英(任期4年)
次期代表 :西郷 薫 (任期4年)   通  信 :猪股 伸幸(任期2年)
その他  :西田 育巧(任期2年)   J-Fly   :伊藤 啓

ごあいさつ

林 茂生(国立遺伝学研究所)

 今年度夏から代表になった林です。私が10年近く前の1990年夏に留学から帰国してハエの研究をはじめた当時、分子遺伝学関係の研究室の数は少なく交流のチャンスもかぎられていました。その後関係者のご尽力でショウジョウバエ研究会が旗揚げされて第一回の研究集会が八王子セミナーハウスで行われましたが大変な熱気に包まれた会だったことが強く印象に残っています。この自由で活発な雰囲気を保ってよりよい研究の発展につながるように微力を尽くしたいと思います。

 私は学生時代ニワトリの発生の研究をしたあとポスドク時代にはじめてハエの分野に入りました。そこで強く感じたことはショウジョウバエ研究者コミュニティーのフランクな雰囲気です。激しい競争の中にあっても研究で使用された系統、クローン、抗体などはいったん発表されたものはもちろん場合によっては未発表のものまで無条件で分与されている事に大変驚いたものです。この当たり前の事が他の分野ではなかなか徹底していません。節度と信頼を保った上での情報と材料の流通が研究の発達におおきく貢献し、そしてそれは結局自分たちの研究の利益につながっている事をお忘れないように願います。こういった情報の流通がスムースに行われるには普段のコミュニケーションが大切です。今後もショウジョウバエ研究会が研究者の交流を助けるフォーラムとして機能していけるようにしていきたいと思います。またインターネットの時代にあってJ-FLYは研究者の意見交換の主要な場として貴重なものです。J-FLYをボランティアで管理してくださっている基礎生物学研究所の伊藤啓さんに感謝いたします。

 21世紀を迎える時代の節目において研究の環境は大きく変化をしています。ゲノム構造の解読によって遺伝子クローニングの手間が飛躍的に減り、機能解析に集中できるようになってきました。また種の違いをゲノム構造をもとに解析できる可能性も視野に入ってきました。こういった研究環境の進展に伴いモデル生物としてのショウジョウバエにこれまで以上の期待がよせられています。また研究者に求められる資質も変化してくることが予想されます。単なるハエ屋ではなく生物界全体を見渡せる視野を持った人材がショウジョウバエ研究会のディスカッションの中から育ってくる事を期待しています。

 さて代表の第一の仕事は研究集会を主宰することです。次回は2001年の8月上旬に三島の東レ研修所を予定してます。ここは宿泊施設が整っていますので合宿形式でポスターを前にとことん議論ができる会にしたいと考えています。みなさまのご意見ご提案をぜひお寄せください。



第4回研究集会を終えて

第4回研究集会代表者 西田 育巧(名古屋大学大学院理学研究科生命理学)

 日本ショウジョウバエ研究会第4回研究集会は、大変暑い最中ではありましたが、多くの方の御参加を頂き(参加者195名)、盛会の内に無事終えることができました。有難うございました。前回と同様、大学院生と30歳代の方々が主役で、大変活気に溢れた会になったと思います。シンポジウムなどの講演は、例年より少し少なめにして、ポスターに十分な時間を割くように企画しました。特に今回は、期間中ずっとポスターを掲示できるようにしました。結果として、大変充実した内容の講演と活発な討論が行われ、また、十分な研究交流が可能だったのではと思います。ただ、大会議室のポスター会場が少し狭かったのは、申し訳なかったと思います。ポスターは96題と、年々増加の傾向にあり、ショウジョウバエ研究が益々発展しつつあることを窺わせます。内容としては、発生・神経関係が多く、これは現在の研究の流れを反映したものだと考えられます。一方、残念ながら、集団・進化・生態関係の演題が非常に少なく、この分野の方の参加が今まで以上に減少したことは、企画する上で配慮が不足していたと反省いたしております。この分野の方々にも魅力のあるものにして、積極的に参加して頂けるようにすることが今後の課題と言えます。

 今回の研究集会では、特に、愛知県がんセンター研究所の山口政光さん始め、研究所生物学部の皆様に大変お世話になりました。また、愛知県がんセンター研究所がん研究会からは多額の補助を頂くことが出来ました。ここに厚くお礼申し上げます。



会計報告

<収 入>
 参加費(前納 160名)       575,000
    (当日  34名)       149,000
 要旨集販売               1,500
 愛知県がんセンターからの補助     200,000
 広告料・寄付             309,580
 預金利息                 42
 合  計              1,235,122
<支 出>
 会場使用料              102,795
 ポスターパネル借用費         360,780
 要旨集印刷代             147,000
 講師謝礼                50,000
 事務用品(押しピン、名札、etc)     55,954
 飲み物                 27,934
 雑費(紙コップ、ポリ袋、etc)      16,732
 バイト(謝礼、弁当、懇親会)     208,000
 合  計               969,195
<残 高>               265,927
懇親会会計
<収 入>   参加費         495,500
<支 出>   飲食費         398,400
<残 高>                97,100
年会運営費と懇親会の残高、合計363,027円は事務局に預け、次回の研究集会の運営費の補助に当てたいと思います。

(平成11年11月10日付で上記金額より入金手数料840円を差し引いた362,187円の入金を確認しています。村田)


Cold Spring Harbor Meeting
「Eukaryotic mRNA processing」

村田 武英(理化学研究所・遺伝子基盤研究部)

「ご挨拶にかえて」

 皆様はじめまして。ショウジョウバエ研究会事務局を担当させていただくことになりました村田武英です。よろしくお願いいたします。

 先日、名古屋で行われました研究集会で、村田が事務局を担当することを承認いただきましたが、同日に京都で行われておりましたRNA研究会に出席しておりましたので、その場で皆様にご挨拶ができませんでした。たいへん失礼いたしました。そこで、ご挨拶の代わりになればと思い、Cold Spring Harbor Laboratoryで行われましたRNA関連のミーティング「Eukaryotic mRNA processing」から3題を選んで報告させていただきます。聞いてきたことの羅列でまとまりがありませんが、お許し下さい。


Eukaryotic mRNA processing
  August 25-29, 1999
  Cold Spring Harbor Laboratory
  Arranged by
    Adrian Krainer, Cold Spring Harbor laboratory
    James Manley, Columbia University
    Timothy Nilsen, Case Western Reserve University

SESSIONS
  snRNPs and SR Protein Kinases
  Integration of Processing Pathways
  Splicing Factors and Mechanisms of Enhancement
  3' End Formation
  Splicing Mechanisms and Signals
  Splicing Regulation
  RNA Stability and Editing

Ming-juan Luo and Robin Reed, Dept. Cell Biol., Harvard Medical School.
Splicing generates a specific complex that targets mRNA for rapid and efficient export

スプライシングとmRNA exportはリンクしているのか?

<方法>:cRNA (cDNAから転写して合成したもの) およびpre-RNA (前述のcRNAがスプライシングを受ける前のもの) をXenopus oocyteの卵核胞に注入し、RNAを抽出して電気泳動する。注意すべきは「スプライシングをうけたpre-RNAはcRNAとまったく同じ配列をもっている」ということです。

<結果>:アデノウイルスAdMLとftzについて実験を行ったが、どちらもpre-RNAを注入した場合は細胞質へ輸送されたが、cRNAでは輸送はほとんどなかった。pre-RNAとcRNAの同時注入でもスプライシングをうけたpre-RNAは核外に輸送され、cRNAによる競合阻害はなかった。RNAの泳動をdenature gelで行うと、全細胞抽出したRNAのサイズは同じだったが、native gelではスプライシングをうけたpre-RNAの移動度はcRNAより小さかった。このことからスプライシングを受けたRNAには何らかのマーク(RNA結合蛋白質?)がついていると考えられる。質問としては、intron-lessの転写物の核外輸送システムではどうかというものがありました。効率良く導入遺伝子を発現させるには、どこかにintronをいれる必要があるのだなァと思いました。そういえば、発現ベクターに組み込まれている「SV40 poly(A)サイト」にはpoly(A) signalだけでなくintronも含まれているのはこのためだったのか、と思いました。


つぎは、double strand RNA (dsRNA)によるRNA interference (RNAi)について。

Huafang Shi, A. Djikeng, H. Li, G. Mair, T. Mark, C. Tschdi & E. Ullu, Yale Medical School, Dept. Internal Medicine, New Haven.
RNA Interference in Trypanosoma brucei

RNAiはdsRNAの直接注入だけでなく発現ベクターDNAから転写されたRNAでも可能なので、それを用いた実験を行った。

<方法>:tetracycline-inducible PARP promoter下にa-tub 5' UTRをhead-to-headで配置(間にはrDNA locus DNAを挿入、転写後にRNAがループを形成し部分的にdsRNAとなる)したものを用いた。Transfectionと同時に種々の薬剤によるRNAi効果の阻害を試みた。

<結果>:ActinomycinDは、RNAiの効果を阻害しなかったが、蛋白質合成阻害剤によってRNAi効果は阻害された。以下にデータを示す(阻害剤なしのときを100%としてRNAi効果を示す)。

  Anisomycin 80% (large ribosomeペプチド転移阻害)
  Cycloheximide 70% (蛋白質合成阻害)
  Chloroquine 50%
  Emetine 40%
  Puromycin 55% (tRNA阻害)
  fusilic acid 10% (ribosome解離阻害)

観察しているのは標的mRNAの量なのですが、なぜか蛋白質合成阻害剤が効果的であるという不思議な報告です。結論として、蛋白質合成阻害剤のうち、polyribosomeを"freeze"するものはRNAiを阻害するが、mRNAをribosomeからreleaseするものはRNAi阻害効果は低いということでした。


おしまいに、RNAiをもう一題。
Philip D. Zamore, T. Tuschl R. Lehmann, D. P. Bartel & P. A. Sharp, The Whitehead Inst. Biomed. Res.ほか。
Targeted mRNA degradation by double-strand RNA in vitro

<方法>:Drosophila embryo extract (including NTP) とreporter RNA (7-mGpppGキャップおよびpoly(A)付加したluciferase reporter gene) を25℃で30分間preincubationの後、dsRNA (500 bp)を加えてさらに60分間 incubate。

<結果>:dsRNAを加えた場合のluciferaseの活性は、dsRNAを加えないものに比べて40%低下した。しかし、preincubationなしにreporter RNA とdsRNAを60分間incubateしたものは、dsRNAを入れないものと大差ないluciferase活性であった。つまり、dsRNAのみをembryo extract中でincubateしている30分間に何かが起こっており、その何かがdsRNAがRNAiとして働くために重要であるということですが、それが何かはまだ見つかっていません。


 このミーティングはmRNA processingに限定されていましたので、そんなに大きくはないなぁという印象でした。それでもポスターを含めて210演題がありました。また、processingのうちでもとくにスプライシングに関する演題が多かったように思いますし、各oral sessionもスプライシングの話が中心でした。

 上記以外の話題について詳しくお知りになりたい方は、ご遠慮なくご連絡下さい。
RNAiに関して以下の論文が出ましたので、参考までに追加いたします。
  H. Tabara et al., Cell, 99, 123-132, 1999.
  R. F. Ketting et al., Cell, 99, 133-141, 1999.


学会奮戦記 in CSHL


梅園良彦(科学技術振興事業団・CREST 研究員・国立遺伝学研究所)

10/6〜10日にかけてニューヨーク州、コールドスプリングハーバー研究所で「Neurobiology of Drosophila」meetingが開催された。以下、何か今後の参考になればと思い、記すことにする。

「研究所」
 研究所というイメージより、もろリゾート地といった感じである。かわいらしい建物が点々と存在しており、その中で実際に研究がおこなわれている。すぐ近くにはビーチがあって、そこでカブトガニの殻を発見する!ことができる。最初の1個は感動ものであるが、そのうちすぐに当たり前になってしまうのが残念である。それほど、たくさんの数なのである。

「宿泊」
 研究所内のcabin、もしくは研究所近辺に用意されたホテルに泊まることとなる。その割り振りは学会側でなされる。研究所内のcabinは非常に近いので会場との往復が便利であるが、その反面、寒くて、風邪を引くというdemeritが存在するらしい。ホテル(2人で1部屋:会議中、同室のアンディさんをみかけることは、何故か会場ではなく食堂だけであった?!)へのアクセスは1時間おきに運行されるシャトルバスの利用となるので、会議終了時間が中途半端だと30分近くも帰りのバスを待たなければならないという事態が起こりうる。それをみこしてか、会議途中でもバス目当てと思われる多くの人たちが会場をあとにする光景が観察された。そのかわり、睡眠はとても快適である。

「食事」
 1日3食、研究所内の食堂で摂ることとなる。おいしくない?!との評判を聞いての食事となったが、自分にとっては全然問題はなかった。ただし、日頃の食生活が大きく影響しそうなので、保証できるかぎりではない。最終日のdinnerのロブスターは恒例だそうだ。

「Meeting」
 参加者、約200人の非常にこじんまりとした学会で、その雰囲気は全然堅苦しくなく、ほとんど全員が自分と同じようなラフな格好である。この点は非常に居心地がよい。普段、学会で浮きがちな自分もちゃんとなじんでいるようだった。
 内容は非常にactiveで充実している。発表はほとんどがつい最近publishされたか、されるかといったものばかりである。すなわち、どうも「priority」を取るにはこの学会で発表することが有効であるらしい。oral sessionsは「Neurophysiology」「Sensory Systems」「Adult Nervous System Development and Structure」「Behavior」「Cellular Determination and Differentiation」「Axon Guidance andTarget Recognition」「Synaptic Plasticity and Target Recognition」の7タイトルで、タイトルからわかるように「発生屋」であると自負している自分にとっては、やや興味対象外の発表が多く感じられたのは事実のようで、、、。という言い訳をふまえて細かい内容に関しては最新の雑誌をcheckしてもらうことをお願いする(お許しを!)。
 自分の興味における今回のキーワードとしては「Notch」と「Mushroom body」を挙げておく。moleculeに限定すると、未だNotch に関する発表が相変わらず多い。そういう自分もNotchに関するポスター発表をしてきた訳で、そのおかげか多くの人々が自分のポスターの前を訪れることとなった。また、Mushroom bodyに関する発表も非常に多く感じられた。やはりMushroom bodyに限らず、brain functionは今後の残されたmajorテーマの1つとして積極的なアプローチがますますなされていくことだろう。

「おみやげ」
 研究所グッズなるものが購買で販売されている。よく研究室のお茶部屋でみかけるマグカップを発見し、おみやげの定番であることを実感する。あと T-シャツ、トレーナーなんかが無難なおみやげとして挙げることができる。変なものでは「doublehelix ブレスレット」なるものがあった。観てくれも値段からしても、おもちゃ的なものなのだろうが、ちょっとやりすぎでは?!

 最後としては、「是非、実際に参加してみてください」というところだろうか。ショウジョウバエ屋になって、まだ1年半の自分にとっては、何もかもが不安でいっぱいな学会参加ではあったが、今となっては本当に参加してよかったと実感している。何故が日本国内における学会よりも居心地が良い気さえした。もちろん、語学力という大きな問題が存在するのは別としての話ではあるのだが。また是非、次の機会も!と思いながらも、その反面、ゆくすえのわからないポスドクという自分の立場をしみじみ実感するのであった。

PS:このような機会を与えてくださった堀田先生に感謝申しあげます。


第16回ヨーロッパショウジョウバエ研究会(16th European Drosophila ResearchConference)出席の記

山本雅敏(京都工芸繊維大学ショウジョウバエ遺伝資源センター)

1999年9月29日から10月2日までスイス連邦Zu"richで開催された16thEuropean Drosophila Research Conferenceに出席した。この研究会に関する記事をショウジョウバエ通信に掲載するから原稿を送るようにと、通信担当猪股さんと代表の林さんから催促をされていましたが、あれやこれやの雑事の連続で大変遅くなってしまい、読者の方々も、「えっ、そんな研究会があったんですか?」という状態だろうと想像できます。遅くなって大変申し訳ないと反省しつつ、また年とともに悪くなった頭を捻りつつ思い出しながら、この記事を書いてゆくことにします。

 Zu"rich大学とZu"richからパリ大学を訪ねるまでの旅行については、同行した大学院生の平井和之君の旅日記を読んで下さい。


EDRC

 第16回のEuropean Drosophila Research Conference (EDRC)は、9月29日午後8時にofficial openingとして、開催世話人代表のProf. Rolf No"thigerの挨拶で開始された。会場は主会場のMorganの他、Muller, Stertevant, Bridges, Hadornと名付けた合計5会場で構成されていた。参加人数は、700人を少し超えるぐらいであったと思う。アメリカ合衆国のfly meetingと比較すると、こじんまりとした研究会であったが、日程はかなりハードに詰め込まれていた(プログラム参照)。口頭発表は138演題、ポスター発表は227題あり、ポスターセッションは昼の時間に集中して行うこととなっていた。朝は、8時30分から、夜は毎日10時半頃まで大学に詰めっぱなしである。親睦会のディナーなどは、夜8時ごろからはじまり、ゆっくりと深夜12時ごろまで続き、その頃からディスコに模様替えといった内容であった。若手の研究者の参加が多いということでもあろう。


Main Lecture Hall での Prof. No"thigerの挨拶
 今回のEDRCは、進化に興味を持っている研究者の出席が極めて少ないことが残念であった。バルセロナで開催されたヨーロッパ進化研究会へ流れた結果ではないかと思われる。

 研究会での発表の内容について、ここでまとめて紹介するほどの力量は、私にはない。しかし、この研究会で感じたこれからのショウジョウバエ研究の動向は、今では誰もが知っているゲノム情報の公開と、それを基盤にどのように研究を進展させてゆくのかということに尽きる。研究会開始の30日夜にはplenary lectureで、Rubinのゲノムにおける今後の見通しで始まり、Ashuburnerの"30 years of EDRC"で再びゲノムの話題で幕を閉じました。日本でも、ゲノムプロジェクトの研究成果をどのように利用し、また新しいゲノム研究をどのように行ってゆくのか、を考えることになるでしょう。ショウジョウバエのゲノムだから、ショウジョウバエの研究者が考えればいいのだということではなく、ショウジョウバエをモデル生物として、生物学のあらゆる分野で、研究方向の大きな変化が生まれてくることが予想されます。非常に楽しみな時代がやって来そうです。



G. Rubin

T. Schu"pbach

M. Ashuburner
 この研究会ではプログラムに表れていない活動があちこちで持たれたようです。なかでも、私が参加したのは、"Drosophila Community Resources Meeting"です。通称"Strategy meeting"と呼んで、各参加者の何らかの"strategyづくり"に有意義な議論をしようというもののようです。私は初めての参加でしたので、これまでの事情は知りません。この場で話し合われたこと、その後いろんな方々からの追加情報をまとめてみました。


系統

現在(近い将来も含めて)の国際的系統維持能力は、
    Bloomington 10,000 (20,000へという期待はあるが積極的ではない)
    Umea       5,000
    Szeged 5,000
    Kyoto 10,000 (建物の整備が完了した場合。5,000系統から開始する)
という規模である。ショウジョウバエの系統として維持する場合30,000系統あれば、当面の研究には充分ではないかとの見方が主流で、現在の規模で賄えるのではないかと落着いた。


Drosophila stocks at the Bloomington Stock Center
 しかし楽観的な状況ではなく大きな問題点がある。それは、日本のショウジョウバエ遺伝資源センターがフルに稼動できる体制になるのに少しばかり時間がかかることと、Umea"(ウメオ:ウメアではない)とSzegedの系統保存の存続が危ぶまれる気配になっている点である。すでにNatureや科学新聞(11月26日付け)記事になっているように、EUは極端な基礎研究費のカットに踏み切った。EDRCでのミーティングは、すでにショウジョウバエの系統保存費の削減あるいは全面的なカットが通告された直後であった。著者はZu"richのあとUmea"センターを訪問しこれからの計画を話し合った。Prof. Rasmusonは系統保存費のカットが通告されたもののUmea"は継続して系統の保存は続ける努力を1年はすると覚悟していた。研究費が本当に枯渇しているかと言うとそうではないようで、Ashburnerらのグループは、この直後、3−4億の研究費が配分されたとの連絡を受けている。EUからの基礎研究費と各国独立の研究費としての配分の難しさが表れていると見る人もいるようだ。ショウジョウバエの研究者は重要な系統の維持管理に少し眼を向けておく必要がありそうだ。


誘発突然変異
BDGP(Berkeley Drosophila Genome Project):
 P因子挿入系統の系統情報をWEBで公開する。各研究者の持っているP系統はすでに存在するか否かの判定を速やかに行うことができる体制を提供する。
 さらに多くのP挿入系統(5,000)の挿入位置を塩基配列のレベルで分析、公開する。

Cambridge(UK):
 Ashburnerは、新しい欠失のシリーズを作成する予定。EUからの研究費の有無に関わらず行うと言っている。Bloomingtonでは、NSFのグラントで欠失作製実験が今年開始された。また著者も同様の計画をたて準備を行っている段階で、科研費の申請を行った。これにはX染色体の重複系統の作製も計画している。

日本:
NPコンソーシアムの8ラボ計画も話題になった。伊藤啓氏によると、4,000のGAL4ラインが来年の春には一般に公開されるとのことであった。

German Genome Project:
 X染色体上のP因子挿入ラインを4,000作成する予定で第2次スクリーニングが開始されている。ドイツのプロジェクトらしく、X以外の染色体への挿入ラインはどうするのかとの質問に、X染色体を対象としているので、それ以外の染色体に関しては不明だとのこと。捨てられているならもったいない。
 フランスやスイスも同様の研究は行っているようだが、その数はあまり多くはないようだ。

データベース
会議の場でリストアップされたショウジョウバエに関するデータベースとその後、追加されたものも含めてここにお知らせしておく。
FlyBase. http://fly.ebi.ac.uk:7081/
FlyView. http://pbio07.uni-muenster.de/Home.html
FlyNets. http://gifts.univ-mrs.fr/FlyNets/FYN_entries_by_acc.html
(FlyNetsのトップページはhttp://gifts.univ-mrs.fr/FlyNets/FlyNets_home_page.html)
FlyBrain. http://flybrain.uni-freiburg.de
Interactive Fly. http://sdb.bio.purdue.edu/fly/aimain/1aahome.htm
TaxoDros. http://www.zoolmus.unizh.ch/TaxoDros.html

EM polytene maps. http://www.helsinki.fi/~saura/EM/
J-Fly. http://jfly.nibb.ac.jp/
EDGP. http://edgp.ebi.ac.uk/
BDGP. http://www.fruitfly.org/

Sequencing

 皆さんも御存じのように、Celeraの驚異的な塩基配列の決定により、ショウジョウバエのゲノムの配列が公開されはじめています。12月末までには、連続した配列が明らかにされ、来年の2−3月には、公開されFlyBaseで閲覧が可能になるでしょう。最近の[bio.dros]へのAshburnerの投稿を参考にしてくだい。

 BDGPは塩基配列の決定事業をあきらめ、6,000程度のユニークなcDNAのコレクションを行うとか、Oliverの精巣特異的ESTコレクションに研究費を使用する計画を考慮しているようです。また、別種のショウジョウバエのゲノム分析に取りかかる計画もたててはいるようですが、果たして研究費の課題変更が可能かどうかにかかってくるでしょう。キイロショウジョウバエ以外のショウジョウバエ種のゲノム分析は将来のヒトとチンパンジーのモデルとして重要な分野になるのではないかと、著者は考えるのですが。

 その他、マイクロアレイやクローンの保存と分譲なども簡単に議論の対象となりましたが、上に述べた以上の深刻な問題にはなっていません。但し、マイクロアレイの研究で巨額の研究費をものにしている研究室(Cambridge)もあれば、マイクロアレイは個々の研究者にとっては研究開始時期に必要なものであって、それを大量に作成するシステムを構築するの膨大な研究費を注ぎ込む必要はないのではないかといった見方もあった。


 ゲノムの塩基配列が明らかになると、誰もが簡単にDNA断片を入手することができる。これまでのDNAハンドリングの名人はさして重要ではなくなる。何が面白い研究対象になるのか。どのように研究を継続し発展させてゆくのか。興味深い遺伝子を求めての旅がまた多くの人々によって開始されることになる。


補足説明:NP コンソーシアムは今後のハエの維持・発送用の予算確保がまだできておらず、各研究室のボランティアに依存しているため、一般公開といっても当面は、ストックセンターのような充実したサービスは残念ながら不可能です。(伊藤啓)


旅行日記

平井 和之(京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科D3)

 チューリッヒでの研究会の後、フランスの研究室を訪問するためにパリへ移動することになりました。3日間ほど時間がとれるので飛行機よりも鉄道旅行にしたいと考えましたが、どのルートが良いのか分かりません。そこでニュース(fj.rec.travel.world)へ投稿してみました。なかなか反応がなく諦めかけているところへ、1通のメールが送られてきました。「スイスは山と農村の風景」。それは、都立大の布山先生からだったのです。スイスの山の観光は天気次第なのでフレキシブルな予定を組んでおく方が良いことを教えていただき旅行日程は全て布山案にそって、チューリッヒ→ルツェルン→ピラタス山→マイリンゲン(泊)→グリーンデルワルト→ベルン(泊)→パリと決定しました。

10月3日(雨)チューリッヒ→ルツェルン→マイリンゲン
 早速の大雨でピタラス山からの俯瞰はできないため、ルツェルンの市内観光に変更しました。中世の面影を残す街並みと氷河公園は楽しめます。しかしワグナー記念館は、山本先生がどうしてもというので雨の中延々と歩いて訪れましたが、あまりお勧めできませんね。夕方、大きな窓の真っ赤な列車でマイリンゲンへ向かっている頃には天気も回復し、そびえる山と静かな湖の景色を車窓から楽しむことができました。

10月4日(晴/雨)マイリンゲン→グリーンデルワルト→ベルン
 マイリンゲンはのんびりできるよい町です。アーレシュルフト渓谷の岩の割れ目の細道を水しぶきを受けながら1時間ほど歩きました。帰りのバスを待っていると、突然戦車が連なって道路を通り始めました。見とれているうちにその間に挟まれるように運転されていたバスはそのまま走り去ってしまい、仕方なくもと来た道を歩いて引き返すことになってしまいました。昼過ぎ、駅前からポストバスに乗りグリーンデルワルトへ向かいました。大きな鈴を首にぶら下げた牛や、紅葉をバックに駆ける野生鹿の姿が印象的です。

10月5日(曇/晴)ベルン→パリ・オルセー・ジフ

薬の説明をルムニエさんから受ける
 ベルンからパリへ直通のTGVで約5時間かけて移動しました。しかし走行中の揺れは相当で日本の新幹線の方がかなり快適に思われます。パリのリヨン駅でジャン・マーク・ジャロンさんと会い、パリ南大学の研究室を訪問しました。夕方、CNRSのフランソワーズ・ルムニエさん、ダニエル・ラシェズさんと合流し、山本先生と澤村さんは食事へ出かけました。しかし僕はスイスで雨に濡れたために体調を崩し、ホテルで医者の診察を受け寝ていました。

10月6日(晴)ジフ
 午前中、澤村さんのセミナー。研究室訪問。ルムニエさんにお勧めの中華料理屋の地図を書いてもらったのですが、いくら探しても見つかりませんでした。きっと地図の道が「逆位」を持っていたのでしょう。

10月7日(晴)パリ
 パリ市内の散歩。エッフェル塔へ登る。昼食のステーキ タルタルは、フランス料理をよく知らないために注文してしまった生肉ミンチで、ハンバーグにつくりかえてもらい何とか食べられました。(後日談:このことを山本先生は行く先々で会った人との笑い話にして旅行を楽しんだとのことです。)夜はジャロンさんのパリでもお勧めのレストランでとてもおいしいフランス料理でした。

10月8日(曇)パリ発→大阪(澤村、平井), パリ発→ウメオ(山本)
 最後に2つ。旅行中に風邪をひいてしまいCNRSの方、山本先生、澤村さんにはとても親切にしていただきました。その際ホテルへ医者を呼んだのですが、全く費用もかからず診察と薬を手に入れることができました。学生用のクレジットカードは年会費無料だけではなく海外旅行傷害保険も付加されているものが多くとても有効です。もう一つはスイスでの鉄道の切符について。あらかじめ計画していた経路で購入した切符を既に使い始めていても、途中観光に適さない天候等により別の経路に変更したい場合、駅の窓口に申し出れば切符の変更と差額の払い戻しをしてくれます。

 EDRCと併せて楽しい旅行もできました。布山先生、有難うございました。また山本先生や澤村さんとどこかの学会へ同行できる日が楽しみです。


第4期決算と事務局の交代にあたって

前事務局 丸尾文昭(筑波大学生物科学系)

1.新事務局(名簿変更情報、各種問合わせはこちらに)
 村田 武英  むらた たけひで
 e-mail: tmurata@rtc.riken.go.jp
 〒305-0074 つくば市高野台3-1-1 理化学研究所 遺伝子基盤研究部
 TEL: 0298-36-3612、FAX: 0298-36-9120

2.研究会 Web ページ(JDRC Web)の URL の変更について
 研究集会の案内や研究会名簿などを提供している JDRC Web は、前事務局のあった筑波大学生物のWebサーバを使って提供してきましたが、事務局の移転に伴い URL が変ります。新しいWebサーバは、(1)事務局交代のたびに URL が変らないように、(2)Webサーバの有無が事務局選任の限定要因にならないように、(3)研究会運営費の負担にならないように(無料のところ)という理由で、文部省学術情報センターの「WWW資源提供サービス」を利用させてもらうことにしました。
新しい研究会 Web ページ(JDRC Web)の URL は、
  http://wwwsoc.nacsis.ac.jp/jdrc/
です。
ブックマーク(お気に入り)の更新やリンク先の更新をお願いします。なお、筑波大生物の JDRC Web のトップページでも移転先のお知らせは当分の間、掲載を続けます。

3.収支決算報告
 第4回研究集会の総会で報告、ご承認をいただいた第4期決算を掲載します。第3回研究集会(福岡)から第4回研究集会(名古屋)までの期間のものです。

日本ショウジョウバエ研究会 第4期(1997 - 1999)収支決算
収入
 研究集会(JDRC3,福岡)準備金の清算       151,293
 寄付金(ショウジョウバエビデオ(JDRC3)代金他)  23,940
 受取利子                   1,554
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 小計                    176,787
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 前期繰越金                 367,019
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 合計                    543,806
支出
 ショウジョウバエ通信発送費(No.13-17)     79,480
 文具代(封筒、ラベルなど)          7,141
 研究会公印代                 17,640
 イラスト謝礼                 10,000
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 小計                    114,261
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 次期繰越金                 429,545
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 合計                    543,806

4.この4年間のこと

 初代の上田龍さんから事務局を引き継いだ4年前、105研究室330名ほどであった登録者が、この原稿を書いている現在182研究室450名になりました。留学中の方、海外でラボを主宰されている方については網羅しきれていないと思われますが、国内でショウジョウバエを利用した研究に従事、あるいは強い関心を寄せている研究グループの勢力はかなり反映した数字であろうと考えられます。この数年のインターネット、e-mailの普及には目を見張るものがあります。研究会では、e-mailアドレスなどの情報を含む研究者名簿を Web ページで公開してきました。ショウジョウバエという横糸で結ばれた様々な研究分野に従事される方々の研究交流のきっかけや手段として今後も活用していただけたらと思います。

 4年前に約59万円だった研究会の運営費は、第4回研究集会の清算が終わって約79万円になっています。運営費は研究集会を安心して開催するための資金バッファーとしての大きな役割があります。それ以外には主にショウジョウバエ通信の配布に使われています。3年位前に一度、通信の配布形態を検討したことがありましたが結局時期尚早ということで、研究室単位で印刷物を郵送するという伝統的なスタイルでの配布は継続してきました。前号の通信では海外17研究室を含む約180研究室が対象で、節約の工夫をしても郵便代だけで2万3千円ほどかかっています。一方、やはり3年位前から Jfly ML を利用させていただいて編集担当から直接、電子メール版を送付しています(これはメーリングリスト参加者全員に届いています)。また、Jfly サーバに置いてもらっている HTML版は、Jfly Web、JDRC Webから簡単に閲覧できるようになっています。3年前とは状況が変り、近頃では主要学術雑誌の Online Journalをネットワークを通じて利用されている方も多いのではないかと思います。今後の通信の配布方法について今期の世話人の方々がいろいろ知恵を絞ってくださっていると聞いています。効率的でさらに様々な環境の方々が利用しやすい選択肢が用意されるものと期待しています。

 この4年間、事務局の運営を支えてくださった会員の皆様、運営委員・世話人の方々、Jflyの伊藤啓さんに深く感謝いたします。また、ショウジョウバエ通信の袋詰めを手伝っていただいた筑波大学生物科学のショウジョウバエ関連研究室の学生の方々、どうもありがとうございました。新事務局の村田武英さん、どうかよろしくお願いいたします。



ショウジョウバエ遺伝資源センターからのお願い

山 本 雅 敏(京都工芸繊維大学・ショウジョウバエ遺伝資源センター)

 平成11年7月に開催された「日本ショウジョウバエ研究会」でお知らせしましたように京都工芸繊維大学にショウジョウバエ遺伝資源センターが設置されました。しかし、拠点となる施設の建設予定は明確ではなく、業務内容やその規模ならびに将来計画が不明瞭なままでした。

 ショウジョウバエ遺伝資源センターの施設が完了した後、すみやかにショウジョウバエ系統の分譲業務を開始できるようにするための準備を現在進めているところです。当センターの業務目標のひとつとして、『あなたのラボのインキュベーター』と表現できる規模での系統の維持ならびにその分譲を計画していますが、その目標を実現するためセンターで維持する系統の選択基準と系統数を考慮するために、国内の研究機関で維持されている系統の予備的調査をしたいと考えております。

 6年前にみなさんのご協力を得て、国内研究機関におけるショウジョウバエ系統のリストを提供していただき、5年前に未完成な状態ではありましたが、国立遺伝学研究所の遺伝資源情報総合センターからの依頼により公開させていただきました。JFLYでも利用していただきました。この系統リストは、私がまとめたものではありますが、京都工芸繊維大学のリストは含まれていないことで不思議に思われたことでしょう。リストを作製している際には、私の研究室で保存していた系統も含めておりましたが、当時、宮崎医科大学から京都工芸繊維大学に移動し研究室のセットアップを行っているときに事故が起きました。1994年12月30日の夜、宮崎から運んで移設したプレハブインキュベータが故障し、31日の朝すべての系統がシャーベット状に凍結、系統は完全に死滅してしまいました。一時はショウジョウバエの研究を断念しようとさえ考えましたが、新しい分野への出発もゼロからであれば、ショウジョウバエ研究を再び開始するのもさほど難しいことでもない。との思いから再出発をしたわけです。系統保存の重要性はこのような経験からも再認識したと言えます。

 この度、みなさんに提供していただきたい情報としては、皆さんの研究室で維持されている系統リストです。ただし、各自の研究室で研究用に保存しておきたいというものはお知らせくださらなくても結構です。公開することで分譲依頼がある場合に、それに対応して分譲可能な系統のリストです。我国のショウジョウバエ系統リストのアップデート化も必要となっていますので、ここで、系統リストを作製し直すとともに、センターとして維持すべき系統を検討する材料にさせていただきたいと思います。また、ショウジョウバエ遺伝資源センターが保存すべきだという系統に関する情報や御意見もあわせてお寄せいただけると幸甚です。ただし、系統として維持すべきだとの御意見に従い、それらのすべてを保存するということを今の段階で確約することはできません。しかし、当センターで保存すべきだとの御希望があれば、その系統の具体的特徴と維持の必要性についてお知らせ下さるようお願いいたします。



お知らせ


「日本ショウジョウバエ研究会」名簿はホームページ(http://wwwsoc.nacsis.ac.jp/jdrc/)で原則として登録していただいた内容全てを公開していますが、連絡先(住所、電話番号、E-mailアドレス)が個人のものになっている方はその項目を非公開としたいと思います。該当される方は、事務局・村田までご連絡下さい。

「日本ショウジョウバエ研究会」会則


1. 本会を「日本ショウジョウバエ研究会」(JDRC: Japanese Drosophila ResearchConference)と称する。
2. 本会はショウジョウバエを利用した研究を行う人およびショウジョウバエ研究に興味を持つ人を広く結集し、相互の情報交換と研究討議を行う場を提供する。
3. 上記の趣旨に賛同する者は誰でも会員になれる。
4. 本会には代表1人を含め世話役4人を置く。
5. 代表は本会運営の責任者であり、また研究集会の計画・実行に責任を持つ。代表は研究集会が開かれるごとに交代する。
6. 代表以外の世話役のうち、1人は「ショウジョウバエ通信」の編集を担当し、全員に必要な情報を伝達する。
7. 他の1人が事務局を分担し、名簿の管理、通信の発送、金銭の出納を行う。
8. 世話役は会員全体のために、緊密に連絡し広い視野で活動する。
9. 世話役は2人ずつ2年毎に交代し連続4年勤める。4年を越えるのは認めない。世話役を辞めたのち4年間は再び世話役になることができない。
10. 新しい世話役は地域、研究分野等のバランスを考慮して現世話役が決定する。会員は世話役に候補者を推薦することができる。
11. 世話役の交代は研究集会時に行い、出席者の承認を得る。
12. 新しい世話役に不満がある者は代わりの候補を立てて選挙を要求できる。
13. 会の運営費が不足してきた時には、これを徴収することがある。この場合、研究室を主管する立場にある者が多くを負担するものとする。
14.この規定に無かったり、詳しく決めてない事態が発生した場合の処理は世話役に一任する。

補則
1. 入会するには事務局へ申込む。研究会名簿に登録され「ショウジョウバエ通信」を受け取ることができる。同時にJfly mailing listにも参加されるようお勧めします。
2. Jfly は伊藤啓氏のボランティアによって運営されています。ショウジョウバエ研究会の活動ではありませんが、良好な協力関係のもとに、情報伝達等に利用させてもらっています。
3. 何らかの事情で任期中に世話役の交代が必要になる場合の手続きは14 項を適用して対処する。
(以上)


日本ショウジョウバエ研究会(世話役)
ホームページ:http://wwwsoc.nacsis.ac.jp/jdrc/
林 茂生(代表):〒411-8540 三島市谷田1111
 国立遺伝学研究所 系統生物研究センター 無脊椎動物遺伝研究室
 Tel: 0559-81-6823 Fax: 0559-81-6825 E-mail: shayashi@lab.nig.ac.jp
西郷 薫(次期代表):〒113-0033 東京都 文京区本郷7-3-1
 東京大学 大学院 理学系研究科 生物化学専攻 西郷研究室
 Tel: 03-5689-5606 Fax: 03-5684-2394 E-mail: saigo@biochem.s.u-tokyo.ac.jp
村田 武英(事務局): 〒305-0074 茨城県つくば市高野台3-1-1
 理化学研究所 遺伝子基盤研究部
 Tel: 0298-36-3612 Fax: 0298-36-9120 E-mail: tmurata@rtc.riken.go.jp
猪股 伸幸(通信):〒812-8581 福岡市東区箱崎6-10-1
 九州大学 大学院理学研究科 生物科学専攻 分子集団遺伝学講座
 Tel: 092-642-4344 Fax: 092-642-2645 E-mail: ninomscb@mbox.nc.kyushu-u.ac.jp
西田 育巧(その他):〒464-8602 名古屋市千種区不老町
 名古屋大学 大学院理学研究科 生命理学専攻 発生生物学研究グループ
 Tel: 052-789-2472 Fax: 052-789-2511 E-mail: nishida@bio.nagoya-u.ac.jp
Jfly:伊藤 啓 〒444-8585 愛知県 岡崎市明大寺町 字西郷中 38番地
 岡崎国立共同研究機構 基礎生物学研究所 細胞増殖部門
 Tel: 0564-55-7532 Fax: 0564-55-7533 E-mail: iitokei@nibb.ac.jp
Jfly サーバー:  http://jfly.nibb.ac.jp/index_j.html

編集後記:この号より編集を担当させていただくことになりました。原稿依頼などで皆様方にご協力をお願いすることもあろうかと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。旧世話役のみなさま、長い間どうもご苦労さまでした。(N I)